6月1日、関東のおもな河川でアユ釣りが解禁されました。各地ではこの日を待ちわびた大勢の釣り人で賑わいました。今年は天然遡上のアユが多く、どこの川も解禁初日は上々の釣果!
地域や河川によって異なりますが、アユ釣りを楽しめる時期は10月頃まで。これから追加放流を予定している川もあり、最盛期の7~8月にかけてますます期待が膨らみます。
アユ釣りを楽しむには絶好のシーズン!これからアユ釣りを始めようという方やアユ釣りがしたい方にとっても「アユ釣りするなら、今でしょ!?」ということで、
初心者や入門者がアユ釣りを始めるにあたっての、基礎知識、釣り方や道具・仕掛け、その他留意事項などをわかりやすく解説いたします。
アユ釣りというと、敷居が高そうとか難しそうといった先入観をお持ちの方も多いと思いますが、道具や装備等を一式揃えれば初心者や入門者でも簡単に釣ることができます。最近は「アユイング」というルアー釣りが大人気で、お金をかけず手軽に楽しむこともできます。あとは実際に、
「いつ・どこで・どのように釣ったらイイのか!?」
ということで、初心者や入門者の皆さんがアユを最短距離で釣るための、スタートアップガイドとしてご活用頂けると幸いです。
鮎(アユ)について
日本の代表的な川魚として知られる鮎(アユ)。漢字表記では独特の香気を持つことから「香魚」とも書きます。北海道から沖縄までの全国に棲息し、日本では川釣りの代表魚であり重要な食用魚ですが、アユ釣りが解禁されてから禁漁になるまでの6月から10月とわずか5ヶ月間しか釣りを楽しむことができません。
(1)鮎の成長と釣り期
アユは成魚になると30cm近くまで成長し、成長段階によって「稚鮎」➜「若鮎」➜「鮎(成魚)」➜「落ち鮎(子持ち鮎)」と呼び方が変わります。
アユは海水の塩分濃度が低い河口付近で育ち、川を遡上しながら石に張り付いた苔や藻類を食べて生活します。
釣りの対象は若鮎~落ち鮎までとなります。
- 稚鮎:体長4~8cm。成長魚になる前の鮎(4月~5月)
背が黒っぽく他は白銀のような体色をしている。鮎特有の黄色い斑紋がないのが特徴。 - 若鮎:体長10~15cm。成長した初夏の鮎(7月~8月)
黄色い斑紋が出て歯の形も櫛形に。香りが増し脂も乗ってくる時期。 - 鮎(成魚):体長20~25cm。黄色の斑紋がより明瞭(9月~)
身や骨が柔らかいので塩焼きにして食べるのが美味。一番美味しい時期とされる。 - 落ち鮎:体長25~30cm。雌は「子持ち鮎」として成長(10月~)
身や骨ももろく、その風味が美味しいと珍重されることもある。
鮎(アユ)は一生に一度しか産卵することがなく、大半は一年で一生を終えると言われています。したがって、アユ釣りもアユとの「一期一会」なのです。
(2)鮎の種類
アユは、育ち方や生育場所・環境等によって種類があります。ここではアユの種類について解説しますので、実際に釣りを始める前に確認しておきましょう。
- 天然鮎:天然遡上の鮎。鮎の中でも最高級。身がしっかりして肉厚。
全体的に黄色っぽい体色。スイカやきゅうりなどに似た強い芳香があるのが特徴。 - 養殖鮎:養殖物の鮎。脂の乗りが良く天然鮎よりも美味しいという説も。
全体的に青味がかっており黄色の斑紋が不鮮明である。 - 湖産鮎:湖で育った鮎。味はほろ苦く旨味が強いのが特徴。
- 海産鮎:海で一時期に育った鮎。尾鰭が長くサンマに似た形をしているのが特徴。
(3)鮎の漁獲量
2021年(令和3年)度のアユの漁獲量は全国で1,854トンであり減少傾向にあります。
都道府県別にみると、1位は滋賀県で373t(17.9%)、次いで茨城県358t、栃木県351t、神奈川県324tとなっています。滋賀県は近年琵琶湖産のアユが急成長しており、とくに稚鮎になる前の仔魚である氷魚(ひうお)は冬にしか食べられない絶品グルメとして有名ですね。
