待望のシーズンを迎えたヤリイカ釣り。冬を代表するヤリイカは、春にかけての人気ターゲットです。この時期のヤリイカは、数はもちろんパラソル級と呼ばれる大型も釣れ、釣り味は抜群で食味も最高!初心者や入門者にとっても絶好のシーズンです。
例年冬から春にかけて盛期を迎えるヤリイカ釣り。すでに各地から好情報の便りも届いており、とくにジャンボヤリイカ釣りのメッカである駿河湾石花海(せのうみ)では、
日並み次第でパラソル級中心に、良い人20~30パイと好釣!!
もっとも、日によって釣果にムラが激しいのもヤリイカ釣りならでは。また年によって当たり年と不振な年があるのは、ヤリイカに限らず船釣りにはつきものです。
ならば、しばらく様子見と高を括っているうちに爆釣モードが続き、いざ釣行した途端釣れなくなったり。まさに釣り人あるあるですね。
そういう意味では、釣りは株式の売買と似ているかもしれません。苦笑
そこで今回は、冬から春にかけて人気の沖釣りターゲットであるヤリイカにフォーカスし、船ヤリイカ釣りの釣り方や仕掛けなど、初心者や入門者にも解りやすく基本的な攻略法を解説します。
ヤリイカを最短距離で釣っていただくために、関東を中心に全国の船ヤリイカ釣りの近況やおすすめの船などについてもご案内いたします。
ヤリイカ(槍烏賊)について
ヤリイカ(槍烏賊)は沖縄を除く北海道から九州のほぼ全域に生息しており、日本古来から食用として愛されているイカです。夏のケンサキイカ(マルイカ)、冬のヤリイカと呼ばれるように、冬から春にかけての代表的な釣り物として多くの釣り人に人気の高いイカです。
ヤリイカは水深30~200mの沖合に生息し、冬から春になると産卵のため浅場に接岸します。通常は岩礁帯周辺の砂地や砂泥地の底層付近を回遊し、肉食性で小魚を捕食します。アオリイカと比べると触手が短いため、小さめの魚を捕食する特徴があります。
沖釣りの対象としてのヤリイカは、産卵期前および産卵期の個体がターゲットです。地域によって時期は異なりますが、最近は釣り期が早まっている傾向があり、例年10月からスタートし翌年5月頃まで出船する船も多く、比較的長期間にわたって楽しめるのも魅力です。
船ヤリイカの代表的な釣り場としては、関東では東京湾の洲崎沖や剣崎沖、相模湾の沖の瀬や初島沖、外房の飯岡沖や銚子沖、茨城の鹿嶋沖、そして駿河湾の石花海(せのうみ)などが有名ですが、近年は東北の三陸沿岸や福島沖でも盛んで、好釣果が見られています。
何といってもヤリイカ釣りの最大の魅力は抜群の食味!
高級イカとされるアオリイカやケンサキイカとくらべて甘味はあまり感じられませんが、繊細で上品な味わいがあるのが特徴。またコリコリとした食感も良く、アオリイカと人気を二分しています。
これから春にかけて盛期を迎えるヤリイカ釣りは初心者でも手軽に釣ることが出来、数・型ともに狙える絶好のシーズンです!よく「船のイカ釣りは難しそう…」という声を耳にしますが、エサも使わないので、慣れれば誰でも簡単に釣ることが出来ます!
「いつ・どこで・どのように釣ったら良いの!?」
そんな方のために、今回はこれから盛期を迎える船ヤリイカ釣りの基本的なタックルや仕掛け、釣り方や各地の近況とおすすめの釣り船をご紹介します!
ヤリイカ釣りシーズン展望
船ヤリイカ釣りは関東を中心にほぼ全国で出船しています。最も釣れる時期は11月から翌年3月頃にかけて。ただし地域によって盛期は変わるため、日頃から各船宿の釣果情報等をベンチマークしておくことが大切です。
沖釣りの対象魚すべてに共通しますが、とくにヤリイカは日ムラ(日による釣果の差)が激しい釣り物です。ワラサやカツオなどの青物と同様、釣れ出したら早めの釣行がおすすめです。
とはいえ、釣れ始める前に釣行するのはリスクが高いので、
「釣れ始めたら即釣行」のスタンスがとても大切です!
