今年も9月から北海道ウトロ沖の船アキアジ釣りが開幕します!
北海道知床ウトロ沖のアキアジ(秋鮭)の船釣りがライセンス制度で解禁となります。期間は9月1日から30日までのわずか1ヶ月間のみ。このため9月になると全国各地から多くのファンが知床半島の要衝であるウトロ港にどっと集結します。
かくいう私も2008年からかれこれ10年近く恒例行事のように通っては、毎回とても美味しい思いをさせていただきました。
昨年は不幸にも観光船による事故が発生し悲劇に包まれた知床半島ですが、現在ではすっかり漁業の街として観光地として賑わいを取り戻しているようです。そして何より、
知床半島は豊かな大自然に恵まれた世界遺産です。
船釣りライセンス制によるアキアジ釣りは、まさに世界遺産という大自然の只中で、知床半島の雄大な景色を望みながら釣りが楽しめるのです。今年も北海道ではクマによる被害が後を絶ちませんが、実際釣りをしながら遠目にクマを目撃したことがこれまでに何度かあります。これほど自然環境に恵まれた釣り場は全国広しといえども他にはないでしょう。
世界遺産でアキアジ(秋鮭)釣りを愉しむ贅沢!
ぜひ、皆さまにも北海道のアキアジ釣りを体験して頂きたいと思います。
アキアジ(秋鮭)の船釣りライセンス制の魅力!強烈な引きと食味も抜群!北海の自然やグルメも満喫!
アキアジ(秋鮭)の船釣りの魅力は、サケ(鮭)という魚を自らの手で釣り美味しく食べることです。北海道在住者ならともかく、関東や関西など他の地域ではまず釣ることが出来ません。釣り人としては千載一遇のチャンスです!
しかも釣ることの出来る期間はたったの1ヶ月。ちなみに北海道では陸っぱりの解禁が7月末からで、船釣りライセンスは毎年9月の1ヶ月間だけなのです。
船で釣れるアキアジ(秋鮭)は体長70~80cm、体重3~5kgクラス。ちょうど関東のワラサ、西日本のメジロとほぼ同じサイズ。しかも仕掛けのハリ数が2本のため一荷で掛かったときのパワフルな引きは格別です。また、
アキアジ(秋鮭)のランクや雌雄(メス・オス)によって価値が異なるのも魅力!
つまりアキアジ(秋鮭)の成長段階で市場価値は、最高級とされる鮭児から一般的な白鮭まで様々で、メスは筋子(イクラ)が入っており、オスは身が引き締まって美味しいと言われています。だからこそ釣る楽しみもあれば、食べる楽しみも倍増です!こちらについては後ほど解説します。
さらにアキアジ(秋鮭)釣りは、北海道の観光やグルメを堪能できる楽しみも!
せっかく北海道まで来たら、釣りだけでなく世界遺産知床半島や北海道の大自然、そして海の幸などのグルメもたっぷり楽しみたいところです。ということで、
ここでは遠征釣りとしてのアキアジ(秋鮭)釣りをご紹介します。
実際に釣行計画を立てる上で、空路および現地へのアクセス、宿泊場所、おすすめの釣り船、釣り方や仕掛けはもちろん、釣果の発送に至るまでを解説します。その前にまず、
ウトロへの遠征釣行は最低2泊3日以上、観光も楽しむ場合は3泊4日以上で計画してください。
アキアジ(秋鮭)は回遊魚で足の速い魚です。日並みでムラも激しく年によってアタリ・ハズレが顕著で、また時化など潮況によって出船出来ない場合もあります。このため釣行日数は最低2日は事前予約しておくことをおすすめします。
すでに9月スタートのアキアジの乗合船は大盛況で連日満船必至の状況ですが、日程次第ではまだ空きがあるようです。大変人気の高いアキアジ釣りだけに早めのご予約がおすすめです。
いまならまだ空きあり、事前の予約はお早めに!