とはいえ、茨城・栃木・神奈川の関東3県で45%以上のシェアがあるということは、アユという魚は釣り人にとっても食通にとっても、首都圏でのニーズが非常に高いことを示しています。
鮎釣り5つの釣り方~まずは釣り方を決める
鮎の釣り方はおもに5つあります。
鮎釣りにはおもに、友釣り・ドブ(毛針)釣り・ルアー釣り・コロガシ釣り・エサ釣り、の5つの釣法があります。この他にもチンチン釣りやシャクリ釣りなど地域や地方によってさまざまな釣り方がありますが、この5つが最も一般的な釣り方です。
鮎釣りを始める際には、まずはじめに釣り方を決めることが必要です。釣り方によって道具や仕掛け、装備品など、準備する物がそれぞれ異なります。当然釣り方によって費用(コスト)も変動し、場所や季節によっても変わるので注意が必要です。
ここでは5つの釣り方各々の特徴や内容、費用等について簡潔にまとめてみました。これから鮎釣りを始めようという初心者や入門者の方々にとって、釣り方を選ぶ目安にして頂けると幸いです。
(1)友釣り
アユがエサとなる藻類が多い場所を独占しようと縄張りを持つ習性を利用した釣り方です。世界広しといえども他に類を見ない友釣り。ハリの付いたオトリ鮎を泳がせ、縄張りを持ち体当たりしてくるアユを引っ掛ける釣り方です。
友釣りといえば鮎釣りの代名詞。鮎釣りのなかでいちばんポピュラーな釣りです。全国的にも同一河川流域において、釣りが出来る範囲が最も広い釣り方です。
8~10m長尺の竿に極細のライン。ハナカンに逆さ針を付ける独特の仕掛けを使用します。仕掛けにセットしたオトリアユを川底に泳がせ、ラインは一定のテンションをキープします。アユが掛かったら竿を立ててゆっくりと引き寄せ、最後は玉網(タモ)に納めます。
友釣りは鮎釣り本来の醍醐味を堪能することができます。一方で、川の流れの中で生きたオトリアユに針を付けたりオトリを交換する作業など、ある程度技量を必要とするのが特徴です。また、長尺の竿やオトリアユを使用するため、鮎釣りのなかで最も費用がかかる釣り方です。
(2)ドブ釣り
河川のなかでも水深のある淵、トロ場(流れの緩やかな場所)、堰下などで毛バリを流して狙う釣り方です。初期の遡上アユの動物性プランクトンを捕食する食性を活かした釣りで、アユ釣りにおける伝統的な釣法ともいえます。
毛バリの種類はさまざまで、毛バリの種類が釣果を左右するといっても過言ではありません。毛バリの選択が醍醐味なドブ釣りは、各河川の指定された区域でのみ釣りが可能となります。
ドブ釣り専用の長尺の竿もありますが、河川によっては渓流竿でも代用可能です。雨後でアカの飛んだ状態や、盛期・終盤でも水深のある緩やかな流れに群れを成して流下する川虫などを捕食するアユは、毛バリに果敢にアタックして来ます。
釣り方は、オモリで川底を叩くように上下にゆっくり誘いをかけて上流から流します。アユが掛かったら手元から竿を仕舞い込んで玉網に収めます。ドブ釣りは毛バリをたくさん揃えるのがキモで、友釣りのつぎに費用がかかる釣り方です。
(3)ルアー釣り
近年若年層のアングラーを中心に大人気のアユのルアー釣り。エギングやアジング、メバリングなどに因み「アユイング」とも呼ばれるアユのルアー釣りは、友釣りのオトリアユをアユの形をしたルアーに置き換えた釣り方です。
アユのルアー釣りは、誰もが軽装備で手軽にゲーム性の高いアユ釣りを釣りを楽しむことができる釣り方です。しかし全国の一部の河川および一部のエリアでしか釣りを楽しむことができません。かならず事前にルアー釣りが出来るか、確認しておきましょう。
8~9フィート前後のルアー竿に小型のスピニングかベイトリールが基本タックルですが、長尺の延べ竿でも釣りを楽しめます。ルアーを投げ入れるとアユが散ってしまうため、上流からルアーをゆっくり泳がせるようにしてアユがヒットするのを待ちます。
ルアーは各メーカーから色々なものが販売されています。大きさや重量、色など季節や釣り場に応じて数種類用意しておきましょう。ルアー釣りはアユ釣りのなかでも費用(コスト)が最もかからない釣法といえるでしょう。