初心者や入門者にとっては、まずヤリイカが釣れている場所や船等をリアルタイムで把握して釣行することが、船ヤリイカ釣りを攻略するための最短距離といっても過言ではありません。
すでに全国各地ではヤリイカが釣れ始めており、現況と例年のデータを踏まえ、ヤリイカ釣りの傾向と対策をサマリーしましたので、少しでも参考になれば幸いです。
船ヤリイカ釣りのタックルと仕掛け
船ヤリイカ釣りのタックルはほぼ全国共通です。ただし地域によって浅場から深場を狙うため、オモリ負荷に耐えられる竿とリールのタックル構成が必要です。
竿は手持ちスタイルで誘ったりしゃくったりするため、軽量で胴の確りしたものを選ぶのがポイント。また、リールはPE2~3号を最低300メートル巻けるラインキャパが必要です。
船ヤリイカ釣りはプラヅノと呼ばれるプラスチック製の疑似餌で5本から12本の胴突き仕掛けで狙う釣り方が基本です。イカ専用の投入器を使用して仕掛けを投入するため、はじめは難しいと感じるかも知れませんが、慣れてしまえば誰でも簡単に釣ることができます。
船ヤリイカ釣りでは仕掛けの投入と手返しが肝心!
ここでは全国で通用する基本のタックルと仕掛けについて解説します。エリアや釣り場に応じて仕掛けを変えるだけ。仕掛けは胴突き5本針をベースに、自信のある方は8本針や12本針などアレンジするのもさまざま。あとは水深に応じたオモリを付けて仕掛けを投入するだけです。
投入した仕掛けをいかに手際良くさばき、仕掛け投入➜ヒット➜仕掛けの回収➜仕掛け再投入といった一連の流れを、いかに円滑に行うかが重要な基本動作となります。
■ヤリイカ釣りのタックル
①竿(ロッド)
竿はオモリ負荷80~150号で、9:1や8:2の先調子で胴がしっかりした穂先の感度が良いものがおすすめです。長さは2m前後が理想。初心者や入門者はなるべく取り回しの良い、軽くて短めの竿を選ぶと良いでしょう。
オモリ負荷が100~150号の汎用船竿でも代用は可能です。ただし6:4や7:3調子はヤリイカのアタリを取り辛く扱いにくいため、初心者にはおすすめ出来ません。またライトゲームロッドなども船ヤリイカ釣りには不向きです。
➁リール
リールは軽めの小型電動リールがおすすめです。地域や時期によって異なりますが、船ヤリイカ釣りのタナは水深100~200メートルの海底付近。しかも一日中手持ちで狙うためなるべく軽量のものを選びましょう。
ダイワならレオブリッツ300シリーズやシーボーグ300。シマノであればフォースマスター200シリーズがおすすめです。電動リールは他の船釣りとの汎用性も考えて、長期間使用することを前提に購入するのがおすすめです。
道糸はPE2~3号を最低300m以上巻いておくと、高切れ等のライントラブルが発生しても釣りが再開できるので安心です。
■ヤリイカ釣りの仕掛け
船ヤリイカ釣りの仕掛けは、水深に合わせてオモリ100~150号を付けた5本~12本針の胴突き仕掛けです。オモリのサイズは船宿で指定されることも多く、事前に確認しておくとスムーズに実釣に入れます。
船ヤリイカ釣りの場合、潮況に応じて道糸と仕掛けの間に中オモリやヨリトリリング等を接続します。
ただし、あくまでも釣況や潮況によって付けたり外したりするので、釣行当日に2~3種類持参して、船頭にアドバイスを仰いだ方が賢明です。
船ヤリイカの仕掛けは、初心者や入門者には市販のものや船宿で販売している仕掛けがおすすめです。とくに初めてヤリイカ釣りをする方は5本針を選びましょう。
プラヅノのサイズは11~14cmが標準です。カラーもピンクやブルー、パープルなどさまざまですが、仕掛けの中間にマルイカ用の7cmの赤白色のスッテが入っているセットがおすすめ。とくに乗りが渋いときに思わぬ効果を発揮してくれるでしょう。
■船ヤリイカ釣りの仕掛けの種類