アキアジ(秋鮭)について
アキアジ(秋鮭)とは、秋に産卵のため接岸した個体のうち沖で獲れた鮭の総称です。秋ではなく春や夏にかけて水揚げされたものが時鮭(トキシラズ)、さらに未成熟の個体は鮭児(ケイジ)と呼ばれ、鮭児はキロ数万円ほどの市場価値の高い鮭です。
またアキアジ(秋鮭)のうち、成長段階の低いものを目近(メジカ)、産卵で接岸する個体のうち成長段階の低いものを銀毛(ギンケ)と呼び、鮭児や時鮭に次いでキロ2千円前後で取引されるものとなります。
一般的な見分け方としては、全体的に丸みを帯びて優しい顔立ちをした個体ほど市場価値が高く、口嘴が尖って険しい顔つきをしたものほど市場価値が低いものであるといえるでしょう。
アキアジ(秋鮭)の船釣りライセンス制度について
北海道の斜里町および網走市沖の海域は、遊漁船による秋鮭(アキアジ)の船釣りが盛んな場所です。これにともない海難事故の発生やトラブル等の増加や資源保護の観点から、令和3年度から原則として当該指定海域と期間内における秋鮭の船釣りを全面的に禁止し、当該海区委員会の承認(ライセンス)を受けた者に限り秋鮭の船釣りが行える制度です。
詳細はこちらをご覧ください。
アキアジ(秋鮭)のおすすめ釣り船
ウトロから網走海域にかけて、アキアジ(秋鮭)のライセンスを取得している船をご紹介します。当該海域の遊漁船のほとんどがライセンスを取得しています。
多くのファンにとってアキアジ(秋鮭)釣りは年に一回のイベントであり、北海道はもとより全国各地からリピーターが多いのが特徴です。人気のある船は一年前から予約が埋まってしまうほど。土日祝日は非常に混み合いますが、
事前予約必須のため、まずは急いで船宿の手配から始めることをおすすめします!
いまならまだ間に合うので、予約はお早めに!
1.斜里町及び網走の海域では船釣りが9月1日~30日の1ヶ月間ライセンス制が解禁!2.仕掛けはサンマやカツオの身餌で3~4本針の胴突き仕掛けが基本3.土日は満船必至の状況だが、平日はまだ一部予約可能の船はあり4.シーズンによってムラ[…]
知床ウトロへのアクセス
(1)空路
知床半島のウトロへの行き方についてご案内します。
ウトロ港へのアクセスは女満別空港が基点になります。
女満別空港に発着する便は現在4社あり直行便が便利ですが、直行便がない場合は札幌(千歳空港)を経由して行くのが理想です。ここでは首都圏エリア(羽田)からの空路を前提として解説します。
現在羽田と女満別を直行便で結ぶのは、日本航空と全日空(エアドゥ含む)の2社で、1日片道5便の往復10便が運航しています。運賃は曜日や便によって異なりますが、普通席で最安5万円位から最高で11万円前後です。もちろん早めの予約の方がおトクです。
日帰りでの釣行は難しいため前泊を基本とし、2泊3日以上のフライトプランでスケジュールは余裕を持って立てるのがおすすめです。
(2)空港からウトロへの陸路
女満別空港からウトロへのアクセスはレンタカーが基本です。
女満別空港から知床半島斜里町ウトロまでの距離は90kmほど。車で2時間近くかかります。空港とウトロを往復するシャトルバスもありますが、釣り道具やクーラーボックスといった大荷物を考えるとレンタカーの方が断然快適です。
また道中に広がる北海道の大自然を満喫したり、おすすめスポット等への寄り道も可能。自由度の高いレンタカーでの移動がおすすめです。
女満別空港のおもなレンタカー店のご案内です。どの店舗も空港の近くにあり、空港までの送迎も可能です。念のためシャトルバスの時刻表はこちらをご覧ください。
女満別空港のレンタカー店
❶ ニッポンレンタカー
❷ トヨタレンタカー
❸ オリックスレンタカー
❹ タイムズカーレンタル
❺ 日産レンタカー
❻ ワンズレンタカー
さて、いよいよウトロへGO!
