年末年始はタイで緩々な時間(とき)を過ごしてきました!
12月20日から1月12日の約3週間。タイは仏暦なのでことさら新年を祝うムードは日本ほどないものの、大晦日のカウトダウンには遠目に打ち上げ花火も望めて、西暦2024年の到来もそれなりに現地で味わうこともできました。
現地の気温は、最低気温25℃で最高気温35℃と、超寒がりの私にとってはまさにパラダイス!
日々のテンションはMAX状態で、気温や天候などの気象条件って、不思議なくらい精神的にも身体的にも大きな影響を及ぼしているんだとつくづく実感します。
ということで、かねてより現地の知人から『ブンサムランフィッシングパークに一緒に行かないか?』とのお誘いもあり、2024年の釣り初めはコレで決まり!と迷わず即快諾しました。
新年の初釣りは、メコンオオナマズやパーカーホ狙いだ!!
ブンサムランフィッシングパークといえば世界でも有数の管理釣り場。
世界最大の淡水魚といわれるメコンオオナマズやパーカーホを釣ることが出来る、大物釣り師にとってのメッカともいえる場所なのです。
じつは、現地の知人とは、かつてブンサムランフィッシングパークでガイドを務めていたタイ人の男性で、5年ほど前にはじめてブンサムランに釣行して以来親交を深め、タイでのさまざまな釣りを教えていただいた方です。
彼の名前はジュン。年齢は45歳。奥さんと子供が二人いて、現在は1時間ほど離れたバンブアトンに住んでいるようです。愛車はタイでも大人気の日産ダットラ。まさに釣り好き御用達の車ですよね!?
当日の待合せは午前9時。ノンタブリーのコンドミニアム前に彼の車が到着したのはその約15分後。日本人の時間感覚ではトゥーレイトかも知れませんが、現地ではマイペンライなのです。笑
『サワディーカー』久しぶりの再会に胸も弾みます!!
いざ、ブンサムランフィッシングパークへ!!
バンコク郊外にあるブンサムランへは、朝方のラッシュとも重なり2時間以上はかかるでしょう。高速道路(トールウェイ)に乗り、ジュンの運転する車はスリリングな走行を演じながら渋滞の車列を見事にすり抜けていくのでした。
メコンオオナマズを激釣!世界の巨大魚の聖地で筋肉痛になるまで釣り初めを思う存分堪能!!
東南アジアで釣りが最も盛んな国、タイ。
タイといえば、真っ先にプーケットやアンダンマンの紺碧の海を思い浮かべる方も多いと思いますが、じつは淡水の釣り堀(管理釣り場)でのゲームフィッシングが国民的レベルで盛んな国です。
首都バンコクを中心に、近郊を含めた釣り堀の数だけでも100箇所以上!
ターゲットは、食用とされるティラピア(プラーニン)をはじめ、メコンオオナマズ(プラーブク)やパーカーホ(プラーカホッ)、さらにピラルクー(プラールク)やバランマンディ(プラーカポン)など、そうそうたる大型魚ばかり。
こうしたタイの釣りブームの火つけ役となったのは、ダイワやシマノといった日本の大手釣り具メーカーといっても過言ではありません。
それでは、今回のターゲットであるメコンオオナマズとパーカーホについて簡単に解説いたします。
■メコンオオナマズについて
メコンオオナマズは、タイ語でプラーブク(ปลาบึก)と呼ばれ、東南アジアのカンボジア、ラオス、タイ、ベトナムを流れるメコン川水系の下流域に生息しており、天然のメコンオオナマズは絶滅危惧種に指定されている魚です。
全長は最大で3メートル、体重300キロ近くまで達し、草食魚としては世界最大の淡水魚といわれる巨大なナマズです。もっとも、釣り堀で釣れるメコンオオナマズは最大でも100キロ程度。
タイ全土に無数に存在する釣り堀(管理釣り場)では、最も人気の高いゲームフィッシングの対象魚として親しまれ、子供から高齢者に至るまで、多くの釣り人が練りエサを使ったカゴウキ釣りで、強烈なファイトを楽しんでいます。
ただし、あくまでもゲームフィッシングの対象であるため『キャッチアンドリリース』が原則。ジュン曰く、十数年前天然物のメコンオオナマズを食べたらアロイマック!(大変美味)だそうです。
とはいえ絶滅危惧に瀕している魚だけに、釣り堀では持ち帰る方をまだ見たことはありません。
■パーカーホについて
パーカーホは、タイ語でプラーカホッ(กระโห้)と呼ばれ、東南アジアのタイ、カンボジア、ベトナムのメコン川流域やメークローン川などに生息しています。カンボジアでは国魚として指定され「淡水魚の王様」の異名を持つ魚です。
全長は最大で3メートル、体重は最大で300キロ近くまで達し、メコンオオナマズと並んで世界最大の淡水魚のひとつとして数えられますが、釣り堀(管理釣り場)で釣れるのは最大でも50キロ前後のクラス。
メコンオオナマズと同様草食魚で、釣り方は練りエサを使用したカゴウキ釣りです。釣り堀でも個体数が少ないため、なかなかお目にかかることはできません。
パーカーホが釣れたら超ラッキー!!
