7月の後半に福岡へ出張が確定。当然のことながら、頭の片隅に玄界灘がチラついた…。
案の定、6月後半くらいから夜焚きのヤリイカが爆釣とのこと。連日釣る人で一束近い好釣果が得られているという情報に触発され、釣り人魂が日増しに沸々と湧き上がる。
気がつけば、乗合船に予約を入れていた。笑
さて、問題はここからだ。
そもそも竿とリールを筆頭にイカ釣り用のタックルがない。しかも仕事も兼ねているためスーツや革靴等も同梱する必要がある。つまり、いかに軽装備で釣行するかを思案する必要があった。
もちろんレンタルも考えたが、有料(3,000円)とのこと。
そこで、海外旅行用の大型のスーツケースに、仕舞寸法69cmの穴釣り用竿(錘負荷5~30号)とアオリイカ用スピニングリールを忍ばせ、トロ箱(発砲スチロール)とタックルケース、そしてキャリーカートを強引に詰め込み、何とかイカを釣ることができる最低限の体制を整えることができた。
さらに船長に電話を入れ、現地の夜焚きイカ情報を根掘り葉掘り聞き出す。
インターネット等で情報を入手することも可能だが、船長自らが発信する「ナマ」の情報こそがいちばん頼りになる。だから、とくに遠征釣行の場合は入念に質問攻めをするのだ。その結果、
釣り方は2~3本針のイカメタルと胴突き仕掛けで確定!
早速、アマゾンでイカメタル用のスッテやオモリなどを片っ端から購入し、とりあえず夜焚きイカ釣りを楽しめるだけの仕掛けは揃った。そして…
目標はヤリイカ30杯!
何しろ、瓢箪から駒のように決まった今回の福岡夜焚きイカ釣行。とりあえず釣果は二の次で、まずは久しぶりに船釣りを満喫して、釣果をクール宅急便で送って、玄界灘の美味しいヤリイカを酒の肴に楽しめればイイかな!?
なんてモードでスタートしたのだ。その間わずか3日間、寝ても覚めてもヤリイカ・ヤリイカで、頭の中はヤリイカ尽くし…🦑
そして、いよいよ当日を迎えた。
「よーし、頑張るぞー!!」

福岡の夏の風物詩・玄界灘で夜焚きヤリイカ釣り!イカメタル&胴突き仕掛けで手軽にイカ釣りを楽しむ!!
今回お世話になったのは福岡市港にある第一ゆひな丸さん。市内中心部からも近く、宿泊先がある天神エリアから車で7~8分と絶好のアクセス。
とりわけ仕事を兼ねての釣行だったため、やはりアクセス重視で選ぶのが賢明だろう。
集合時間は午後5時。かもめ広場の一角は遊漁船の基地らしく港沿いにずらりと船が係留され、平日にもかかわらず大勢の釣り人で賑わっている。
何より、夜焚きイカ釣りが好調な証しなのだろう。興奮度はますます高まるばかり…。
出船の受付けを済ませ、トロ箱に氷を入れてもらおうとすると、
船長曰く「すぐに溶けちまうけん…」もちろん事前にコンビニで氷を購入したが、福岡の暑さはハンパない。夕方5時の気温は35℃超と関東の暑さの比ではないのだ。
釣り座は右舷ミヨシから3番目。ちょうど操舵室の真下で船長とコミュニーケションをとりやすい場所で、「新参者」としては良いポジション。
ただこの船、ミヨシとトモ以外に座って釣りをすることができない仕様で、この先ずっと立ちっぱなしで釣りを強いられるのかと想像するだけでも、何だか心細くなる…。汗
そして、ようやく午後5時半過ぎに出船。
航程約1時間。福岡の市街地や都市高速、PayPayドームなどの景色を背後に、船は玄界灘の大海原へと繰り出していった。

当日のタックルについて
先にも書いた通り、今回使用したタックルはイカ釣り用のタックルではない。
スーツケースに収納可能なコンパクトで、かつイカメタルや胴突き仕掛けを楽しめるロッドとリールの構成である。そもそも数釣りは二の次で、初めての玄界灘で夜焚きイカ釣りを楽しめれば十分、程度のタックルであれば何とか目標の30杯くらい釣れるであろう、との目論見だ。
何故なら、沢山数を釣っても宅急便で送る手間と、冷蔵庫のキャパシティと、その後の下処理の面倒を考えるだけでもゾッとするからだ…。苦笑
もちろん自分が福岡在住であれば、本格的なイカ釣りタックルで臨んでいることは言うまでもない。
ロッドはPRO MARINE(プロマリン) テトラ大物EX 120M。じつはこの竿、テトラ帯のイセエビ釣り用の竿で、かつて外房のショウサイフグ釣りでも転用した実績がある。オモリ負荷は5~30号と、イカメタルでも十分スペックを有する一本である。
リールはDAIWA(ダイワ)のアオリマチック BR LT3000D。文字通り陸っぱりのアオリイカ釣りでは定評のあるスピニングリールである。
道糸はシーガーPE X8 1.5号を200mに、リーダーとしてシーガーエース4号を1ヒロほど結節し、あとはイカメタルや胴突き仕掛けを付け替えるだけだ。
船長に聞くと、タナ(水深)は40メートル前後、どうやら根掛かりするらしいので、前半は胴突きで様子を見て、後半はイカメタルで攻める作戦を立てた。
ちなみに当日は、右舷側ではほぼ全員が2~4本針のイカメタル仕掛けであった。