女満別空港からウトロへのルートはいくつかあります。シャトルバスと同じ網走市街を経由するルートが最も一般的なコースですが、多少迂回するため走行距離も増えてしまうのが難点。そこでおすすめが下図のルートです。
道東の雄大な田園風景を通るルートで10km=約10分。つまり平均時速60kmで快適なドライブが楽しめます。もちろんスピード違反ではありませんのでご安心ください。広大な草原や牧場、農場のなかを走り抜けるため気分は最高ですよ。
(3)斜里町で買い物
ウトロに向けて真直ぐ車を走らせるのも良いですが、途中経由地となる斜里町の市街地で休憩も兼ねて釣具やエサ、食料品などの買い物をしておくのがおすすめです。
ウトロ地区にもコンビニやスーパーなどの小売店はありますが、釣具店は一軒もありません。ウトロと斜里町は30kmも離れているため、何か忘れ物してしまった場合に事前に斜里町で買い物をしておくと大変重宝します。
斜里町は決して大きな町とはいえませんが、釣具店やホームセンターなど商業施設が充実しています。ウトロに現地入りする前に買い物や軽食等で立ち寄ると良いでしょう。
ことに釣具やエサ等に関しては、現地でしか購入できないアキアジ用の仕掛けやエサもあり必見です。また現地の最新情報も入手できます。以下におすすめのお店をリストアップします。
知床ウトロの宿泊施設
世界遺産知床半島の要衝となる観光地とあって、ウトロ港周辺にはホテル・旅館・民宿など宿泊施設がたくさんあります。人数や目的・予算等に合わせて宿泊施設を選ぶのが良いでしょう。
ちなみにこれまで私自身が実際に宿泊したなかで、あくまでも個人的な感想ですが、イチオシは
北こぶし知床 ホテル&リゾートがおすすめです!
下写真の通り、ウトロ港を眼下に見下ろし船着き場まで歩いて行ける絶好のロケーション。文字通りのオーシャンビューで、港や海況などが一目瞭然です。さらに釣りの後に温泉で至福のひととき。北海道の海の幸はもちろん和洋中にスイーツ系と充実したバイキング形式の夕朝食。これまで全国各地の宿泊施設のなかでもベスト3に入るほどの大変素晴らしいバイキングに感動すること間違いなし!
料金は食事無しで1泊2万5千円から。夕朝食付で3万円前後と高めですが、年に一回のイベントだと割り切れば、価格以上の北海道の海の幸や上質なサービスを思う存分満喫できます。ちなみに朝食付きプランの場合は、事前予約で早朝の釣り用にお弁当サービスもあります。(要確認)
もちろん、なるべく低予算で抑えたいという方は、一泊素泊まりで6千円から、夕食のみ付きで1万円のプランがある民宿や旅館もあります。とくにアキアジ釣りは早朝出船のため夕食だけのプランがあると大変有難いです。
アキアジ釣り当日は、早朝4時頃出船のため宿泊施設での朝食は不要となりますのでご注意ください。一泊二食付きプランの場合、朝食をお弁当に変更可能かどうか事前に確認しておくと良いでしょう。
それでは、知床ウトロのおもな宿泊施設をご案内します。詳細は宿泊予約サイト若しくは各宿泊施設にお問合せください。
知床ウトロのおもな宿泊施設
❶ 北こぶし知床ホテル&リゾート
❷ 知床第一ホテル
❸ ホテル知床
❹ KiKi知床ナチュラルリゾート
❺ 知床夕陽のあたる家
❻ ホテル季風クラブ
❼ 温泉民宿酋長の家
❽ 民宿いしやま
アキアジ釣りのウェア・装備品等
(1)ウェア
今年は全国的な猛暑ですが、8月現在の北海道知床では最高気温25℃、最低気温20℃前後と比較的過ごしやすい陽気です。しかし9月に入ると途端に気温も下がり、特に朝晩や洋上では冷たい風も吹くため冷え込みが厳しいのが特徴です。このため、
アキアジ釣りのウェアは防寒対策が必要です!