まさに宝くじに当たったようなもの。食べても超美味らしいですが、お持ち帰りすると相当高額な料金を請求されるため、いまだに釣り上げてテイクアウトして食べたという情報は聞きません。件のジュンでさえ、一度も食べたことがないそうです。
ブンサムラン・フィッシングパークの概要
ブンサムランフィッシングパークは、バンコク郊外のチャチューンサオ県に位置する、タイ国内最大級の、世界でも有数な釣り堀(管理釣り場)です。
敷地面積が東京ドーム約2.5個分となる12.8万平方キロメートルを誇る広大な釣り場では、数多くの魚種が釣れ、まさに淡水魚の聖地ともいわれるフィッシングパラダイス。ただし、
ブンサムランフィシングパークはあくまでも観光客向けの管理釣り場であることを、まずはじめに理解しておくことが大切です。
基本料金は、外国人4,000Bに対し、現地タイ人は何と400B!
※身分証明証(IDカード)またはタイランドカードの提示が必須
現在1バーツは約4円。つまり、外国人が釣りをする場合は最低でも16,000円を支払う必要があります。ただし2名までは同料金ですのでご夫婦やカップルで行けば割安。しかし、レンタルタックルや玉網、エサなどでさらに追加料金も発生するため注意が必要です。
もちろん、専属のガイドを付けたり、バンガロー(休憩所)付きの場所で釣りができたり、サービス面においては至れり尽くせりなのですが、オプション料金もかなり高額。
今回は、かつてブンサムランでガイドを務めていたジュンの取り計らいもあり、自分もローカル料金で入場することができました。タックルやエサ等はすべてジュンが用意してくれたので、もちろんジュンと2名分の入場料を支払うだけで思う存分釣りを楽しむことができました。
ブンサムランフィッシングパークの料金体系を下記に掲載します。ぜひご参照ください。
■料金体系
■ポイント図
11時前に現地到着。やはり世界最悪ともいわれるバンコクの渋滞は、ジュンの華麗なハンドルさばきを以ってしても難儀しました。さっそく受付でスタッフと楽しそうに会話を交わしています。ジュンにとってはおそらく顔馴染みなのでしょう。
受付でジュンと自分の入漁料800バーツの支払いを済ませると、ジュンはスタッフが用意したバケツを片手に「パイレオ!(早く行こう)」と歩き始めました。ジュンに促されるまま桟橋を彼の後について行きます。何と彼はバンガローエリアに向かっています。ほぼ最奥に近いバンガローの前でジュンが立ち止まりました。
「ここはパーカーホがよく釣れるポイントだ!」
ブンサムランフィッシングパークは巨大魚の聖地なのですが、釣れる魚の大半はメコンオオナマズで、その他の魚種はごくわずか。なかでも、淡水魚の王様といわれるパーカーホ(巨大鯉)が釣れる確率はわずか5パーセント弱に過ぎません。
現地の熱心なアングラーにとってパーカーホは絶対的な存在。メコンオオナマズを釣りながら、じつは本命のパーカーホ狙いといったところです。
元ガイドのジュンにとっては勝手知ったる場所。彼はわざわざこの日のために運営スタッフに根回しして、パーカーホが釣れる確率が高い場所を用意してくれたのです。
下図は、ブンサムランフィッシングパークでパーカーホが釣れる確率の高いエリアを示したものです。元現地スタッフ直伝なので必見ですよ!!
タックルと仕掛け
早速タックルと仕掛けの準備にとりかかります。といっても、今回はすべてジュンにお任せ。タックルや仕掛けもジュンが用意したものを使用するので、自分は完全にお気楽モード!
