キンメ・アコウ・アカムツなど、深場釣りで食卓に華を添えて暖かい冬を過ごそう!

例年冬場を迎えると、外房から東京湾口そして伊豆半島の広範囲にかけて深場釣りが本格的にスタートします。おもなターゲットは、キンメダイやアカムツ、アコウダイといった真紅の高級魚が勢ぞろい!

もちろん、いま流行りのライトタックルで狙う中深場だったりアカムツ・クロムツ五目からベニアコウやアブラボウズといった超深場釣りまで出船しているので、初心者からベテランまで幅広く楽しめるのが魅力です。

ひと昔前まではハードルが高いと思われていた深場釣り。これから深場釣りを始めようという方には、充実したレンタルタックルも完備しており乗船代・エサ代込々でも比較的リーズナブルな料金で楽しめます。

これからの季節、ひときわ美味しさが増すのが深場釣りの対象魚です。まさに釣ってよし食べてよし、そして何より家族や皆の笑顔よし!と三拍子そろって良いこと尽くめの釣りなのです。

ぜひこの冬は深場釣りに出かけて、お正月のお祝い膳として食卓に彩りを添えてみてはいかがでしょうか!?

中深場から超深場まで深場釣りはロマン!防寒対策は万全に整えて、高級魚をGETしよう!

深場釣りとは文字通り水深が300メートル以上ある深場を対象とする釣りです。水深300~500mの中深場狙いから、果ては水深1,000m以上もある超深場狙いまでさまざまです。

仕掛けを投入してから着底までに要する時間は、なんと5~10分はかかるほど。他の船釣りとは明らかに一線を画した釣りといっても過言ではありません。そのぶん深場釣りはマダイやカワハギ釣りと比べると、最もビギナーズラックの高い釣りともいえます。

また深場釣りは竿やリールといったイニシャルコストも高く、仕掛けなどランニングコストもチョイと値が張ります。最近では初心者向けに多くの船でレンタルタックルも充実しており、これから深場釣りを始めたいという方にはおすすめです。

釣りに対する費用対効果。つまりコスパも非常に高いといえるでしょう。というか釣果はどうであれ、非常に満足度の高い釣行が実現すると自信をもっておすすめします。

釣り好きは短気が多い、とよく言われますが深場釣りはむしろ心にゆとりや余裕が生まれる釣りです。どんなに気が短くて怒りっぽい方でも、きっと性格が大らかになりますよ。こんなご時世だからこそ、深場釣りを始めるのも良いと思いますよ。

乗船の予約

「いざ行くぞ!」となれば先ず、①日時・➁場所・③魚種の優先順位を決めましょう。

①日時の場合は、事前に天気予報と睨めっこする必要があります。深場釣りに限らず船釣りは、天候の影響に大きく左右されます。せっかく予定を立てたのに、荒天で出船中止なんて事もしばしば。船釣りにはよくあるケースですね。

また➁場所や③魚種で決める場合も、事前にネットや電話などで釣況を確認しておくことが大切です。とくに時間に余裕のある方やベテランの方は③魚種を選択するケースが多いと思いますが、車や電車のアクセスなども入念に調べておきましょう。

釣行計画が決まったら船に予約を入れます。おもな内容としては以下の通りです。

✅ 日時と人数、対象魚 
✅ 出船時間と集合時間
✅ 沖上がりと帰港時間
✅ 駐車場の有無 ※車の場合
✅ 釣り座の選定 ※複数の場合
✅ レンタル道具 ※初心者の場合
✅ 料金の確認
✅ その他留意事項
✅ 最近の釣況
✅ 当日はよろしくお願いします!

また初心者は、予約時に初心者丸出しで色々と根掘り葉掘り聞いてみると良いでしょう。そして最後に「解らないことがたくさんあるので当日はよろしくお願いします」なんて言えば、きっと面倒見の良い船頭さんに手取り足取り教えてもらえますよ。笑

実際、私は数年間この方法で多くの「技術」を習得し、良い思いをたくさんさせてもらいました!