備えあれば憂いなし、で基本は厚着に越したことはありません。ちなみに下の写真は数年前の9月中旬頃のアキアジ釣りの出船前の光景ですが、ご覧の通り帽子をかぶりレインジャケットを羽織った重装備であることがお解りいただけると思います。
一般的には、ユニクロのヒートテックの上下インナーにトレーナーとスウェットパンツ、さらに秋冬用の釣り用スーツ(防寒着)の上にレインスーツ等を重ね着すれば完璧です。もちろん帽子やソックス、手袋もマストアイテムです。
ライフジャケット(救命具)も忘れずに!
朝一番は厚着でスタートして、日中暖かくなってきたら体感に応じて脱いでいけば良いわけです。この方法であれば、天候や海況に応じて柔軟に体感温度を調節できるのでおすすめです。
ウェア類のチェックリストです。ぜひご活用ください。
ウェア類のチェックリスト
✅ アンダーウェア(上)
✅ アンダーウェア(下)
✅ トレーナー・スウェット
✅ 釣り用防寒着(上下)
✅ レインスーツ(上下)
✅ 帽子
✅ 釣り用手袋
✅ ソックス
✅ ライフジャケット ※必ず着用
✅ 釣り用ブーツ
(2)装備品等
ここでは、ロッドやリール、仕掛け等以外に必要な最低限の装備品について解説します。空路での遠征釣行のため重装備になりますが、なるべくコストを抑えるためにも効率良く荷物をまとめることが大切です。
クーラーボックスは40L前後で十分OKです。もっとも釣果を入れて持ち帰るのであれば80L以上の大容量が必要になります。しかし仮に大漁で10尾釣れた場合は全てを収納することは出来ません。もちろん嬉しい悲鳴なのですが、4~5尾だけ厳選して持ち帰る場合は大型のクーラーBOX。すべて持ち帰るのであれば、宅急便で発送するのがおすすめです。
釣果はトロ箱(発砲スチロール)に梱包して宅急便で発送するのがおすすめ!
親戚や知人・友人、親戚や会社の部下・上司に至るまで、釣りたてのアキアジ(秋鮭)をダイレクトに発送できるのが魅力です!まさに釣り人冥利に尽きるというもの。
電動リール用のバッテリーも必需品。JALやANAではワット時定格量(Wh)が160wh以下のものであれば機内持ち込みのみ可能です。
ワット時定格量とは定格電圧(V)✕定格容量(Ah)のことです。かならず事前に確認しておきましょう。具体的にはシマノの電力丸10hやダイワのタフバッテリー12000であればOKです。
あとはエサを作るナイフまたは包丁。アキアジが釣れた場合に後頭部を叩いて締めるサーモンバットや棍棒など、アキアジ釣りならではの装備類もあります。
装備品のチェックリストです。ぜひご活用ください。
装備品のチェックリスト
✅ クーラーボックス ※40~100L
✅ バッテリー ※160wh以下
✅ 包丁またはナイフ
✅ ラジオペンチ
✅ ヘッドライト
✅ 尻手ロープ
✅ ビニール袋
✅ サーモンバット・棍棒
✅ タオルまたは布巾
アキアジ釣りのタックル・仕掛け
アキアジ釣りのタックルは、泳がせ釣り用の竿や青物専用竿と中型の電動リールが基本です。手巻きの両軸リールでも対応可能ですが、手返しが肝心なので電動リールの方が取り回しがしやすいでしょう。
道糸はPE5~6号を200m以上巻き、サルカンの先にアキアジ独特の仕掛けを接続します。とくに船アキアジ釣りは胴突き2~3本針仕掛けで狙うため、活性が高く一荷で掛かった場合は相当なパワーで取り込むだけでも大変です。
船アキアジの仕掛けはウキルアーを使った2~3本針仕掛けです!