当日、おもに釣果に貢献してくれたタックルは以下の通りである。
玄界灘の夜焚きイカ、初チャレンジ!
午後6時半頃ポイントに着いてしばらくすると、船は潮回りして探りアンカーを投入する。
玄海灘の夜焚きイカ釣りは、どうやら流し釣りではなく、かかり釣りのスタイルのようだ。
釣り場は糸島半島沖から唐津沖にかけての沖合。存外西日本の夕暮れは遅く、午後7時を回っても周囲は依然として煌々と明るい。
船長曰く「明るいうちは釣れないだろうから、慌てずにのんびりやって」とはいうものの、全員が満を持したかのように仕掛けを投入。
自分もすかさず仕掛けを投入。オモリ25号の胴突き2本針で赤黄スッテと赤白のエギで、早速アタリを取り始める。
しばらくするとトモで小型のイカが取り込まれ、がぜんヤル気スイッチON!
で、程なくして自分の竿にもアタリが!🦑
Wowww~初玄海灘のヤリイカをGET!
わずか5分足らずで早速中小型のヤリイカを2ハイ連釣。
何はともあれ、イカ釣り専用のタックルでなくてもヤリイカを釣ることが実証できてひと安心。
ただし、イカメタル用の竿より短いためシャクリのアクションが大変なのと、硬めの調子なのでアタリをとるのがひと苦労だ。
とりあえず、桶に入れたイカを眺めながらコンビニで買ってきたおにぎりを頬張る。

当日のヒット仕掛け
その後、次第に陽が暮れ始めてくると断続的に時合が到来し、続々と船中でイカが取り込まれていく。
ただし絶え間なく釣れ続けるという感じではなく、時合が来てはパタッと止まり、また時合が来るという感じである。
釣れるサイズも胴長20センチ前後の中小型サイズが中心で、ぽつぽつと30センチ近い大型も竿をしならせている。とはいえ、自分に掛かってくるのは中小型サイズばかりだ。
その理由の一つは、まずエギ&スッテのサイズだと気づいた。
両隣の手練れたローカルの方々は、10cm前後ある比較的大きめのスッテを使用しているのだ。一方私は8.0~9.0cmのアマゾンで購入したスッテ。この差は大きいと痛感。そして…
スッテの当たりカラーは断然赤黄!!
当初事前に入手した情報では、定番の緑×赤や赤×白だと思っていたが、この日は圧倒的に赤×黄がヒットカラーであった。
幸い赤×黄も購入していたものの、スッテのサイズが小さいため、自分に釣れてくるヤリイカのサイズが小さいのが今回の唯一の反省点である。
また、アオリイカ用のエギを使用している方も多く、青やピンク、パープル系でも大型のイカが取り込まれていた。
ということで、おすすめのスッテ・エギは以下の通りである。

日没後は一時入れ食い状態も!
船上に煌々と照明が灯され、辺りは真っ暗闇だが、ライトを受けて明るく反射する海面にベイトフィッシュが盛んに跳ねる頃になると、本格的な時合が到来だ。
あちらこちらで半透明のヤリイカが取り込まれ、にわかに船上は忙しくなる。
そして、ようやく自分にも良型のヤリイカが上がり、テンションはますます高まる!
だが、時合は長続きせず、しばらくするとパタッと食いが止まり、再び入れ食いモードに突入するといった感じ。
あっという間に桶はイカで満たされ、イカの鮮度が高いうちに定期的にトロ箱へ保存する。数こそカウントしていないが、この段階ですでに20杯は超えているであろう。
しかも、油断していると桶からピョンビョンとイカが脱走してしまうので、釣りをしながら桶も監視しなければならず、何とも嬉しい悲鳴である。

