先日、新潟県糸魚川市の海岸に大量のイワシが打ち上げられたというニュースがありました。イワシが見つかったのは7日朝で、県は原因が不明のため持ち帰らないよう注意を呼び掛けるとともに自主回収して処分するとのことでした。
個人的には、食品として食べることが難しくてもイワシをミンチ状に加工してイヌやネコなどのペットのエサや釣り用のコマセなどに転用出来るのにもったいない、と思ってしまいましたが…。
こうした現象は今回に限らず毎年全国的に発生しており、実際に釣りをしている最中大きな魚に追い込まれて海岸線に一斉に打ち上がる小魚の群れを何度か目撃したこともあります。言うまでもなく、私も含めその場にいた釣り人は漏れなく目の色を変えて拾い上げてましたけどね…。
とはいえ今年に入ってからクジラだったり、リュウグウノツカイやダイオウイカ、そして海の向こうのニューヨークでもクジラが打ち上がるなど、こうした話題には事欠きません。エルニーニョ現象やラニーニャ現象などの影響か、やはり世界的なレベルで異常気象が発生しているのだと思います。
実際私たちの生活自体も、季節感が次第に無くなって来ていると思いませんか?魚たちの棲む自然界はもっとリアルなインパクトを受けていることと思います。こうした状況は、釣りを楽しむ私たちにとって、正直言うと一長一短なんですよね…。
例えば、以前は「〇月に△に行けば✕✕が釣れる」というタイムテーブルがある程度明確だったものが、最近では「〇月に△に行っても✕✕が釣れない」とか「〇月に△に行ったら□が釣れた」とか「〇月より2ヶ月も早く✕✕が釣れた」など、釣り物と釣り期がハッキリと読めないことも事実。きっと多くの漁業関係者の方々も頭を悩ませていると思います。
さて冒頭のイワシの話に戻りますが、折しも知人から「和歌山でイワシが釣れてんで~!」と写真付きでメールが届きました。知人曰く「打ち上がる前に早う釣った方がええで!笑」と刺激的なコメント。
なるほど知人のコメントは理にかなっています。ならば、情報をいち早く先取りして「釣れる時に釣ってしまう」のが最も理想です。そこで今回は、いま最もホットな陸っぱりのイワシ釣りについてご紹介します。
今年はイワシ&アジなど青物が狙い目かも!?サビキ釣りで大漁必至!いま初心者に最もおすすめな釣りです。
イワシ・アジ・サバといえば、日本を代表する大衆的な食用魚。また寿司ネタとしては「光り物」などと呼ばれて親しまれています。しかし釣りの対象魚となると、いまひとつ人気が無いのも事実。
なかでもイワシは年々漁獲高が減少している上に、いまや高級魚としてのステータスに近づきつつあることも見逃せません。またイワシは鮮度落ちも速く店頭で販売することが難しいため、スーパーや鮮魚店でもイワシを見かける機会も次第に少なくなっています。
そんな貴重なイワシが、陸っぱりの堤防や岸壁で爆釣しているのですから、釣り人として黙って見過ごすわけにいきませんよね。件の知人の話では、和歌山県の泉南地区の漁港一帯で爆釣中とのこと。またその後の調べで、三重県志摩・愛知県知多半島、関東では茨城県の堤防でも釣れているようです。
場所によって釣れるイワシの種類は異なりますが、おもにマイワシとカタクチイワシといったイワシのなかでも美味しい魚種ばかり。イワシは全国的に回遊している魚なので、きっと皆様のお近くの地域でもそのうち釣れ始める可能性は高いと思いますよ!
釣り方はサビキ釣り。竿とリールさえあれば誰でも手軽に楽しむことができる釣りです。用意するのは市販のサビキ仕掛けとバケツとアミコマセだけなので初心者でもカンタン!
今回はサビキ釣りのなかでも、最も確実に釣るためにトリックサビキ釣りと投げ(飛ばし)サビキ釣りの2つの方法をご紹介します。どちらも市販の仕掛けを買うだけで釣ることが出来るので、ぜひお試しください!
イワシは漢字で「鰯」と書く通り、鮮度落ちも早く釣り物のターゲットとして存在感も薄く弱い魚ですが、DHA(ドコサヘキサエン酸)も多く含まれ健康にも最強の魚です。この時期、沿岸に大量に回遊しているイワシはじつは言わずと知れた高級魚なのです。つまり…
イワシを生(刺身)で食べれるのは、釣り人の特権であり究極の贅沢です!