(4)コロガシ釣り
9月以降の終盤の落ち鮎シーズンの時期に行われるコロガシ釣り。コロガシ釣りは川底のアユを引っ掛ける釣り方です。川の中に入りアユの姿を確認したら、掛け針を投入し魚を掛けるのです。
コロガシ釣りが禁止されている川、時期やポイントが限定されていることも多いので、かならず漁協で確認して釣行しましょう。
竿はコロガシ釣り専用の7~9mの長尺の竿が理想ですが、友釣り用の竿でも代用可能です。仕掛けは5~7本の掛け針の付いた専用仕掛けが市販されています。仕掛け全体の長さが竿と同じくらいに調節することが必要です。
釣り方は、オモリの重さを生かして仕掛けを振り込み、川底からオモリがトントンの状態で下流方向へ引きます。掛け針にはカエシがついていないため掛かったらラインを緩めないよう取り込みます。コロガシ釣りはドブ釣りより費用はかかりません。
(5)エサ釣り
エサ釣りは、ウキを使用することによって縄張りを持たないアユを狙う釣り方です。解禁直後の早期や産卵前の9月以降がエサ釣りに適した時期です。また雨後の苔類が流されてしまったときなどにも有効な釣り方です。
竿は川釣り用の延べ竿か渓流竿の4~5mのものを使用します。小型のウキのシンプルな仕掛けで作り方も簡単なので、初心者でも手軽に釣りを楽しむことが出来るのでおすすめです。
エサは、しらす・イカ・かまぼこ・はんぺんなどを使用しますが、サバ缶とパン粉を混ぜた練りエサを使う場合もあります。またアミエビや細かく刻んだしらすなどを巻きエサとして撒き、仕掛けを同調させて流します。
ポイントは水深のある淵やトロ場など。釣り方は、つけエサが自然に流れるよう仕掛けを投入し、ウキが沈んだらアワセを入れて素早く竿を立てます。エサ釣りは費用もかからないため初心者にはおすすめの釣り方です。
アユ釣りのおもな5つの釣り方をご紹介しました。以下の通り一覧表にまとめたので、釣り方を決める際の参考にしていただけると幸いです。
鮎釣りのタックルと仕掛け(釣り方別)
釣り方が決定したら、いよいよタックルと仕掛けの準備です。ここでは釣り方別に、竿や仕掛けの商品一例や予算感等について解説します。
購入の際の注意点は、コストありきで価格を最優先するのではなく、信頼性の高い有名メーカーの商品を選ぶ方が賢明です。「安物買いの銭失い」と言う通り、低価格の商品は壊れやすいとか、使い勝手が悪い等の不具合が生じる確率が高いからです。ことに鮎釣りに関してはこの傾向が強いでしょう。
また仕掛けは各釣り方とも市販のセット商品を選ぶのがおすすめです。とくに初心者や入門者が鮎釣りの仕掛けを自作で作るのはコスパも悪くあまりおすすめできません。
それでは、前項のタックルおよび仕掛け図を参照して各釣り方のタックル&仕掛けをご覧ください。
(1)友釣りのタックル・仕掛け
友釣り用竿の価格帯は、8,000円~350,000円。
あらゆる釣りのジャンルにおける竿の中で最も高価格帯に位置する鮎竿。ご覧の通りピンキリですが、長尺で軽量という友釣りの性質上価格も高めの設定です。実際鮎の友釣りは一日中竿を手に持ちながら釣りをするため、自重が軽いほど楽々と釣りができます。
コストとの兼ね合いで、有名メーカーで価格帯は50,000円前後の竿を選ぶのがおすすめです。
仕掛けは市販の鮎の友釣り仕掛けを3セット用意しておけば、まるまる一日釣りが楽しめるでしょう。
(2)ドブ釣りのタックル・仕掛け
ドブ釣り用竿の価格帯は、3,000円~180,000円。
ドブ釣り用の竿はコロガシ釣りやウキ釣りと兼用が可能です。コスパ重視なら低価格の竿でも十分ですし、気合いを入れて定期的に釣りを続けるならある程度スペックの高い竿を選ぶのがおすすめです。
仕掛けは市販の鮎のドブ釣り仕掛けを3~4セット用意しましょう。ただし毛バリのカラーが重要ですので、購入の際にはご留意ください。
(3)ルアー釣りのタックル・仕掛け