念のため、リュックに忍ばせていたモバイルロッドとダイワの3500番のスピニングリールをジュンに見せたら、「マイダーイ(だめ)!」と一笑に付され瞬殺しました。汗
それではここで当日のタックルと仕掛けについてご案内します。
■タックル
タイの人達が足繁く通う管理釣り場では、メコンオオナマズやパーカーホといった巨大魚を狙う場合、ハードタイプのワンピースロッドに中型両軸リールが最もポピュラーなタックル構成です。
当日ジュンが用意してくれたタックルも同様。ロッドはメーカー不明のワンピースロッドで、リールもメーカー不明の両軸リール。ジュンに尋ねると、どちらも中国製ということでした。
日本に置き換えるなら、キハダやカツオを狙う青物専用ロッドに、大型の両軸リールといったタックル構成といったイメージです。
リールは大型のスピニングリールを使用している方もいますが、大物が掛かった場合のやりとりを想定すると、メコンオオナマズに力負けしてしまうこともあり、両軸リールが断然有利だそうです。
100キロ近い超大型魚がヒットするとはいえ、そもそも大物専用のタックルを管理釣り場で使用すること自体アンビリーバボーで、日本のフィッシングカルチャーとの隔たりを実感します。
道糸はナイロンラインの15号前後。タイではいまだにPEラインより圧倒的にナイロンラインが主流です。蛍光イエローで撥水も良く、フロートタイプなので使い勝手は良さそうです。
■仕掛け
管理釣り場でのメコンオオナマズやパーカーホ狙いは基本ウキ釣りです。
遠投カゴ釣りで使う10号負荷の発泡ウキに、螺旋状になった金属製の吸い込みのような仕掛けに接続します。現地ではメコンオオナマズやパーカーホを狙うときの標準的な仕掛けで、ブッコミ(投げ)釣りで狙う方もいるようですが、大半はウキ釣りで狙います。
ウキ下は2~3ヒロで、パーカーホは中層、メコンオオナマズは下層を狙うのがセオリー。
吸い込み仕掛けはS~Lサイズがあり、ターゲットによって使い分けているようです。コイ釣りで使用する吸い込みとは形状が異なり、日本では販売されていないため、コイ釣りやチヌのダンゴ釣りなどをする方は、タイに行かれた際はぜひご購入をおすすめします。
吸い込み仕掛けの下にフロロカーボンハリス12号を20センチほどとり、ハリは伊勢尼針の14号を結びます。ちなみに伊勢尼バリは「ISEAMA」としてタイでは最もポピュラーな釣り針で、チヌ針やマダイ針などはほとんど販売されていません。
管理釣り場とはいえ、あくまでも巨大魚釣りなのでヘビータックルが基本です。日本ではまずめったに見かないタックル&仕掛けで、5年ほど前にはじめてブンサムランに訪れた時は、カルチャーショックを受けました。
エサ
ジュンは、ひと通り2本のタックルを作り終えると、さっそくエサ作りに取り掛かりはじめます。私が手持ちぶさたにしている様子を見て、彼は私にバケツで池の水を汲むよう指示しました。
彼は、受付時にスタッフから渡された直径1メートル近い大きなたらい(盥)のなかに次々と粉末状のエサを豪快に入れていきます。そう、
メコンオオナマズやパーカーホ釣りのエサは練りエサが基本です!
ブンサムランフィッシングパークで元ガイドを務めたジュン秘伝の配合エサとは、サナギ粉1(粗びきさなぎ)・パン粉1(現地にしかないパンが原料の粉末)・コーンを主成分とした粉4(コーンや黒蜜が入った釣り用の粉末)の割合で、水を足しながら混ぜ込みます。
硬すぎず、柔らかすぎず、適度な手加減で練り込むのが大切!
とはジュンの弁。さすがにエサを作る彼の手さばきに見惚れてしまいます。
その他、食わせエサにはパンやエビなども使用するようですが、ほぼ練りエサで完結するようです。
メコンオオナマズやパーカーホは草食性の魚で、ピラルクやバラマンディのように肉食ではないため、通常は練りエサやパンなどをエサとして使用します。日本では、ソウギョ(草魚)やレンギョ(鰱魚)釣りと似ているといえるでしょう。
いざ、実釣!
いよいよ釣り開始です。ジュンはダンゴをつけた仕掛けをものの見事に50メートル程遠投しました。彼の鮮やかな遠投を見届けた後、私も待望の第一投!
ところが、これが案外に難しくて、吸い込み仕掛けに直径10センチほどのダンゴを作り、練りエサを付けて大物用の竿で遠投すること自体、日本ではまず経験したことがないので四苦八苦。
投入する際にダンゴが割れてしまったり、遠投できずに仕掛けが目の前にドボンと落ちたり、大苦戦。
ジュンは苦笑いを浮かべながら声を上げて言いました。
「マイトン・ベンフアン!」(心配するな!)
というのも、なかなか釣ることが難しいパーカーホは比較的中層の手前のポイントで食ってくることが多いとのこと。
ならば、ドボンと手前に落下した仕掛けをしばらくステイさせておきましょう。となったのです。
実釣1時間ほど経過しても一向になしのつぶて。ジュンの竿には魚信こそありましたが、結局ヒットにまでは至らず。ところが、ジュンは黙々と仕掛けを打ち返し続け、どうやら超大物のメコンオオナマズを狙っているようです。
「とにかく同じポイントに魚を寄せることだ!」
とはいえ、なかなか魚が寄ってくる気配もなし。そのうち小腹が空いたので、ここで小休止。
腹が減っては!?とばかりに、やや遅めのランチタイムをとることにしました。
タイの管理釣り場の最大の魅力は、設備や飲食関係の充実!!
