厳寒期。例年1月から2月にかけての2ヶ月間は全国的に寒い日が続き、一年で最も気温の低い時期を迎えます。関東では先日雪が降り、東京23区内でも5センチ前後積雪しました。まだまだ当分の間、厳しい寒さが続きそうです。
真冬になると、釣行回数も極端に減り、釣りに出かける足もつい鈍りがち!
とはいえ、1ヶ月も釣りに行けないとなると、禁断症状が出るほどのアングラーも大勢いるのではないでしょうか!?
もちろん、冬場はシーズンオフで、竿やリール・仕掛けなど釣り道具のメンテナンスに専念するという方もいらっしゃると思いますし、それはそれで充実したフィッシングライフを送れると思います。
私は、現在ではすっかり後者なのですが、かつては断然前者の方で、1週間釣りに行けないと気が狂うほどの釣りバカでした。苦笑
真冬の厳しい寒さのなか、雨の日も、風の日も、雪の日でも、釣りに出かけていました。
そんな生活を続けていくうちに、あれこれと試行錯誤しながら、真冬でも最大限身体を暖めて心地よく釣りができる術(すべ)を自然と身につけていったのです。そこで今回は、
真冬でも暖かく快適に釣りを楽しむための防寒着(対策)について解説します!
防寒対策は、ただ単に防寒着といった衣類だけではなく、頭の天辺からつま先までの装備品や、飲料・便利グッズなど、トータルでのメンテナンスが必要になります。
真冬の厳しい寒さでも快適に釣りができることによって釣果もアップし、楽しいご釣行をプロデュースいたします。
とくに釣りを始めようという初心者や入門者にとっては、これからウェアや装備品などを購入する際の参考にしていただけると幸いです。ぜひ最後までご一読ください。
防寒対策を制する者は釣りを制す
地域や時期にもよりますが、12月から2月までは「厳冬期」や「厳寒期」とも呼ばれ、一年のうちで最も寒い季節を迎えます。
しかしながら、海や山や川といった自然相手のアクティビティである釣りでは、寒さを感じる度合いが街中のアーバンエリアとは際立って異なります。
たとえば、冬の市街地で気温が10度だとすると、磯や堤防などのショア(陸っぱり)では体感温度は5度前後。さらに沖合(オフショア)では3度前後まで低く感じます。もちろん風向きや日照等の条件によって、±5度とかなり変わりますが、街中よりも寒く感じられます。
釣りでは11月から4月にかけての約5ヶ月間は防寒対策が必須です!
極論するならば、防寒対策は一年中必要だといっても過言ではありません。
釣りの最中どんなに暖かいと感じても、風が吹き始めたり、雲が垂れ込めたり、雨が降ってきたりと、天候が急変するため、夏場といえども防寒対策は必要です。
とくに冬場は低気圧の影響をモロに受け、気象条件はめまぐるしく変わります。つまり、
冬場の釣りは、どんなに防寒対策をしてもし過ぎることはない!
言い換えると、どんなにウェアを着込んでも着過ぎることはないということです。もし暑いとか暖かいと感じれば、あとは脱ぐだけで済みますが、逆に寒いと感じた時に着るものがないと致命的なのです。
また、ただの防寒着だけではなく、着用する順番や暖かさを持続させるための装備品など、ちょっとした工夫も必要になります。しかも、
釣りは動かないスポーツ!!
これがイチバンのネック。おなじ防寒を必要とするスポーツでも、スキーやスノボはアクティブに動き回りますが、釣りではせいぜい指先や腕、そして足腰を僅かに動かす程度。したがって、釣りは余計に防寒対策に取り組まなければならないのです。
冬場の釣りは、防寒を制する者は釣りを制する!!