防寒対策

冬場の船釣りは過酷な寒さとの闘いでもあります。沖合は北からの強い季節風が吹き船上は吹きさらしの状態となります。このため防寒対策は徹底して準備しましょう。

最近は釣具や衣料品のメーカーからさまざまな防寒用のウェアやグッズも販売されており、品質も大変優れています。とくにポイントとして、防寒着はかならずフードの付いたものを着用しましょう。また雨の日だったりシケで波をかぶるため、レインギアも必須です。

寒さに加えて冷たい風と雨のダブルパンチをくらうだけでも相当体力と気力を消耗してしまい、ひいてはモチベーションの低下に繋がりかねません。

レインギアは、かならずアウターよりも1~2サイズ大きめのものを選びましょう。例えば、アウターがLサイズの場合レインギアはLLまたは2Lになります。ただしメーカーが異なる場合は実際に試着してみるのが良いでしょう。

帽子や手袋も必需品です。とくに厳寒の冬場はフーディーウォーマーやネックゲイターは襟元の寒さを凌げて大変便利なアイテムです。また足元の冷え対策も肝心です。ブーツの中は発熱性の靴下や冬用のインソールを合わせて履くだけでも相当暖かく感じられます。

また安全面で、必ずライフジャケットも着用しましょう。ライフジャケットはレンタルも可能ですので事前に確認したおくと良いでしょう。

自分にとって最適なコンディションで、快適に釣りを楽しむことが大切です。

以下、ウェア類のチェックリストをご参照ください。

✅ アンダーウェア 上シャツ
✅ アンダーウェア 下パンツ
✅ トレーナー
✅ スウェット上下
✅ 釣り用ジャケット ※フード付のもの
✅ 釣り用パンツ
✅ レインギア
✅ 帽子
✅ 手袋
✅ フーディウォーマー・ネックゲイター
✅ 靴下(ソックス)
✅ 中敷き(インソール)
✅ ライフジャケット ※レンタル有り
✅ ブーツ

道具と仕掛け

道具・タックル

深場釣りの道具を一式そろえるとなると、軽く20万円以上はかかります。懐の暖かい方ならまだしも一般的なサラリーマンだとかなり高額な出費ですよね。ですので、初心者は船宿のレンタルタックルを推奨します。最近はレンタルタックルも充実していますし、釣果も差がつくことはありませんので安心してください。

意を決して道具を購入しようと思っている方は、キンメ・アコウ兼用を念頭に置いて購入すると良いでしょう。なるべく竿やリールは汎用性が高いものを選択すれば、仕掛けのパーツをアカムツやキンメ仕様とアコウ仕様で、都度都度交換するだけで使用できるのが魅力です。ただしアカムツ・クロムツ専用の場合はさらにライトなタックルが望ましいでしょう。

竿はオモリ負荷250~400号程度の深場専用の竿。リールは大型の電動リールで、PEライン8号を最低でも800mは巻いておきたいところです。というのも、潮が速いときは水深よりも100~200m以上ラインが余分に出てしまうこともあるためです。

さらにロッドキーパーは大型のもので、尻手ロープなどでしっかりと固定しておくことが大事です。

仕掛け

深場釣りの醍醐味のひとつに仕掛け作りがあります。ミキイトとハリス、そしてハリのバリエーションを自分の思うままに作り上げていくのです。掛け枠と呼ばれる仕掛け巻きにセットしていく作業は深場釣りならではの楽しみです。

ただし一つの掛け枠を完成するまで2時間以上かかるためとても手間がかかります。もちろん初心者は船宿で購入するのが無難ですが、1回の釣行で最低でも6セット以上は使用するためそれなりに時間とお金のかかる作業だということを肝に銘じてください。