船ヤリイカ釣りはタックル選びも大切ですが、プラヅノを使用した仕掛けの設定が最も重要です。
プラヅノの長さは11cmから14cmが一般的で、11cmのプラヅノが標準サイズです。初心者であれば針数の少ない5本針がおすすめですが、少し慣れてきたら8本針や10本針に挑戦してみるのも良いでしょう。
ハリ数を増やすことによってより広い「当たりダナ」を探ることが可能です。単純に5本針だと5メートル。10本針だと10メートルのレンジを探ることができ、より高確率でヤリイカをGETすることが可能になるからです。
当然のことながら、ハリ数を増やせば投入時に手前まつりのリスクも高く、仕掛けの回収時も難易度が高くなるため、ハリ数(ツノの数)を徐々に増やすこともヤリイカ釣りの上達の一歩です。
船ヤリイカ釣りの仕掛けは他のイカ釣りと同様、潮況に応じて3通りのパターンあります。
①ブランコ仕掛け・➁直ブラ仕掛け・③直結仕掛け
マルイカ釣りでもご説明したように、船イカ釣りでは、釣況や潮況に応じて仕掛けのシステムを変えることも大切です。ただし各々の仕掛けには一長一短があるため、基本はブランコ仕掛けで慣れてきたら変更してみると良いでしょう。
船ヤリイカ釣りの仕掛け
① ブランコ仕掛け:最も一般的な仕掛け。投入および回収には注意を要する。投入器が必要。
➁ 直ブラ仕掛け:潮流の影響は少なくアタリは明確に出る。投入器が必要。
③ 直結仕掛け: アタリは明確でサバ等の外道対策に有効。ただしバラシの確率も高い。
■仕掛けの投入と投入器について
船ヤリイカ釣りでは、仕掛けの投入が最も大切な基本動作です!
5本から10本のカンナが付いたプラヅノを円滑に投入することが、ヤリイカにファーストコンタクトするための第一歩といっても過言ではありません。これは他の船釣りと際立って異なる点です。
仕掛けの投入には、投入器やマグネット板などイカの仕掛けをスムーズに投入するための器具を用いるのが一般的です。投入器はハリ数分が筒状に並べられたイカ専用の投入器やマグネット板に張り付けるタイプなどがあります。
仕掛けのセットはかならず風上(船首)から風下(船尾)の順番!投げ込む効き手も考えて!!
仕掛けはオモリ側の方から順番にセットしていきます。ここで順番を間違えるととんでもない事になるので要注意。船の移動中に風等の影響でハリスが絡んでいることもあり、投入前に再点検しましょう。問題がなければ、
オモリを持ったら軽く前方に投げ込みましょう!
投入器やマグネット板は、ヤリイカを狙う船宿であればたいてい常備されているため、自分で用意する必要はありませんが、念のため船宿に確認しておく方が良いでしょう。
地域別ヤリイカの釣り方・攻略法とおすすめの釣り船
それでは全国の地域別のヤリイカ釣りの釣況や釣り方、攻略法について解説します。
船ヤリイカ釣りは基本的に底(ボトム)付近を狙う釣りです。しかし地域や季節、状況によって底から10メートルや30メートル上まで探ることも珍しくありません。まずはしっかりと底ダチとることが船ヤリイカ釣りの基本です。
すでに東京湾の洲崎沖や駿河湾の石花海ではスタートしていますが、これから冬にかけて最もピークを迎えるヤリイカ釣りはいよいよ本格シーズン到来です!
地域(エリア)によって釣り期や釣り方、仕掛け等は異なります。実際に現地の船長にヒヤリングした内容を踏まえ、各地域のヤリイカ釣りのポイントを解説します。
■福島県(相馬沖~小名浜沖)
①傾向と見通し
福島県沖でのヤリイカ釣りは近年盛んになりはじめた釣りです。海水温の影響でヤリイカの群れが茨城方面から北上してくるため、年々水揚げが増えるようになったことに起因します。このため他のエリアよりもスタートが遅く、春先から6月前半にかけてがヤリイカの釣り期となります。
例年4~5月頃は何とトップ1束(100杯)超えで船中500杯!
