2023年初釣り・南伊豆出船アブラボウズ釣り&前泊で温泉を満喫 20230105

2023年新春。毎年恒例となる南伊豆沖のアブラボウズ釣りに出かけました。この4年間初釣りといえば決まって超深海のターゲットであるアブラボウズ。とはいえ、結果はものの見事に4年連続「ボウズ」で、未だに型を拝んだことがありません。「今年こそは」と懲りずに挑戦し続けているターゲットなのです。しかも来週からタイへ行くため、しばらく日本での釣りはお預けです。数限られた釣行を何とか成功に導きたいものです。5度目のチャレンジはいかに!?

そもそもアブラボウズという魚自体あまり馴染みがない方も多いと思いますので、ここで簡単にご説明します。アブラボウズは水深700~1,000メートルの深海に棲息し、体長1.8m・最大で100kg超にもなる「深海のモンスター」です。おもに福島・茨城・外房から駿河湾にかけて超深場釣りの魚種として隠れた人気ターゲットなのです。その名の通り脂肪(油)分が多い魚ですが、その白身は大トロに匹敵するほど美味。とくに釣り期も味の旬も冬場がメインのため、いま時期のアブラボウズは絶品!こんな美味そげな魚を釣らないわけにいきません!笑

前日の午前10時過ぎに自宅を出発、久しぶりに車での釣行です。国道134号をひたすら西へと走ります。前日まで箱根駅伝で賑わっていた沿道もさすがにひっそりとした感じ。それにしても絶好の晴天で気分は爽快!フロントガラス越しに真正面にそびえる富士山の雄姿が、好釣果の予感を告げているかのようです。車は西湘バイパスへ入りさらに国道135号を南下して一路下田方面を目指します。

箱根駅伝と同様、私にとっての新年の恒例行事とはいえ、左手に望む大島や利島など伊豆七島の風景を眺めて、否応なくテンションが上昇して期待値と興奮度が高まりつつ快適なドライブを楽しみながら、ドキドキ・ワクワク感がはち切れそうな気分で車を走らせるのでした。

伊豆方面の船釣りは前泊して温泉や料理も満喫

温泉

今回は前泊しての釣行。以前は夜中に出発して早朝未明に現地着なんて強行軍をよくしたものですが、さすがに体力的にもキツイので、ここ数年はのんびりと温泉と料理を楽しみながら釣行するパターン。何といっても伊豆半島の釣りは、漁港と温泉地が隣接しているため、釣行前後に温泉や美味しい海の幸や山の幸などを一緒に堪能できるのが最大の魅力です。

伊豆といえば箱根と並ぶほど観光地として有名ですが、それだけに道中名所旧跡に立ち寄ったり、日帰り温泉に浸かったり、名産品を買い物したりと釣り以外の楽しみが盛り沢山あるのです。

また、ホテル・旅館・民宿など宿泊施設も充実。一泊二食付きで大人一人¥10,000~とリーズナブルな料金で宿泊することも可能です。ただし前泊の場合は一泊夕食付きのプランがベスト。翌日は早朝釣行となるため残念ながら朝食は船上となるからです。もっとも事前に申告しておけばお弁当にしてくれる施設もあるので、予約前に確認しておくと良いでしょう。

というわけで、この日は途中でエサを購入したりコンビニに立ち寄ったりして、午後3時前にようやく南伊豆の宿に到着しました。受付を済ませてしばし部屋で寛いだあと、さっそく温泉大浴場へと向かいます。ナント大浴場は貸切り状態!たまにはこんな贅沢も良いですよね。

料理

たっぷりと温泉を満喫したあとは、お酒も入れつつ仕掛け作りに取り掛かります。翌日の釣果に期待を馳せながら仕掛けを作る時間って、もう至福の時間なんですよね。

南伊豆のアブラボウズ釣りは基本的に1本針のため、仕掛け作りも至って簡単。3組作れば事足りると思います。黙々と作っているうちに早くも夕食の時間がやって来ました。毎度のことながら、釣行前日の夕食はなるべく早めに済ませるのが鉄則です。

そういう意味では、ホテルや旅館の夕食時間って早いので好都合。部屋食にしていたため午後6時前には仲居さんが配膳してくれました。テーブルの上にずらりと並ぶ料理の数々。これで一泊¥12,000ですからお値打ち感はスーパーヘビー級です。伊豆にはこうした宿泊施設がたくさんあるのです。

伊豆方面へのアクセス

伊豆半島は東伊豆・南伊豆・西伊豆そして中伊豆とフィールドは広範囲です。電車など公共の交通機関での釣行ももちろん可能ですが、やはり自由に楽しむには車での釣行が断然おすすめです。都内からもアクセスは抜群!しかし土日祝日は渋滞するためルート選びも肝心です。ここでは伊豆方面のおすすめルートをご紹介します。

伊豆方面への行き(往路)は西湘バイパスおよび小田原厚木道路を経由して国道135号へ入るルートが一般的です。平日祝日問わず本ルートはごく一部の地域を除いて渋滞しないため最もおすすめです。

問題は帰り(復路)のルート選びです。平日はそのまま135号を北上するルートでも構いませんが、状況次第では熱海や小田原辺りで渋滞することもしばしば。また土日祝日の大渋滞は必至です。

そこで私のイチオシは中伊豆ルートです。南伊豆方面からであれば国道135号を河津方面へ左折して修善寺方面へ、右方向へ折れて大仁へ向かい伊豆スカイラインの山伏峠へ入ります。さらに箱根ターンパイクを使用すれば小田原厚木道路・西湘バイパスの基点へあっという間に到達できるのです。

個人的にも時間優先と考えている方には最強のルートですので、ぜひご検討ください。

アブラボウズ釣りのタックルとエサ

さて、南伊豆でのアブラボウズ釣りにはエサ釣りとジギングの2つのスタイルがあります。前者はイカを使用して一本針で狙う釣りで、後者は1,000g以上のメタルジグをスロージギングといわれるスタイルで釣る釣りです。最近は若年層を中心に深場のキンメ・アカムツからアブラボウズまで何でもジギングで狙う方が増えているようです。

とはいえ私にはとうてい至難の業。てことで、ここはエサ釣り一本勝負です!