ルアー釣り(アユイング)の竿の価格帯は、5,000円~35,000円です。リールは1000番から2500番台のスピニングリールかベイトリールで、価格帯は3,000円から50,000円です。
ルアー釣り用の竿はアユイング専用の竿でなくてもOK。ML(ミディアムライト)クラスのルアー竿や、場所によっては渓流用のルアー竿でも代用は可能です。リールも磯釣りやバス釣りなど他のルアー釣り用のもの等手持ちがあれば十分釣りを楽しむことができます。
ルアーは各社からアユ専用のルアーが販売されていますが、9~11cmのミノータイプが基本です。出来ればサイズや色などを変えて4~5個は用意しておきたいものです。また掛け針も必要になりますので、3セットは揃えておきましょう。
(4)コロガシ釣りのタックル・仕掛け
コロガシ釣り用の竿の価格帯は、3,000円~240,000円。
先に述べた通り、ドブ釣りやエサ釣りと兼用できるため、竿が1本あれば3つの釣り方が楽しめます。ただし、ドブ釣り(毛針釣り)も楽しみたい方は長めの竿を購入しましょう。
仕掛けは市販のコロガシ釣り仕掛けを3~4セット用意しましょう。釣行する河川によって掛け針の数の制限がある場合があるので、事前に確認しておくと良いと思います。
(5)エサ釣りのタックル・仕掛け
エサ釣り用の竿の価格帯は、3,000円~180,000円。
鮎のエサ釣りに限定すれば、竿は安いものでも構いません。また渓流など川釣り用の延べ竿があれば、代用も可能です。
仕掛けはシンプルなウキ釣り仕掛け。磯・堤防での釣りや管理釣り場等での実釣経験がある方は自作も簡単です。仕掛け作りが面倒という方でも市販の仕掛けが販売されているので、3~4セット購入すれば一日たっぷり楽しめます。
肝心のエサも忘れずに!2種類くらい用意しておくと良いでしょう。
鮎釣りに必要な道具や装備など
釣り方に応じて竿と仕掛けを揃えたら、道具や装備、ウェアなどを用意します。すべての釣り方に共通して最低限必要な装備やウェアもありますが、釣り方や予算等によっては必要ない物もあるので、それぞれ選択した上で購入しましょう。
アユ釣りは膝下から腰の辺りまで川に立ち込んで釣るスタイルが一般的です。釣り期は初夏から初秋と太陽の照りつける暑い時期。しかも釣り場は葦などが茂る湿地帯がメインです。こうしたTPOを考慮した上で道具や装備を揃える必要があります。
初めて道具や装備、仕掛けなどを購入する際は、鮎釣りを定期的に続けるのか、それとも単発なのか、といった指標や、価格・スペック・デザイン等何を重点に選ぶのか、など一定の基準を持って選ぶことが大切です。
ここではアユ釣りに最低限必要な道具・装備と、釣り方に応じて必要な道具や仕掛け等に分類して解説を進めていきます。
(1)鮎釣りに最低限必要な道具・装備
①鮎玉網(鮎タモ)
鮎釣りには、アユ専用の玉網「鮎タモ」が必要です。鮎タモはアユが掛かった時に手元で正確にアユを取り込むための道具で、すべての釣り方共通の必須アイテムです。
鮎タモは一般的な玉網とは異なり、柄が短く枠の径が39cm前後と小さいのが特徴です。購入の際には、なるべく軽量で網目が細かいものを選ぶのがおすすめです。網目が細かいと針が引っ掛かりにくいため初心者でも取扱いがしやすいためです。
➁引き舟(友舟)
引き舟は友舟とか鮎舟とも呼ばれ、オトリ鮎を生かしたり、釣った鮎を入れるために必要な道具です。友釣りには欠かせない道具ですが、ドブ釣りやルアー釣り等その他の釣り方でも基本的に川に浸かって釣りをするため、あると大変便利なアイテムです。
腰に回した鮎ベルトにロープを装着して引き舟を流すのが一般的なスタイルです。引き舟を身に付けていれば、オトリ鮎を交換したり釣れる度に岸に戻る必要がなく、自由にポイントを移動することが可能です。
引き舟には4Lから8Lまでさまざまなサイズがありますが、初心者や入門者には小さめのものをおすすめします。
③鮎ベルト