ウキルアーは、ミキイト20号にハリス18号25~30cmの先にアキアジ針24号で、銀・ラメ・レッド・グリーン等のシートを貼った発泡パイプに赤・ピンクのタコベイトで装飾した船アキアジ釣り独特の仕掛けです。
船釣り用のアキアジ釣り仕掛けであるウキルアーは自作するのが大変ですので、市販品のアキアジ仕掛けを購入するのがおすすめです。とくに、
潮況や時間帯等で当たりカラーを見つけるのが重要!
シルバー・グリーン・ブルー・ピンク・ラメなどは実績が高いです。ウキルアーは関東周辺ではめったに見かけませんが、一部の通販サイトでも販売されているようです。
また、前述した斜里町にある坂本ホーマやミツバ商会で販売していますので、現地でアキアジの仕掛けを調達してみてはいかがでしょうか。
アキアジ釣りのエサ
船アキアジ釣りのつけエサはサンマのブツ切りです!
アキアジ釣りはコマセを一切使わない付けエサのみの釣りです。下写真のようにサンマを1.5~2cm角にぶつ切りにするだけです。事前に塩で締めておくと身が引き締まりエサ持ちも良くなります。
またカツオのハラモもサンマに次ぐ代表的なエサです。現地ではにんにく漬けした加工品が販売されていますが、釣果に大差はないようです。
現地のスーパーや鮮魚店または船宿で手配します。冷凍のサンマは出船前に海水に漬けて自然解凍すれば、実釣時にはすぐに使用可能です。あらかじめ写真のようにサンマをぶつ切りにして塩を振っておけば付けエサの完成。
たまにサンマを3枚におろして切り身を巻いてハリに付ける方も見かけますが、あくまでも個人の好みの問題だと思います。
今年はサンマが不漁らしいので、エサ代の高騰がアキアジファンにとっては頭の痛いところですが…汗
エサの調達はかならず事前に船宿に確認しておきましょう!
アキアジの釣り方
いよいよ実釣です!
ウトロ港のアキアジ船の出船は午前4時から4時半頃。早朝未明の暗がりに煌々と灯る船団の明かりと喧騒のなか、エンジン音とともにぞろぞろ港を出ていきます。まさに興奮のるつぼ。
ポイントは知床半島の沖合500m~1kmの沿岸一帯の水深50~100メートルで、港からの航程50分前後で到着します。
仕掛けを投入し着底したら、底ダチをとって糸フケをとります。当日の潮況次第ですが、底トントンでしばらく様子を見ます。アタリが無ければ3メートルまで段階的に巻き上げてステイさせ、時折誘いをかけるのも有効です。
アキアジは群れで移動する回遊魚です!
船中で誰かがヒットしたら時合到来で、バタバタと釣れ出すのが特徴です。ただしアキアジのアタリは概して小さく、竿先にコツコツとかコンコンといった反応も多いため、微かなアタリを見逃さずアワセを入れるのがコツです!
逆に船中で自分だけアタリが無い場合は、ウキルアーのカラーに問題があるケースが多いです。釣れている人の付掛けを参考にしてすぐに仕掛けをチェンジしましょう。
魚がヒットしたら、あわてずロッドホルダーから竿を持って軽くアワセを入れましょう。アキアジ独特のシャープな引きと走りが腕にのしかかる瞬間は最高です。
電動リールを中速か中低速で一気に巻き上げます。強烈な引きでも竿で持ち堪え道糸は出さないことが肝心です。もちろんやりとりを楽しむなんてご法度。オマツリ防止と船下に集まったアキアジの群れが散らないようにするためです。
水面に現れた銀のサーベルのようなアキアジは強烈に抵抗します。取り込みはチームワーク!遠慮なく声を掛けて、タモ(玉網)入れをお願いしましょう。もちろん隣の方のタモ入れも手伝うのが、船釣りでは当たり前のルールです。
アキアジの処理と保存法
タモ(玉網)に取り込まれたアキアジは船上でバタバタと激しく暴れます。アキアジ釣りの場合、他の魚種とは異なる独特の方法で脳天締めを施します。
船上のアキアジの頭部(両目の間)を専用のサーモンバットや棍棒等で思いっきり叩くのです。初めての方にはいささか手荒な締め方のように見えますが、船アキアジ釣りの一般的な締め方です。この一撃によって安全に血抜きや神経締めができるのです。
また時合が到来すると船上ではあちらこちらで魚が取り込まれ、血抜きや神経締めを行なう余裕もありませんが、釣れた魚の一部だけ限定して血抜きをすると良いでしょう。血抜きしない魚でもじゅうぶん美味しく食べれるのでご安心ください。
釣れた魚は氷の入ったクーラーボックスに収納します。幸運にも大漁でクーラーボックスに入り切らないなんて嬉しい悲鳴の場合は、大き目のビニール袋に魚体を入れておけば大丈夫です。
アキアジの発送
港に帰ったら早速釣果の梱包・発送作業です!