まず道糸と仕掛けを結ぶ際、サルカンにヨリトリリングを接続します。これで仕掛けの撚れを防ぐことが出来ます。コンディション次第では水中ランプや中オモリを付ける場合もありますが、水中ランプを付けるとサメなどのエサ取りもおびき寄せてしまうため注意しましょう。

仕掛けは自由自在に組み替えられるよう作成するのがコツです。原則として1回の仕掛けの投入につき掛け枠1セットを使用しますが、慣れてくれば使い回すことも可能です。ハリ数も釣り場や船によってまちまちですが、初心者はなるべく8~10本と少なめにした方が無難だと思います。

ハリのチモトに赤系のマニキュアを塗るとGOOD!~チモトの補強にもなるし集魚効果アップで一石二鳥!(百円ショップのもので十分)

またタコベイトは大いに威力を発揮するアイテムです。とくに赤や金、オレンジ、ピンクが実績が高いようです。ただし付け過ぎは外道を寄せてしまうので一本おきに付けたり半分にカットしたり、工夫が必要です。

●ハリのチモトに赤いマニュキアを塗ると効果的だよ!

エサ

エサはほとんどの船で乗船料込みであらかじめ用意されています。地域や船で異なりますが、カツオのはらんぼ(腹の部分)だったりイカの短冊だったりです。エサに関しては、あらかじめ船宿に確認しておくことをおすすめします。

というのが、どちらも優れたエサなので、できれば両方準備しておくのが最善の方法なのです。とくにカツオのはらんぼはエサ持ちが良く、イカタン(イカの短冊)はキンメ・アカムツ等何でも使える万能エサで、日並み次第でどちらが当たりエサかは釣行当日になってみないとわかりません。

またベテランの中にはイカタンを食紅で赤く染めたりする方を見受けますが、個人的に釣果は大差ないような気がします。いずれにせよ、エサについても各個人の好みで色々とアレンジしてみると深場釣りの楽しさがますます増えますよ。

●深場釣りではイカタン(イカの短冊)を含めて最低2種類以上のエサを用意しておこう!

釣り方

仕掛けの投入

深場釣りでは他の船釣りと同じように一斉に仕掛けを投入することはありません。舳(みよし)から、あるいは艫(トモ)から一人ずつ順番に投入します。このとき船長の合図があるまで投入を待ちます。ハラハラ・ドキドキの瞬間です。

一日にわずか6~8回の投入しかない深場釣りにとって仕掛けの投入は大変重要です。順番が来たら、慎重に投入しミッションを完遂することが深場釣りの要諦です。もし投入に失敗した場合、最悪次回の投入まで待たなければなりません。深場釣りの掟(おきて)です。

そのためにも、仕掛け投入前にかならず仕掛けが絡まないようにオモリ・ハリス・ハリ(エサ)を点検しておきましょう。

初心者や慣れない方はマグネット板を使用することをおすすめします。これは船べりにマグネット板を置いてエサをつけたハリを並べて投入する方法です。マグネット板はたいていの船に常備してありますので事前に船に確認しておきましょう。

また初心者は自分の投入前に仕掛けを投入する人の動作をよく観察するのが大事です。まさに「学ぶ」とは「真似る」ということに他ならないですからね。笑

着底

無事仕掛けを投入できたら、まずはホッとひと安心。リールのカウンターを注視しながら仕掛けが正常に落下していくのを見届けます。落下速度の目安としては70m/分位でしょうか?ただし水深や潮流によって着底までの時間はケースバイケース。とくに潮流の速いときは着底を確認し辛いものです。

着底を知るために最も手っ取り早い方法は、直前に投入した人の状態を確認するのがベストです。基本的に同じ号数のオモリを使っていれば、着底も投入した順番通りになるはずです。直前に投入した人がリールを巻いたりすれば、当然次は自分の順番です。

オモリが着底したら糸フケをとってリールを巻き上げます。ターゲットによってタナは異なりますが、アカムツやキンメは指示タナまで、アコウは底トントンが基本です。しばらく待ってアタリが無い場合は、リールで仕掛けを上下させて誘いをかけてみるのも良いでしょう。

アタリ!