飲料や食べ物などをオーダーしたら、釣り場までケータリングしてくれるのは大変ありがたいサービスです。
ジュンはトムヤムカレー&ライス、私はグリーンカレー&ライス。タイではお馴染みのメニューです。どちらも値段は150B(約600円)。日本よりかなり安い印象ですが、現地のフードマーケットでは50Bほどで食べられるので、やはり観光客向けの料金設定ですね。汗
午後から爆釣モードへ!
腹ごなしを済ませランチ休憩をはさんだ後、ジュンが速やかに釣りを再開しました。すると20キロ級のメコンオオナマズをさっそくGET!どうやらジュンの言う通り、魚たちが寄って来たようです。
OH~!これで俄然気合いも入ります。
ほどなく自分のウキもボコッとイイ感じに沈み、アワセを入れた瞬間ロッドが大きく孤を描きました。
メコンオオナマズはパワフルな引きで縦横無尽に走ります!
この日は幸い平日ということもあり空いていましたが、土日はローカルの釣り人やファラン(欧米人)で混雑し、メコンオオナマズをかけてオマツリするトラブルも多いのだとか。
5分以上かけて何とか手前に寄せて無事ジュンにタモ入れしてもらった時には、腕はパンパンで、日頃の運動不足を如実に感じます。これを皮切りに、
メコンオオナマズの入れ食いモードに突入!!
私が2尾立て続けに釣り上げヘロヘロになりながら休憩している間に、ジュンはあざやかな竿さばきを見せ、手際よくメコンオオナマズを連釣しています。とはいえ、なかなか本命パーカーホが姿を見せてくれません。
「とにかく数をたくさん釣ることだ。メコンオオナマズをたくさん釣り上げればパーカーホはかならずヒットしてくるぞ!」
ジュンのいうことは確かにごもっともなのですが、すでにこの時点でグロッキー寸前。本当に情けない日本人のオジサン状態です。私はしばしバンガローの中で扇風機の心地よい風に吹かれながら、昼寝していました。とそのとき、
■最後にドラマも…!?
「ヒロ~ッ!パッカポン、パッカポン!」
ジュンが私を呼ぶ声が向こう側から聞こえてきました。あわてて外に出ると、ジュンがロッドを大きく曲げて魚とやりとりしています。ゴンゴンと竿先が大きく上下する様子は明らかにメコンオオナマズの引きのものとは異なります。
ついにパーカーホをヒットさせたようです。実際にタイ人が話すと、パッカポンに聞こえるわけです。
『Wow!ディー・ディー(いいぞ、いいぞ)』
数分後、パーカーホの姿態が水面に現れました。20~30キロ級と小ぶりではあるものの、正真正銘のパーカーホであることに間違いありません。私はすぐに玉網を手に抱え、取り込みの準備に取り掛かります。と、そのとき
「オ~イ!!」
ジュンと私はほぼ同時に声を上げました。ジュンのロッドは無情にも天を仰ぎ、ウキは水面にぽっかり浮かんだままです。
痛恨のバラシ!!!
『マイペンライ!』(ドンマイ)
その後、私はメコンオオナマズを一尾追釣。ジュンは最後まで粘り続けましたが、本命のパーカーホは不発に終わり、午後4時に納竿。
帰る道中、ジュンと釣り談義に花が咲きました。もっとも、私の片言のタイ語は彼に通じているかもしれませんが、彼の話すローカルなタイ語は数パーセントしか理解できていません。とはいうものの、
こんな素敵な一日を過ごさせてくれたジュンには大変感謝しています。
『コップンカ!』(ありがとう)
ブンサムランフィッシングパーク(Bungsamran Fishingpark)のご紹介
タイ最大の管理釣り場であるブンサムランフィッシングパークは、2017年に現在の場所に移転しています。首都バンコクからのアクセスは約1時間半と遠いですが、じつは現在のタイの国際線の玄関口であるスワンナプーム空港からは30~40分で行ける場所にあります。
ブンサムランフィッシングパークへのアクセスは、タクシーやレンタカーとなります。
釣り場面積は、なんと128,000平方メートルと東京ドームの約2.7個分。釣れる魚種も30種類にわたり、日本では体験できない非日常的な釣りを楽しむことができます。
タイ旅行の際には、ぜひ一度お越しください!
ブンサムラン・フィッシングパーク(Bungsamran Fishing Park)
住所:Sala Daeng 9, Bang Nam Priao District, Chachoengsao 24000, Thailand
電話番号:+66 97 151 6688
営業時間:24時間営業
URL:http://bungsamran.com/