ここ数年、大爆釣を記録している福島沖の船ヤリイカ釣りですが、日によってムラが激しいのも現実。もっともヤリイカ釣りの宿命ともいえるので、こればかりは何とも言えませんが。
ポイントは北は相馬沖から南は小名浜沖にかけての太平洋岸一帯。水深は35~120メートルと浅場がメインで初心者でも比較的狙いやすいエリアです。
ただし船によっては浅場を主体に狙ったり、日並み次第で深場へ遠征するため、事前に船宿に確認しておくと良いでしょう。
福島エリアは船ヤリイカ釣りのポイントとしては未開拓なだけに今後が楽しみ。とくに春季にヤリイカを釣りたい方には間違いなくおすすめです!
➁対策&攻略法
福島沖の船ヤリイカ釣りは基本タックルでOK。オモリは船指定の号数もしくは60~100号を場所や潮況によって使い分けるのが標準です。またイカメタルやオモリグで狙う場合は15~40号があればゲームが成立します。
釣行当日のヤリイカの活性によって、ブランコ(直ブラ)仕掛けか直結仕掛けを選択するのがおすすめです。乗りが良いときは直結仕掛けで手返しで数を狙い、乗りの渋いときはブランコ仕掛けで一杯一杯を丁寧に釣ることが大切です。
オモリグは潮の速いときや乗りの渋い状況に有効で、三陸沖や若狭湾などで盛んに行われている釣り方です。基本的には、リーダーとエギ(餌木)の中間に中オモリを接続し誘いをかけて狙います。
エギは通常タイプのものから、鶏のササミなどを巻き付けるエサ巻きエギなど種類も豊富。とくに大型のヤリイカを狙いたい方にはおすすめです。
オモリグの釣り方は、船べりから軽く前方にキャストしオモリが着底したら、竿をしゃくりながらヤリイカのいるレンジを探っていきます。底から20~30メートル上まで探ったら、再びフォールさせてしゃくり巻きの繰り返し。イカがヒットしたレンジを集中的に探るのがコツです。
③福島相馬沖~小名浜沖でおすすめのヤリイカ船
福島県相馬~小名浜沖エリアでおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!
■茨城県(日立沖~鹿嶋沖)
①傾向と見通し
茨城県の船ヤリイカ釣りは、1月後半頃に鹿嶋沖からスタートして、その後大洗や日立沖へと北上するのが例年のパターンです。釣り期は5月頃までと長く、2月から4月の約3ヶ月間がトップシーズンとなります。
茨城エリアのヤリイカは何といっても数・型ともに釣れるのが魅力!
日並みでトップ100杯超の釣果も決して夢ではありません。またシーズン後半になるとパラソル級のジャンボサイズがぐいぐいと竿を唸らせてくれるため、盛期には全国から大勢のヤリイカファンが集う大人気スポットです。
毎年トップ150杯の好釣果でクーラー満タン!
ポイントは日立沖から鹿嶋沖にかけての一帯。釣り場や時期などにより、航程40分から1時間ほどでタナは40~80メートルを狙います。ほぼ全域にわたり浅場のポイントが中心で、初心者にとっても船ヤリイカ釣り入門には格好の場所です。
シーズン盛期には釣り人の数も多く、土日祝日は予約を取れないこともしばしば。遊漁船も3隻~4隻出しと大賑わいの茨城県沖の船ヤリイカ釣り。釣り期はまだまだ半年先ですが、船ヤリイカ釣りデビューを目指すならイチオシのエリアです。
➁対策&攻略法
茨城県沖のヤリイカ釣りはタックル&仕掛けは基本型。プラヅノ11cm5~6本針のブランコ仕掛けにオモリは100号から120号がスタンダード。とにかく手返し良く釣ることが肝心で、状況次第ではイカメタルで攻めてみるのも面白いと思います。
当エリアでは潮流が速いことも多く大型も多いため、道糸はPE3号にハリスも3号と太めの仕掛けで臨むのがおすすめ。ツノのカラーはピンク、ケイムラ、ブルーを基本として、黄色、ピンク等に加えて赤白の布巻きスッテが1本交じっているものが鉄板です。
茨城沖の船ヤリイカ釣りでは、船長の指示は「底から〇メートル」ではなく、「上から〇メートル」というのが標準です。したがって仕掛け投入後に道糸のマーカーもしくはリールのカウンターをしっかり確認しなければなりません。
船長の指示ダナよりも10メートルほど上で仕掛けを一旦ストップし、そこからゆっくり仕掛けを指示ダナまで落としていく釣り方が効果的です。アタリがなければしゃくり巻き上げ再び仕掛けをゆっくりフォールするイメージです。
活性が高いときは、イカが乗ったと感じても、さらに追い乗りをさせて多点掛けを狙いましょう!