タックル

竿は最低でも2kgのオモリが背負える深場用ロッド。硬めの先調子で魚が掛かったら粘りがあるものがおすすめです。水深500~800mと深海を狙うため感度の良いものを選びましょう。リールはPEライン10号以上を最低1,000メートルは巻ける大型電動リールがマストとなります。これは水深800メートルの釣り場でも潮の速いときはラインが200メートル以上出てしまうためです。またオマツリ等で高切れする場合も想定してなるべく大型のものを使用しましょう。

南伊豆のアブラボウズの仕掛けは、ミキイト50~60号3~5メートル・ハリス30~40号1メートルで捨て糸は18号3メートルを使用します。ハリはネムリムツかクエ針の30号で、南伊豆では一本針のスタイルが主流です。チモトはかならず強化チューブで補強しておきましょう。またタコベイト(とくにグリーン系)も有効です。

ミキイトの代わりに大物用のクッションゴムを使用しても構いません。水中ランプを付ける場合もありますが、サメなどのエサ取りを寄せてしまう場合もあるためケースバイケースで使用します。

エサ

アブラボウズ釣りのエサは冷凍のヤリイカかスルメイカの一匹掛けです。以前から船長曰く「なるべく新鮮なものを」とご指導をいただいていた通り、今回は満を持して特エサを用意しました。往路、伊東市内で「活きイカ」を購入したのです。あいにくヤリイカは無かったのですが活きたスルメイカを購入することが出来たのです。

もっともアオリイカ用のバッカンで保管していたのですが、実釣時にはほぼ弱りかけていたので結果的には冷凍エサに頼らざるを得なかったというのが実情です…涙

実釣!

開始

午前6時半河岸払い。乗船者はわずか3名。いささか拍子抜けしてしまいましたが、一名はジギングで私を含め二名がエサ釣りです。東の空から太陽が昇りはじめ本日も青空が広がる絶好の晴天。みるみると遠ざかっていく伊豆半島を眺めながら、新年の新たかさと久しぶりの船釣りに気分も高揚します。

およそ1時間後船がスローダウンして潮回りを始めました。いよいよ実釣開始です。あとは船長の合図を待つばかり。程なく「艫から順番に投入してください!」の号令がかかりました。私は二番目の投入です。そして、新年の初投入っ!

リールのスプールがカラカラと回転して、道糸がどんどん海のなかに吸い込まれていきます。その様子を眺めながら初投入後の一服に浸ります。相変わらずこの瞬間は何とも言えない至福の時ですね。

「水深630メートル」という船長の指示をもとにリールのカウンターを注視します。が、630メートルを超えても一向にスプールの回転は止まらず道糸が出ていきます。こんな時役立つのが先行で投入した方のアクションです。しばらくして先に投入した方が電動リール音を唸らせました。リールのカウンターは既に700メートル超えを示していました。

釣り方

アブラボウズ釣りは一回の釣行でわずか5~6投しか出来ない釣りだけに、一投ごとに慎重かつ丁寧に投入しなければなりません。またアブラボウズは底付近にいる魚のため、仕掛けが着底したら速やかに糸フケをとり底ダチをとったら、オモリが底トントンで待つのが基本です。

にしても、今回はいままで以上にアタリがありません。舳先でジギングの方が懸命にピッチ&ジャークを繰り返し、2投目で20キロ近いバラムツをゲットしました。しかしエサ釣りはほとんどアタリが無い状況です。

それにも増して、きょうは大潮回りのせいか潮が速いようです。仕掛けを投入した途端、右へほぼ水平方向に道糸が出ていきます。さすがにこれでは苦戦必至です。しかも、この季節特有の北西の季節風が吹き始めて、じっと待ち釣りのエサ釣りにとってはますますしんどい状況になってきました。

そして昼過ぎにラストの投入が終了しゲームオーバー。船中本命0尾で、ジギングでバラムツとメダイがそれぞれ一尾ずつという貧果に終わりました。

まとめ

2023年、新年のアブラボウズ釣りも見事に撃沈してしまいました。これで5年連続でボウズ達成です。アブラボウズ釣りは例年1~3月の冬季限定で釣り期も短いだけに、年に一度のイベントと意気込んで臨むのですが、またしても次年度へと繰り越しになりました。

モロコ(クエ)やベニアコウ、そしてクロマグロも釣り上げた私にとって唯一釣れない魚、アブラボウズ。相性が悪いのか、魚名が悪いのか、はたまた私自身の日頃の行ないが悪いのか、いずれにせよ「深海のモンスター」をぜひ一度は、自ら釣って拝みたいものです。

来週からタイに行く予定で3月には帰国しますが、チャンスさえあればすぐに出かけてみたいと思います。

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