タックル・道具
基本的にトリックサビキ釣りと投げ(飛ばし)サビキ釣りは、竿とリール共用でOKです。
竿は磯竿の1~1.5号で4.5m前後か、またはルアー竿なら3m前後でML(ミディアムライトクラス)で、オモリ負荷3号(約11g以上)以上のロッドを選択しましょう。またリールは小型のスピニングリールで、PE0.8号かナイロンの2号が80m以上巻けるものだとタックルバランスも最適です。
もっとも初心者は、釣具店やネットショップで販売されている竿とリールのセットでもじゅうぶん楽しめます。道具にこだわる必要はまったくありませんのでご安心ください。
それでは、サビキ釣りの2つの仕掛けについて解説いたします。
トリックサビキ釣り
トリックサビキは、竿下(足元)など近めのポイントを狙う場合に有効です。仕掛けの空バリにコマセ兼エサとなるアミエビを擦り付けそのまま足下に垂らします。イワシの活性が高く堤防の手前に寄っているときは最も釣れる釣り方です。
ただし竿が短いとやや遠目にキャストしなければならならず、またウキを付けて沖目を狙う場合は投入時にハリに付いたアミエビが外れないよう慎重に仕掛けを投入することが肝心です。
またこの釣り方は、仕掛けのハリにアミエビを擦り付けたり、釣れた魚をハリから外す作業が多少面倒臭いのが難点ですが、コツさえつかめば手返し良く釣りを楽しむことが出来ます。
投げサビキ釣り(飛ばしサビキ釣り)
投げサビキ釣りは飛ばしサビキ釣りとも呼ばれ、サビキ仕掛けを遠投して沖を狙う場合に適した釣り方です。トリックサビキ釣りよりも大きな魚を釣ることが可能です。
投げサビキ釣りでは、ウキを付けることによって狙いたいポイントにダイレクトに投入し、さらにタナを調節できるのが長所です。
またコマセを入れたカゴを取り付けて集魚効果を高めます。カゴはウキの下に取り付ける方法と仕掛けのいちばん下に取り付ける方法とがありますが、対象魚が泳ぐタナによって変えると良いようです。
初心者や釣りに慣れていない方には、ウキとカゴとサビキがセットになった仕掛けが販売されていますのでおすすめです。
サビキの種類
トリックサビキ
トリックサビキは色々な市販品が店頭に並んでいます。イワシの場合はハリは3~5号でハリス0.8~1.2号位のサイズがベストです。
とくにWフック仕様はアミエビのエサ持ちして掛かりも良いです。また朝夕のマヅメ時は夜光タイプも食いが立つように思います。仕掛けが絡む場合もあるため、できれば2~3セット用意しておくと良いでしょう。
サビキ(ピンクスキン)
数あるサビキのなかでも最も鉄板の商品です。イワシにも実績が高くアジやサバなどにも使えるオールマイティなタイプです。
日中帯や朝夕のマヅメ時さらに夜間帯でも、澄んだ潮や濁り潮などいかなる状況でも安心して使えるためサビキのベストセラーといっても過言ではありません。
釣行の際は必ず用意しておきたいサビキです。
サビキ(サバ皮・ハゲ皮)
ハゲ皮およびサバ皮という魚の皮を使ったもので、水に浸けると半透明になります。魚の食べるプランクトンに似た色で、ピンクスキンで釣れないときに使用すると効果があります。
イワシを釣る場合は小バリに細ハリスが基本ですが、アジやサバが混じる場合は1~2サイズ大き目のものを使用するのが良いでしょう。
その他用意するもの
サビキ釣りを始めるにあたって必要なものがコマセ(アミエビ)を入れるバケツです。トリックサビキ釣りでは「スピード餌付け器」を用意した方が、サビキにアミコマセを手返し良く付けるために大変重宝します。
スピード餌付け器はいろいろなタイプがありますが、バケツと一体型のものであれば通常のサビキ釣りにも兼用できるのでおすすめです。
釣り方
トリックサビキ釣り
トリックサビキ釣りは、空バリのついたサビキにエサのアミエビを擦り付けて仕掛けを投入する釣り方です。一般的なサビキ釣りはアミエビがコマセになりますが、トリックサビキの場合はコマセがエサになるというコスパの高い釣り方です。
初めのうちはアミエビを付ける作業が大変かもしれませんが、慣れればカンタンですので何回か試しに練習してみましょう。
それではトリックサビキ釣りの手順について解説いたします。
- 片手で竿を、もう一方の片手でオモリを持つ
- 糸をピンと張った状態で、エサ付け器のミゾに仕掛けを入れる
- ハリをアミコマセに擦りつけるようにして仕掛けを前後(左右)させる
- アミがハリから落ちないよう慎重に仕掛けを投入する