③茨城日立沖~鹿嶋沖でおすすめのヤリイカ船
茨城県日立沖~鹿嶋沖エリアでおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!詳細は各船宿にご確認ください。
■千葉県(外房飯岡沖~勝浦沖)
①傾向と見通し
千葉県外房エリアはヤリイカ釣りの盛んな場所で、例年シーズンを迎える1月頃になると全国から多くのファンが訪れる人気スポットです。おもなポイントは銚子沖や飯岡沖から大原沖・勝浦沖にかけての水深120~200メートルと深場。盛期は水深50メートル前後の浅ダナで釣れることもあるそう。日ムラはあるものの、堅実な釣果が望めるのも外房エリアならではです。
釣り期は12月後半から翌年4月頃まで。1月から2月の厳寒期がトップシーズンですが、日並みさえ良ければ50杯以上の釣果も大いに期待されるエリアです。しかもシーズン後半はパラソル級のジャンボヤリイカが勢ぞろい。
千葉県外房エリアはヤリイカの群れも濃く安定した釣果が魅力です!
ただし同じ千葉県外房エリアでも、北部の銚子・飯岡エリアと中部の大原エリア、そして南部の勝浦・鴨川エリアでは釣り期がそれぞれ異なるため注意が必要です。
また、冬場になるとヤリイカを専門に狙う船だけでなく、旬の寒サバなどとのリレー船も多く出船しており、楽しみ方はさまざまです。そのぶんサバに邪魔されることも多いのが悩みの種。仕掛けは多めに用意しておきましょう。
➁対策&攻略法
千葉外房エリアの船ヤリイカ釣りは港から航程1時間前後の水深120〜200メートルの深場を狙うためオモリは150〜200号を使用します。仕掛けは11cmのプラヅノ5本針のブランコ仕掛けが基本です。ただし外道のサバ対策として、直結仕掛けも必ず2~3セット用意しておきましょう。
トップシーズンとなる冬場は北風が強かったり、波が高いといったタフなコンディションの日も多く、ツノの数はなるべく少ない方が仕掛けの投入が楽です。初心者は5本針でベテランの方でも8本針までがベストです。
船ヤリイカ釣りでは、時合つまり活性の高い時間帯に、ヒット➜取り込みの手返しをいかに早くこなして数を稼ぐかが釣果を左右する大きな要因です。
誘いやしゃくりも大切ですが、いかにヤリイカのいるタナに仕掛けを送り込めるかが最優先課題です。底ダチを取ったら仕掛けをゆっくり巻き上げ、まずはヤリイカの遊泳層をいち早くつかむように心がけましょう。
盛期に基本に忠実に釣れば初心者でも20パイ以上は手堅く釣れる千葉外房エリアの船ヤリイカ釣り。シーズンインはまだ先ですが、大型のパラソル級を数狙うためにこれから周到な計画を立ててみるのもおすすめです。
③外房銚子・飯岡沖~勝浦沖でおすすめのヤリイカ船
千葉県外房エリアでおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!詳細は各船宿にご確認ください。
■東京湾(洲崎沖~剣崎沖・城ヶ島沖)
①傾向と見通し
東京湾の船ヤリイカ釣りは冬を代表する人気ターゲット。10月頃からぽつぽつ釣れ始め、翌年5月頃までと釣り期は長く、周年出船している船もあるほど。盛期は12月から2月と冬の真っ只中ですが、どのポイントにもヤリイカ釣りの船団ができて活況を呈しています。
ポイントは房総半島先端の洲崎沖から神奈川県剣崎沖や城ヶ島沖にかけての一帯。航程30分~50分程度の水深120~200メートルの深場を狙います。今年はすでに9月頃から出船しており、
直近の釣況は、爆釣はないものの平均10~20パイと安定した釣果!