鮎ベルトは引き舟を装着したり、玉網を腰に挿したり小物を入れたりするものです。ほぼすべての釣り方で必要な鮎釣りのマストアイテムです。
シンプルなものから多機能モデルまで幅広くありますが、初心者はある程度便利な機能が付いたモデルを購入するのがおすすめです。
④鮎缶(オトリ缶)またはクーラーボックス
鮎缶はオトリ缶とか友カンとも呼ばれ、オトリ鮎を購入して釣り場まで運ぶ際や川で鮎を生かしておくための道具です。友釣りでは必需品ですが、その他の釣り方の場合はクーラーボックスで代用することも可能です。またグループ釣行の場合、同行者の鮎缶と共有出来れば必要ありません。
クーラーボックスは、釣った鮎を新鮮な状態で持ち帰るときや、夏場の飲料や食料等を保管するのにも大変役立ちます。とくに鮎釣りは夏の暑い時期ですので貴重な釣果を新鮮に保管することは大切です。
鮎缶もクーラーボックスも、大きさは15L前後のものがおすすめです。友釣りの場合は、鮎を長時間生かしておくためのエアーポンプが必要ですので、忘れずに用意しておきましょう。
(2)装具・ウェア類
①鮎ベスト
鮎ベストは、釣りに必要な道具や仕掛け、小物類を収納するために着用します。鮎釣りは川に浸かって釣りをし、ベストを着用することで動きやすくなるためすべての釣り方に必要なものです。
鮎釣り専用のベストも販売されていますが、釣り用のベストや作業着用のベストでも構いません。最近は通気性の高いメッシュ地のものや防水加工などさまざまなタイプのものがあります。TPOに応じて選ぶと良いでしょう。
➁ウェーダー・タイツ
川に立ち込んで釣る鮎釣りには、ウェーダーやタイツが必要です。友釣りやコロガシ釣りはもちろん、ルアー釣りやエサ釣りでも自分の狙いたいポイントに仕掛けを投入する場合、川に立ち込んだ方が有利といえます。
また夏場とはいえ、冷たい川の中に長時間使っていると身体が冷え込んでくるものです。継続的にアユ釣りを楽しむなら、かならず購入しましょう。
ウェーダー・タイツには、鮎タビと別々になった鮎釣り専用のタイツや、タビと一体になった釣り専用のウェーダー等さまざまな種類があります。生地の厚さが3mm前後のものがおすすめです。
③鮎タビ
基本的に川の中で立ち込んで釣る鮎釣りにおいて、鮎タビは必需品です。鮎タビは、苔が着いて滑りやすい川石の上を安全に歩くために底がフェルト地になっています。
鮎タビは鮎釣りを安全に釣りを楽しむための履き物です。海釣り用のブーツやアウトドアシューズなどは滑りやすいため大変危険です。購入の際は、かならず底がフェルト地でなるべくピン(スパイク)が付いているものを選ぶと良いでしょう。
④レインウェア
梅雨期から10月にかけての天気は変わりやすいものです。突発的な雨や低温に見舞われたり、快適に釣りを楽しむためにレインウェアは欠かせないアイテムです。
鮎釣りでは川に立ち込むため、レインウェアは丈が短いのが特徴です。また釣り用のレインウェアの裾を折って着用しても構いません。レインウェアは単発で着用することが多いため、手持ちがあれば代用は可能です。
⑤帽子
夏場の風物詩といわれる鮎釣りだけに、帽子は日焼け防止や紫外線対策のためにも必需品です。帽子は野球帽のようなキャップ型・麦わら帽子のようなハット型どちらでも構いません。
帽子はすでにお持ちの方も多いと思いますので、あらためて鮎釣り用に揃える必要はありません。もっとも、スタイル重視の方は新調してみてください。竹笠なんて鮎釣りっぽくて良いかも!?
⑥長袖シャツ・虫除けスプレー
鮎釣りでは長袖シャツも必須です。短パン&半袖Tシャツでの釣りは厳禁です。夏場の炎天下の釣りで暑いかもしれませんが、紫外線対策はもちろん防虫効果もあります。
鮎の釣り場は河原で湿地帯が大半です。蚊やブヨなど虫に刺されることも多いため、長袖シャツは大変有効です。また虫除けスプレーも併せて用意しておくことをおすすめします。
鮎釣りの釣行!
(1)釣行場所の選定
道具や仕掛け、装備品やウェアなど準備できたら、いよいよ釣行です!