『キターっ!』心臓の鼓動が高鳴る瞬間。が、とっさに竿に飛びついてリールを巻いてはいけません。欲望との葛藤、はやる気持ちを抑えましょう。深場釣りはまさに急がば回れです。

アタリの出方は千差万別です。総じて、キンメやアカムツは竿先にクンクンと反応が出ます。小刻みに竿先が叩かれる感じです。アコウの場合はモゾッとした感じです。大型ほどモゾモゾッとしています。とはいえコンディション等によって大きく左右されるため、船長ですら判断しかねるところなのです。

ここで大切なことは、アタリが出てもすぐに巻き上げず追い食いさせることです。ただし、アカムツ・キンメの場合とアコウの場合では異なりますので要注意です!

  1. キンメ・アカムツの場合:いちばん下バリに掛かっていると想定して仕掛けを送るか巻上げ
  2. アコウの場合:とにかく道糸を送り込み、底を這わせるイメージで 

巻上げ

原則として巻上げは船長の合図で行ないます。ただし竿先に大きな反応が出た場合には、船長の指示を仰ぎましょう。

巻上げ速度は低速から中速です。つねに道糸のテンションをキープしながらゆっくりと巻き上げます。船上で一斉にリール音が唸りを上げる緊張の場面です。取り込みまで最低でも10分は要するでしょう。このとき竿先に出る反応によって巻き上げ速度も調整するのが良いと思います。

魚が少しずつ海中を浮上する間、頭の中は本命か外道か?大物か…!?なんて期待と不安が入り混じります。あくまでも目安ですが、キンメやアカムツの場合は竿先をコツコツと平均して叩くような感じに現れます。アコウの場合は水圧の関係で水深400m前後でいったん暴れたかと思うと、急に大人しくなるのが特徴です。

取り込み

リールが停止したら竿を立てリングを手繰り寄せ竿尻に掛けておきます。海面を確認しながら仕掛けを両手で交互に手繰り込みましょう。上がってきた魚は一気に取り込むことが肝心です。

取り込みの際はかならずグローブ(手袋)をはめて行ないましょう。

よほど大物でない限り玉網は使わない方が賢明です。ハリが玉網に絡まってしまうと下に付いている魚をバラシてしまいかねないので注意が必要です。たとえバレたとしても、アコウは浮袋が膨張し海面に浮いているので玉網ですくえますが、キンメやアカムツの場合は水圧に強いため海中に潜って逃げられてしまいます。

幸運にも多点掛けの場合は、いったんすべての魚を船内に取り込んでしまう方が賢明です。ここで魚の処理をしてしまいたいところですが、数少ない投入回数の深場釣りですので、つぎの投入に備えておくことをおすすめします。仕掛けの回収や魚の処理は投入の準備が完了してからでも遅くはありません。

また、どの位置の、どのカラーに掛かったかをかならずインプットしておくことも重要です。

深場釣りのおすすめ6船

冬場になると茨城から伊豆にかけての広範囲で深場釣りの船が営業を展開しています。また東北地方でもメヌケやマダラといった深場の釣りは盛況です。ここでは深場釣りを得意とする腕利きの船頭がいる船宿を厳選してご紹介します。ぜひこの冬は深場釣りにチャレンジしてください!

福島県・小名浜港
辰紀丸   ☎090–3122-5577

茨城県・平潟港
第十五隆栄丸☎0293-46-3980

神奈川県・三崎港
いわき丸  ☎046-881-687

神奈川県・福浦港
❹ よしひさ丸 ☎0465-63-3884

静岡県・稲取港
定栄丸   ☎0557-95-2460

静岡県・手石港
忠兵衛丸  ☎0558-62-1273

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