また一部の船では、釣れたヤリイカを泳がせてブリ(ワラサ)やカンパチなどの端物狙いもあります。欲張りな方には、ヤリイカの泳がせ船もおすすめです。
これから本格シーズンを迎える東京湾の船ヤリイカ釣り。日並みによっては大ブレークすることもあるので今後の動向が見逃せません。日頃の釣況はつねにベンチマークしておきましょう。
➁対策&攻略法
東京湾の船ヤリイカ釣りは基本タックル&仕掛け。総じて水深100m以上のタナを狙うため、潮況に合わせてオモリは120~200号を使用します。道糸はPE3号、仕掛けはプラヅノ11cm5本針のブランコ仕掛けがスタンダードです。
サバなどの外道が多い場合は直結仕掛けがおすすめ。外房エリアと同様直結仕掛けを2~3セット用意しておくと良いでしょう。ただし直結仕掛けは船の揺れによってアタリがとりにくく、ラインが緩んでバラシてしまいがちです。直結仕掛けで狙う場合は、つねに道糸のテンションを張り気味にすることが大切です。
またプラヅノにはレッドヘッド(赤白)の布巻きツノを入れておくのが効果的。実際私自身がヤリイカ釣行したときも赤白の布巻きスッテにしかイカが乗らないというケースも多々あります。自信がある方であれば8本~10本針で、このうち2本を赤白の布巻きスッテを入れておくのがおすすめです。
東京湾のヤリイカ船はレンタルタックルを常備している船も多いため、初めてヤリイカ釣りをする方でも防寒着とクーラーボックスさえ用意すれば手軽に楽しめます。オモリや仕掛け等は事前に船宿に確認しておけば安心して釣りが楽しめますよ。
③東京湾(洲崎沖~剣崎・城ヶ島沖)でおすすめのヤリイカ船
東京湾(千葉県・神奈川県)でおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!詳細は各船宿にご確認ください。
■相模湾(沖の瀬~初島沖)
①傾向と見通し
相模湾の船ヤリイカ釣りのポイントは、東京湾口にある沖の瀬から茅ケ崎沖、二宮沖の瀬ノ海から西湘初島沖にかけてと広範囲で、出船場所もイカ釣り漁港として名高い横須賀の長井港から茅ケ崎や小田原早川港にかけて東西にわたり連なっています。
ここ数年不振気味だった相模湾の船ヤリイカも、今年は例年にない暑さの影響で水温も高めに推移しているためか、各地で早くも好釣果が続出しているようです。
日並み次第では大型混じりでトップ30杯オーバーも!
なかでも横須賀の長井港は全国でも屈指のイカ釣り漁港。東京湾口の洲崎沖から沖の瀬や江ノ島沖まで遠征しており、釣ったヤリイカで端物を狙うイカ泳がせ船もあるため、ビギナーからベテランまで多くのイカ釣りファンで賑わっています。
相模湾の船ヤリイカ釣りのトップシーズンは例年12月から翌年2月頃まで。日増しに釣況も上向調子で、今年の相模湾のヤリイカは大いに期待出来そうです。
➁対策&攻略法
相模湾の船ヤリイカ釣りは水深100~180メートルの深場を狙うのが一般的。他のエリアと比べて潮流も比較的穏やかなので、初心者でも非常に釣りやすいエリアです。タックル&仕掛けは基本タイプでOK。
相模湾や東京湾では、ヤリイカが乗ってくるタナは底から10メートルのレンジです。中小型は底から5メートルで、大型を狙うなら20メートルまでのレンジを狙ってみると良いかもしれません。仕掛けはブランコ式で、初心者は5本針がおすすめ。慣れた方でも8本針が理想です。
活性の高いときは、とくに着底したらすぐにアタリがある「着ノリ」のパターンも多いため、船の上下動にかかわらずヤリイカの繊細なアタリを見逃さないように軽く合わせるのがポイント。少しでも違和感を感じたら竿を少しだけあおってみることも大切な作業です。
また相模湾でも、赤白(レッドヘッド)の布巻きスッテはマストアイテム。5本針のうちの1本に、8本針のうちの2本に入れておくことが釣果をアップさせる秘訣です。
レンタルタックルも充実している相模湾の船ヤリイカ釣りは、都内からのアクセスも良くヤリイカ釣りデビューを飾るには最適な場所です。この冬は船ヤリイカ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか!?