鮎釣りでは釣行場所を選定することが先決です。同行者がいる場合はさておき、単独釣行の場合は目的地となる釣行先を自分で決めなければなりません。①近くの場所・➁有名な場所・③景色が良い場所・④公共の交通機関で行ける場所…etc.と選択基準はさまざまです。
しかも、釣り方によって同一の河川でも釣ることが出来るエリアは異なります。事前に下調べした上で候補地を絞り込んでいくことをおすすめします。リアルタイムの釣況や増水・減水等河川の状況、アクセスなどを調べて最終的に目的地を決定しましょう。
(2)遊漁券の購入
鮎釣りに限らず河川や湖で釣りをする場合、必ず「遊漁券」の購入が必要です。半日でも一日でも時間にかかわらず遊漁券の購入は必須です。遊漁券は当該河川・湖で釣りを楽しむことのできる権利の証票です。
遊漁券には、釣行当日の一日のみ釣りができる「日券」と、シーズンを通して釣りができる「年券」があります。初めての釣行であれば、まずはお試し的に「日券」を購入しましょう。
遊漁券の購入は、店頭での購入と現地の釣り場での購入の2つの方法がありますが、店頭での購入の方が断然安くなるため、釣り場へ行く前にお店で購入しておくのがおすすめです。遊漁券はオトリアユ店や釣具店、コンビニエンスストアなどで販売されています。
遊漁券の価格は地域や河川等によって異なりますが、相場は1,000円~2,000円です。
(3)オトリアユの購入(友釣りの場合)
鮎の友釣りをする場合、オトリアユの購入が必要です。オトリアユは河川の近くのオトリアユ店で販売されています。
オトリアユは1回の釣行で2~3尾購入するのが目安!オトリ代は1尾当たり500円が相場です。
またオトリアユ店では、ポイントや釣り方などの詳細情報を入手する絶好のチャンスです!現地のリアルタイムの情報を積極的にヒヤリングしておきましょう!
いざ実釣開始!
(1)準備
現地に着いたらまずは基点となる場所を設定します。車の場合は駐車場が基本ですが、河川によっては駐車場から離れている釣り場もあります。このため、鮎釣りを始めるまえに荷物や道具等の設置場所となるベースキャンプを設定します。友釣りの場合、鮎缶の水の入替えも行なっておいた方が無難です。
まずは装備品やウェアを身につけ、遊漁券を視認しやすい位置に取り付けます。各河川にいる監視員が速やかに確認できるようにするためです。つぎにタックルと仕掛けをセッティングします。一通り準備を終えたら最終チェック。いよいよ釣り場に向かいます!
(2)実釣
現場到着!ドキドキ・ワクワクする瞬間です。ここであらためて、釣り場の確認をしておくことが大切です。友釣りしか出来ないエリアなのにルアー釣りをしたり、エサ釣り禁止エリアにも関わらずエサ釣りをしたりするとトラブルになります。
鮎釣りはこまめなポイント移動がキモです。ある程度一つのポイントを探ってアタリが無ければ、つぎのポイントへ移動して広範囲を探っていきます。ただし、移動の際バシャバシャと水しぶきをあげるのはご法度。周囲の釣り人に迷惑をかけてしまうので注意しましょう。
まずは一尾釣り上げて手応えをつかむことが大事です!
一尾釣れた付近をさらに攻めてみると良いですよ。友釣りの場合は一尾ゲットしたらオトリアユと交換するのがセオリーですが、オトリアユが元気な場合はそのまま使ってもOK!
夏の風物詩のアユ釣り。一尾釣り上げたら病みつきになること間違いなしです!
今年の夏は鮎釣りデビューしてみませんか!?
関東のおすすめアユ釣り場
最後に、関東エリアのみで恐縮ですが、おもなアユ釣り場をご紹介します。ぜひ今年の夏は自ら釣ったアユの塩焼きを堪能していただけたらと思います!
福島県
❶ 久慈川 久慈川第一漁協
栃木県
❶ 全河川 栃木県漁協
❷ 那珂川南 那珂川南部漁協
❸ 那珂川北 那珂川北部漁協
❹ 渡良瀬川 渡良瀬漁協
群馬県
❶ 全河川 群馬県漁協
埼玉県
❶ 入間川 入間漁協
千葉県
❶ 養老川 養老川漁協
神奈川県
❶ 相模川 相模川漁連
❷ 酒匂川 酒匂川漁協
❸ 中津川 中津川漁協
❹ 早川 早川漁協
山梨県
❶ 全河川 山梨県漁協