手順は①~④の要領でとてもカンタンです。足場の悪いテトラや磯場の場合はエサ付け器が安定しない場合は三脚やバケツ等に固定して使用すると良いでしょう。仕掛け投入時はアミコマセがハリから落ちないように気をつけましょう。仕掛けが着水した瞬間どうしてもアミコマセが落下してしまいますので、ゆっくりと仕掛けが海中に馴染むように投入しましょう。
投げサビキ釣り
サビキ釣りは足元から沖目と広範囲を狙え、しかも浅場から深場まで探ることができるオールマイティな釣り方です。ただしウキなどが付いているため遠投する場合は仕掛けが絡まりやすいのが難点です。
初心者など釣りに慣れていない方は、初めのうちはゆっくりとアンダースローで近場を狙い、慣れてきたら徐々に遠くへ投げると良いでしょう。
それでは投げサビキ釣りの釣り方について解説します。
- リールのベールを開けて指に糸をかけ反対の手でカゴ(オモリ)をつかむ
- 竿を下から上に振り出しタイミングを見計らいカゴ(オモリ)を離す
- 慣れてきたら後方に竿を振りかぶり斜め45度の確度で糸を離すと良い
- 着水寸前に道糸(ライン)をサミングすると仕掛けが絡まない
- ウキが正常な状態で水面に浮いていればOK
手順は①~⑤で、とくに④と⑤で仕掛けが絡まないようにするのがコツです。ウキが沈んでしまったり水面で寝てしまっているときは仕掛けが正常に馴染んでいない証拠です。その場合竿で道糸を引っ張り修正してみましょう。
それでも修正されない場合は、ウキとサビキが絡んでいることが多いので、いったん仕掛けを回収してみましょう。
アタリと取り込み
活性が高いときは仕掛け投入後すぐにアタリがあります。けれども焦りは禁物!なるべく一投弧ごとにたくさん数を釣らなければならないので追い食いを待ちましょう。ただしあまり待ち過ぎても、仕掛けが絡む原因に繋がるため頃合いを見て巻き上げるのが良いでしょう。
逆に活性が低く魚影も見えない場合は、手元にあるアミエビをウキめがけて撒いてみましょう。このときアミエビに少量の砂を混ぜておくと濁りも演出するので効果は抜群ですよ。
リールは道糸のテンションを緩めないよう一定の速度で巻き上げます。眼前にキラキラと光り輝く銀色の魚体が現れました!イワシや小アジなどの青物は口切れしやすいため取り込みには注意しましょう。
釣り上げたら、手早くハリから外してバケツやクーラーボックスに入れなければなりません。釣った魚はなるべく上バリから外していくのがセオリーです。イワシや小アジは氷締めするのが最も良い保存法です。
イワシの爆釣ポイント5選!
そもそも今回のトピックスは、冒頭の関西の知人から得た情報が発端で掲載しています。彼は大阪在住でシーバスなど陸っぱり釣りをメインで楽しむコテコテの関西人。いろいろ調べてみた結果、どうやら関西の他にも三重県・愛知県そして関東の茨城県でもイワシが釣れているようですよ。
そんな中、今回はとっておきのおすすめ釣り場を5つご紹介しますので、お近くの方はぜひ行ってみてはいかがでしょうか!?
和歌山県エリア
1.雑賀崎漁港
2.田ノ浦漁港
三重エリア
3.波切漁港
愛知エリア
4.豊浜漁港
茨城エリア
5.大洗漁港
まとめ~食べるために釣りを楽しむ
トップの写真のイワシは一昨年地元の岸壁で釣り上げたトウゴロウイワシです。型は15センチ前後で数にして30尾近く。しかもわずか30~40分程度の釣果です。帰宅して早々指の腹でウロコを落として包丁入れて内蔵を取り除いて、小骨を取るのが少々面倒でしたが何とか調理完了。酒の肴に生姜醤油で刺身となめろうを堪能しました。ざっと、こんな感じです!
どうです、美味そうでしょ!?
チョ~美味しいんです!
とても小さな魚体のためひと口サイズでペロリと舌の上に乗せた途端、甘みと旨味が混然一体となって全身を駆け巡る大トロのような食感!すっかりイワシに魅了されてしまいました。
トウゴロウイワシというとあまり聞きなれない魚かも知れませんが、これが美味!刺身はもちろん天ぷらや唐揚げにしても最高の一品。なのに、アオリイカやクロダイを狙う人たちからすれば全く見向きもされない雑魚(ザコ)扱いなのです。
「なんでこんなに美味しい魚なのに釣らないの!?」超シンプルな疑問です。
イワシはビタミンDやカルシウムが豊富で、骨を丈夫にして糖尿病の予防にも効果があり、ドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含有するため認知症の予防にも最適です!さらにアミノ酸チラシンも含まれており、やる気や集中力を高めたりする効能があり、うつ病の改善にも効果が期待されています!
もちろん酒の肴だけでなく、お子様やお年寄りにとっても最高の食材です!
食べるために釣りをしてみませんか!?