③相模湾(沖の瀬~初島沖)でおすすめのヤリイカ船
相模湾(横須賀~小田原)でおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!
■駿河湾(石花海)
①傾向と見通し
駿河湾の沖合にある石花海(せのうみ)は全国でも屈指のヤリイカの好漁場!
釣れるヤリイカもパラソルサイズの大型が多く、まさに石花海のブランドイカとしての地位を確立し、あまたのイカ釣りファンにとって垂涎の人気スポットです。
出港場所となる沼津周辺から航程約2時間。早朝4時半頃に大型船で出船し道中仮眠をとり、ポイントに到着するのが6時頃と、遠征船ならではのヤリイカ釣りですが、そのぶん釣果はお墨付き。
駿河湾石花海のヤリイカ釣りは例年11月から年明け1月頃までが盛期。今年もすでに多くの船が出船しており、
日ムラはあるもののトップ20~30杯で好釣!!
石花海で釣れるヤリイカはジャンボサイズが多く、ツ抜け(10杯以上釣れる)すれば上々!石花海のヤリイカは大型で肉厚でいて繊細な食感が特徴なのです。
これから本格シーズンを迎える石花海のヤリイカ釣り。今年は水温も高めに推移しており、ヤリイカの乗りもますます上昇すると期待されます。
駿河湾石花海の船ヤリイカ釣りは遠征船のため、早朝3時半や4時集合とスケジュール的にタイトかもしれませんが、往復の道中はキャビン内のベッドでゆったりと仮眠をとることができるので安心。とはいえ、爆睡してしまわないよう注意しましょう。笑
➁対策&攻略法
駿河湾石花海のヤリイカ釣りは水深200メートル前後。状況次第で250メートル以上の深場も狙います。タックルは2m前後の専用竿に、リールは中小型の電動リール。道糸はPE4~5号とやや太めで、リールに300メートル以上は巻いておきましょう。
オモリは120~150号で、仕掛けはプラヅノ11cmの5~8本針が主流。ただし石花海では、
プラヅノはかならずWカンナ仕様を使用します!
石花海ではパラソルサイズの大型ヤリイカが多いため、プラヅノのカンナがシングルよりはダブルの方が身バレしにくいからです。ヤリイカ釣りに限らず、イカ釣りではあるあるですね。
釣り方は基本に忠実に!
オモリが着底したら糸フケをとって底ダチを確認したら、指示ダナまでゆっくり巻き上げながら誘い、アタリがなければ指示ダナの上から仕掛けを落とし込み誘い下げるの繰り返し。誘いはゆっくり小さくが基本です。
イカが乗ったら、活性が高いときは追い乗りを目指し、活性が低いときは一杯一杯を丁寧に釣り上げるスタンスが大切です。
③駿河湾(石花海)でおすすめのヤリイカ船
駿河湾(石花海)でおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!
■若狭湾(京都・福井)
①傾向と見通し
福井県から京都府にかけて広がる若狭湾は関西・北陸エリアを代表するヤリイカ釣り場です。若狭湾のヤリイカ釣りといえば、夜間集魚灯を照らす「漁火」で狙う夜釣りは冬の風物詩としても有名ですが、春先になると産卵のため浅場に接岸するイカが狙え、船ヤリイカ釣りは大変人気があります。
トップシーズンとなる冬場の若狭湾はシケの日も多く出船できるチャンスは少ないものの、出船出来れば好釣果も期待!
例年トップ100杯超の日も多く平均30~40杯と爆釣モード!