ということで、実際の防寒着や装備品等冬場の防寒対策について詳しく解説していきたいと思います。
冬の防寒対策と防寒着・装備品一覧
これまで約30年間、陸っぱり釣りに始まり船釣りにいたるまで、真冬の釣りを経験してきたなかで、防寒対策はいろいろと試行錯誤を繰り返してきました。
その結果、晴れて穏やかな凪の日も、雨風が強く波高の日や雪の日などでも、あらゆるシーンで厳しい寒さと闘いながら釣りを楽しむことができました。つまり、
実際の経験に基づいた❝最強の防寒対策❞についてご紹介します!
防寒対策はTPOに応じたウェアや装備が必要になりますが、最終的にたどり着いた防寒対策がコチラです。
防寒着
防寒着のリストは、ざっと下の表に示した通りです。
これだけ揃えれば真冬でもポカポカ暖かく釣りを楽しむことができます。
インナー(肌着)はユニクロの極暖または超極暖が最強なので一択です。とくに真冬は、インナーの上に貼るタイプのカイロを適宜貼り付けるのをお忘れなく。カイロについては後ほど解説いたします。
冬用スーツは、アウトドアや登山用、作業用などさまざまありますが、釣り用に作られたダイワやシマノなどメーカー製のものの方が保温性に優れ、使い勝手も良いでしょう。また、
船釣りでは、フィッシャーマンレインウェアの上下は必需品です!
イカリ印(マリンレリー)のレインウェアは、防水・防雨・防風性能に非常に長け、冬だけでなく四季を通じて使用できる優れ物です。漁師さんや遊漁船の船長さんなど漁業関係者も愛用し、船釣りをする方には必携アイテムです。
ポイントとしては、釣行当日の天候などに合わせて、肌着などを追加したり脱いだり調整することと、
冬用スーツやレインウェアなどの上着は1~2回り大きめのサイズを選ぶことが大切です。
防寒着リスト・上(インナーからアウターの順番)
防寒着リスト・下(インナーからアウターの順番)
装備品
防寒対策は衣類だけでは成立しません。帽子や手袋(グローブ)、くつ下(ソックス)、ブーツなどの装備品を身につけることによって、さらに最強の防寒仕様に仕上げていきます。
ウェアなどの衣類は、自宅や前泊の宿泊先で着用するため、まず忘れることはないと思いますが、装備品類は現地に到着してから着用するため、うっかり忘れてしまうこともしばしば。
装備品類は冬の釣りの必需品なので、忘れないよう必ずチェックしましょう!
冬場の釣りに帽子はかならず着用。ネックウォーマーは要らないという方もいますが、酷寒時には非常に使えるアイテムなので用意しておくと重宝します。
手袋(グローブ)は、伸縮性が高く起毛素材で、釣り用の2~3本指出しタイプのグローブを推奨します。個人的には3本指出しタイプを使っていますが、ご自分に合ったものを選んでください。
靴(シューズ)はブーツ一択で、冬は膝下まであるロングタイプ。船釣りでは、朝一に船上が凍結して滑りやすいためゴム底のデッキブーツがおすすめです。また、靴下を2枚履きしたり、カイロを入れるため、
ブーツは通常より1サイズ上のものを購入するのがおすすめです!
カイロと貼る位置
冬の釣りはインナー(肌着)の上にカイロを貼ると絶大な効果を発揮します!
カイロは、衣類に貼るタイプや貼れないタイプなどさまざまあります。これまでの実績では貼るタイプがおすすめです。強いて言えば、エステー化学の「貼るオンパックス」がイチオシ!また、ブーツの中に入れるインソールタイプも足元を暖めるには最適です。ただし
カイロは貼る位置が大切です!(下図参照)
釣行当日の寒さに応じて、貼る箇所や枚数などを調節することが必要です。もちろん体感温度は暖かいにこしたことはありませんが、逆にアツ過ぎるのも考えもの。肝心の釣りに支障を来さない程度の枚数に留めておきましょう。
装備品リスト
その他防寒対策の便利グッズ
これまでは防寒対策の基本である防寒着や装備品などについてご紹介しましたが、ここでは防寒対策をさらに充実させ、冬の釣りをよりエンジョイするための便利グッズについて解説します。
今回ご紹介するグッズ類はマストアイテムではありませんが、これまで冬場の釣りを経験してきたなかで、実際にあると非常に便利なものばかりです。
①クーラーボックス(バッグ)
「えっ、冬なのにクーラーボックス!?」と思う方も多いかもしれません。真冬の場合は、あくまでも魚を入れる道具ではなく、水筒や食料などを入れるためのツールとして使用します。つまり、
冬のクーラーボックスは保温の役割を果たす最強アイテムです!