港への帰港時間は正午前後。もちろん大漁で早上がりなんてことも。ですが、大切な釣果を新鮮な状態で持ち帰らなければなりません。
持参したクーラーボックスに釣果を収納して持ち帰るのも結構ですが、釣果の数量や大きさ次第で氷を詰めた状態でクーラーボックスを適切に梱包出来ることと、釣り上げた当日または宿等で冷蔵冷凍保存され二日以内のものであれば大丈夫でしょう。
とはいえ、せっかく釣り上げたアキアジ(秋鮭)は新鮮な状態で送り届けたいものです。多少コストはかかりますが、宅急便で送ることをおすすめします。また大漁で釣れた場合は、自宅だけでなく友人や知人などへのお裾分けも大変喜ばれますよ!
アキアジの発送はクロネコヤマトのクール宅急便が大変便利!
クール宅急便のサイズは120サイズまで。発泡スチロールや段ボール鮭BOX(有料)があります。また前述したホームセンターにも梱包資材があるので事前に購入しておくと良いでしょう。釣果の数量や大きさにもよりますが、1箱でだいたい3~4尾のアキアジの発送が可能です。
関東地方へ発送の場合:配達日数の目安は約2日間。1箱の基本料金は3,030円です。
あとはクロネコヤマトの事業所へ直接持ち込みか、上記❶~❸のホテルでは宅配便発送サービスがあるため大変便利です。詳細はクロネコヤマト事業所および各ホテルへご確認ください。
アキアジを発送できる場所
❶ ヤマト運輸斜里営業所
❷ ヤマト運輸羅臼営業所
❸ 道の駅ユートピア知床
❹ 知床ジャニー
❺ JFウトロ漁業協同組合
※ 他上記一部ホテルで発送可
アキアジ釣りの魅力
毎年9月になると全国から大勢のアキアジ(秋鮭)釣りファンが知床半島ウトロに集結します。何よりわずか1ヶ月というライセンス制であるが故に、年に一度の大イベントなのです。
知床半島という世界遺産とオホーツク海という大自然での釣りは贅沢そのものです。普段は刺身か切り身でしか食べられない鮭ですが、旬のアキアジを自ら釣り上げ、発送し、調理に至るまでのプロセスもこの釣りの醍醐味といえるでしょう。
釣れたアキアジ(秋鮭)の雌・雄を見分ける愉しみもこの釣りならでは!
だいたいオス7:メス3の割合で釣れますが、何といっても雌は筋子を持ち高価なイクラを抱え、雄は身が引き締まり美味です。欲張りかもしれませんが、できれば同数を釣り上げたいですね。
ちなみに、ベテランの方々は釣ったその場でアキアジの肛門に指を入れて雌雄を見分けています。
ある年、私も全国の会社の仲間や知人・友人にアキアジを送りました。何と宅急便代だけで1万円超!さすがに財布にも堪えましたが、「美味しい!」とか「イクラが入ってて感激!」など感謝のメールがたくさん送られてきました。
釣り人冥利に尽きるとは、まさにこのことですね!笑