おもなポイントは福井県敦賀沖から小浜・三国沖や、京都府舞鶴沖から宮津沖にかけての一帯で、各港から航程30~50分の水深40~90メートルと浅場が主体です。
船ヤリイカ釣りの盛期は12月から翌年2月にかけてで、その後日中帯の実績が高い時期に入ります。冬場の出船時間は夕方5時頃からの半夜釣りやオールナイト船。3月頃から朝8時頃出船の昼ヤリイカ船も多いため注意が必要です。
若狭湾の船ヤリイカ釣りは今季も数・型ともに大いに期待!若狭湾のヤリイカは身も柔らかくて上品な味わい。盛期になると連日満船で乗れない場合もあるため、早めの予約がおすすめです。
➁対策&攻略法
若狭湾の船ヤリイカ釣りではイカメタルが盛んです。イカメタルは福島沖でご紹介した通り、鉛スッテと呼ばれるエギ(餌木)を使ったシンプルな仕掛けの釣りで、若狭湾はイカメタルの発祥の地ともいわれています。
大半のヤリイカ船ではプラヅノ5~8本針の胴突き仕掛けとイカメタルの乗船者は半々くらい。釣り座を分けて同じ船に乗船するため、予約時に事前に釣り方を申告しておきましょう。潮況によって釣果に影響が出る場合もありますが、どちらの釣り方でもほとんど大差はありません。
胴突き仕掛けはオモリ60~80号にプラヅノ11cmの5~8本針。イカメタルはメタルスッテ15~30号がスタンダードです。オモリや鉛スッテの号数は船で統一で指定されますのでかならず事前に確認しておきましょう。
若狭湾の船ヤリイカ釣りではイカリを降ろして船を固定するかかり釣りが一般的です。メタルスッテが着底したら素早く底を切り、リールを少しずつ巻きながらヤリイカのいるレンジを探ります。ヤリイカ釣りの場合は派手な誘いはNG。
冬場のトップシーズンの夜ヤリイカ釣りでは、夕方から前半にかけてはボトムを中心に、夜間暗くなりはじめたら徐々にタナを上げ、集魚灯に集まった小魚を捕食するために浮いてきたヤリイカを狙うのが基本的な攻め方です。
③若狭湾でおすすめのヤリイカ船
若狭湾(福井県・京都府)でおすすめのヤリイカ船をご紹介します。釣り方や仕掛けなど詳細は事前にチェックしておきましょう!
[adcode] 夏から秋にかけて人気の夜イカ釣りは全国各地で多くの釣りファンを魅了する釣りです。釣趣や食味もさることながら、日中の猛暑を避けて夕涼みがてら釣りを楽しむことが出来るため、夏場の暑い季節には最高の船釣りです。 一般的[…]
ヤリイカの処理と保存法
船ヤリイカ釣りは素早い手返しが肝心!なので、実釣中は釣り上げたヤリイカを丁寧に処理する時間がなかなかありません。そこで、まずは釣り上げたヤリイカは船に常備されているタルに入れて活かしておくのが一番手っ取り早い処理方法です。
釣れたばかりのイカを鮮度良く保ち美味しく食べるためには、釣り上げたヤリイカをその場で神経締めしたり、最近では活かしたまま持って帰れるパックを提供してくれる船もあります。
当日の釣況にもよりますが、ヤリイカの活性も高く大漁のときはジップロックにまとめて入れることもありますが、そうでないときは1杯1杯を傘袋(雨が降った日にスーパーの店頭にある)に包んで保管しておくのがおすすめです。とくに、
釣れたヤリイカと氷が直接触れないように注意しましょう!
ヤリイカの身は非常に繊細で氷に直接触れると身ヤケしてしまい、それだけで美味しさを損ねてしまいます。美味しく食べるならジップロックやビニール袋に包んでからクーラーボックスに入れて持ち帰るのがヤリイカ釣りの常道です。
またベテランの釣り人はタッパーなどにご自慢の漬けダレを入れて「ヤリイカの沖漬け」を堪能する方も多く見受けられます。出来れば沖漬けに出来るほどたくさん釣りたいものですが、こればかりは当日の釣況次第ということで、まずは新鮮なヤリイカの刺身・活き造りを食べることを目標にしましょう!