沖上りは午前0時頃。釣果は31杯
「あと10分でお終いです」日にちが変わろうとする頃、船長のアナウンスが。
実釣時間約5時間半。ずっと立ちっ端で竿をシャクっていたからすでにヘロヘロの状態なのだが、すっかり玄界灘の夜焚きイカ釣りにハマってしまい、最後まで懸命に竿をシャクリ続ける。そして終了間際、良型のヤリイカを追釣して納竿。
当日の釣果は、ヤリイカ(ケンサキイカ混じりで)31パイ!
何とか目標達成!!初めてのアウェーでこれだけ釣れれば上等でしょ!?と自画自賛。笑
それこそパラソル級サイズは拝めず、その点はいささか消化不良気味でもあったが、胴長30センチ近い良型もゲットできたので大満足。
とはいえ、当日釣る人は70パイ以上は釣っていたと思われ、まだまだ技量不足を痛感。
今回は突発的に決まった釣行とはいえ、玄界灘の夜焚きイカを初めて満喫できただけでも、大いに楽しめた釣行であった。

釣果の発送
さて、ここからもうひと仕事しなければならない。釣果を自宅へ送る作業である。
福岡から関東(東京・神奈川・千葉など)へ宅急便を送る場合、どうしても2日間を要するのだ。イカの鮮度をキープしたまま美味しく食べるには冷蔵が良いのだろうけど、船長曰く「冷凍の方が良か!?」とのアドバイスで、結局冷凍で送ることにした。
深夜2時前に天神にある宿泊先にタクシーで戻り、フロントに釣果が詰まったトロ箱を預け、一時冷凍で保管してもらう。
さすが福岡の老舗名門ホテルだけに、フロントスタッフの対応も極めて丁寧だ。深夜だというのに嫌な顔一つせず、ごく当たり前のようにトロ箱を保管してくれる。しかも、こちらが恐縮するほど宅急便の手配まで丁重に説明してくれるのだ。
そして当日の夕方、仕事から戻って来て無事にフロントで宅急便の手配を完了。
結局当日の集荷には間に合わず翌朝の出荷になってしまったが、あらためて冷凍輸送にして正解だったと痛感。
遠征釣行の釣果は「クール宅急便」で送るのがおすすめ!
ヤマト運輸のクール宅急便は冷蔵と冷凍の2タイプがあり、今回は冷凍の120cmサイズでヤリイカ31杯を送るには十分過ぎるサイズ。値段はホテルから直送、福岡➞神奈川2,400円である。
何といっても、玄界灘の新鮮なヤリイカを「産地直送」で食べれるのだから、まあ安いと言う他はないだろう。
さっそく到着したトロ箱を開封したら、ご覧の通り鮮度はバツグン!!

釣り人メシ
じつは今回の夜焚きイカ釣行でもう一つの楽しみが、釣行後のラーメン🍜。
福岡市の中心に位置する福岡港は天神や博多といった商業エリアからも近く、何といっても福岡三大ラーメンの一つといわれる「長浜ラーメン」の聖地へ徒歩約10分。これは行くっきゃないでしょ!?
釣りを終えて腹を空かせた釣り人にとっての最強メシ!
元祖ラーメン長浜家(ながはまけ)さん!!
もともと近隣の魚市場で働く男たちがこよなく愛したラーメンゆえに年中無休で24時間営業。しかもラーメン一杯500円とコスパ最強だ。
深夜1時半頃キャリーカートを携えて入店。何とこの時間でも店内には7割ほど先客がいて、ラーメン店として沸々と活気がみなぎっている。
ベタナマ(油多め×麺硬め)で頼む一杯に、釣りを終えて疲れた身体が癒される。
さて、これから宿に戻りシャワー浴びたら早く寝よう。
🍜元祖ラーメン長浜家
電話:092-725-5559
住所:福岡県福岡市中央区大手門2-7-10
URL:https://tabelog.com/fukuoka/A4001/A400103/40021130/?msockid=3b12ef845f7662273049f9ab5e2e6304

第一ゆひな丸(福岡港)のご紹介
今回お世話になった第一ゆひな丸さんは、福岡の中心地である中央区港の乗合船で、博多や天神といった商業地区からのアクセスも良好。
夏場は夜焚きイカをメインに、マダイやイサキなどの五目や活きエサの泳がせでアラや青物等にも出船しているようだ。
とくに天神エリアからのアクセスも良いため、関東や関西などからの遠征釣りには最適な立地。
船長はとても気さくな方だが、根掘り葉掘り事前に情報を入手しておくと良いだろう。存外九州人というのは、此方から聞かなければ何も応答はない鷹揚な方達が多いのだ。
ただし、関東の乗合船とは異なり胴の間に釣り座が設定されていないため、ミヨシ(舳)かトモ(艫)に入るのがおすすめ。もっとも胴の間であれば船長から色々とアドバイスを受けられるが…。
何はともあれ、急遽決定した今回の玄界灘の夜焚きイカ釣行も、大いに楽しめ且つミッションもコンプリートできたのも、船長のおかげである。
ありがとうございました!
⛵第一ゆひな丸
電話:080-6422-1137
住所:福岡県福岡市中央区港3丁目1
https://fukuoka.tsurisoku.com/daiichiyuhinamaru/
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