サイズは500MLのベットボトルが3~4本程度入る小型のものでOK。お湯の入った水筒や温かい缶コーヒー、お茶、おにぎりやサンドウィッチなど、モノを冷やさない道具としてかなり使えますよ。
②真空断熱タイプの携帯水筒
真空断熱の携帯用水筒は、冬の釣りの必需品といっても過言ではありません。
釣りの合間に、温かいお茶やコーヒーでひと心地つくというのも冬の釣りならでは。コンビニで買った缶コーヒーが釣り場に着く頃にはまたたく間にアイスコーヒーに、なんて冬の釣りあるあるですよね。
サイズは各種ありますが、釣り用には500ML前後がおすすめ。これをクーラーボックスに忍ばせれば最強です。
③スープジャー(ランチジャー)
もうひとつ揃えておきたいのがスープジャーです。スープジャーは水筒やランチジャーでも代用は可能ですが、スープジャーは広口なので、おにぎりやサンドウィッチなどの食糧を入れることが出来ます。
また、比較的短時間釣行であれば、お湯を入れてカップラーメンを作ることも。
ただし冬場の釣りでコーヒーやお茶を飲み過ぎるとトイレが近くなるためご注意ください。
④アルポット(湯沸かし・炊飯器)
船釣りの場合は、船内に湯沸かしやポット、電子レンジがたいてい常備されているため必要ありませんが、陸っぱり(ショア)では簡易コンロがあると非常に便利です。簡易コンロは、ガスバーナータイプやアウトドア使うコッヘルなどさまざまありますが、釣りに使うなら、
イチオシはダイワから発売されている「アルポット」です!
アルポットは防風内燃構造のため、強風下でも安心して使えるのが魅力!まさに陸釣り必携のアイテムといえるでしょう。
⑤ハンドウォーマー
衣類に貼るタイプのカイロとは別に、ハンドウォーマーや小型のカイロを上着のポケットのなかに忍ばせておくと、手指を暖め指がかじかんだりしないので、冬の釣りには欠かせないアイテムです。
ハンドウォーマーは寒さの中で仕掛け作りやエサ付けなどに非常に便利です!
おすすめはZIPPO社のハンドウォーマーで、ライターのオイルを使用して繰り返し使うことのできる優れ物。オイル1回の注入で12時間温かさが持続するため、沖釣りでも陸っぱりでも終日安心して使うことができます。
その他の防寒グッズリスト
冬の防寒着・装備品その他チェックリスト
冬の防寒対策について解説して参りましたが、いかがでしょうか!?
これまで一連で解説してきた防寒ウェアや装備品、便利グッズ等を揃えれば、真冬の厳しい寒さのなかでも大いに釣りを楽しむことができることを確約します。
もちろん、防寒着や装備品は趣味・趣向だったり、釣行当日の天候等に左右されるため、ご自分で自由にアレンジしていただけると幸いです。そこで、
冬の釣りの防寒対策(防寒着・装備品・その他)チェックリストを作成しました。
釣行当日あってはならないのが忘れ物!!
冬場の釣りでは、帽子や手袋といった装備品を忘れたら致命的です。
忘れ物を無くし快適な釣りを楽しんでいただくために、釣行当日のチェックリストとして、ぜひご活用ください。