今年も、神奈川県の東京湾や相模湾、静岡県の駿河湾一帯でマルイカ釣りが開幕したようです。以前は3月頃から始まったマルイカ釣りですが、近年では1月後半からスタートし、今年も各船で続々と釣果報告が聞かれるようになりました。
マルイカは「ケンサキイカ」また関東では「メトイカ」とも呼ばれ、ヤリイカやスルメイカとくらべて胴長が小型でずんぐりとした体型で、水深も60~120mと水深の浅い場所で狙えるイカです。ライトタックルで狙うため、初心者でも比較的手軽に楽しめる釣りです。
2023年今シーズンのスタートは、マルイカ釣りの盛んな三浦半島の船では日並み次第で平均20パイ前後と出だしはまずまずの状況です。また駿河湾でもマルイカに出船して手堅く釣果を上げているようです。
マルイカは群れで行動するためバタバタと釣れ始めると各船も軒並みマルイカ釣りに出船し始めます。これから本番を迎えるなので、要チェックしておきたい釣りのひとつですね。
釣りたてのマルイカは甘みがあってとても美味。なかなか鮮魚店やスーパーなどでは見かけないイカですが、新鮮なマルイカを食べられるのも釣り人の特権というものです。ぜひ一度マルイカ釣りにお出かけになってはいかがでしょうか!?
マルイカ釣りの仕掛けは3通り。手軽に楽しむなら直ブラ付掛けかブランコ仕掛けがおすすめ!
マルイカ釣りといえば、三浦半島の東京湾口や相模湾一帯、そして駿河湾の西伊豆~沼津一帯が有名です。三浦半島では日中の釣り、駿河湾では半夜釣りがメインでそれぞれ釣り方も異なります。
とくに駿河湾では「イカメタル」と呼ばれるウキスッテとメタルスッテを組み合わせる釣り方で、最近は若い人たちにも大人気。ただし「夜焚き」と呼ばれる半夜釣りがメインで、私自身経験がないため、今回は日中のマルイカ釣りにフォーカスします。
日中のマルイカ釣りは、おもに3通りの仕掛けで狙うことができます。①直結仕掛け、➁直ブラ仕掛け、そして③ブランコ仕掛けの3つです。今回は➁直ブラ仕掛けと③ブランコ仕掛けについて解説したいと思います。
というのも数年前、三浦半島のイカ釣りに関して腕利きの船長から、「直ブラかブランコがおすすめだべ~」と直々にご指導頂いた記憶がいまだに脳裏に焼き付いているせいかもしれません…。が、確かにその通り、ブランコ仕掛けに変えた途端イカが乗り乗りだったので船長直伝ということになります。
ここであらためて3つの仕掛けについて、簡単に以下の通り解説します。
❶直結仕掛け
スッテをハリス上で一直線に配列する仕掛け。手返しも速くアタリがよく出るのでベテラン向けです。その反面バラシが多いという難点があります。
❷直ブラ仕掛け
枝スを5mm~1cmだけ出した状態でスッテを配列する仕掛け。直結より反応は鈍りますが、潮の速い時などは遊びがあるためバラす心配が少ないので入門者におすすめ。
❸ブランコ仕掛け
浮きスッテを使い枝スを20㎝程度とる仕掛け。手返しは遅くなるもののハリスを長めに取るためイカが違和感を抱かず乗りが良い。
タックルと仕掛け
タックル
マルイカ釣りのタックルは、どの仕掛もすべて同じタックルでOKです。竿はマルイカ専用竿かライトゲーム用の竿で、長さも1.5~1.8mと短めの竿が初心者でも操作性も良く取り扱いもしやすいでしょう。また、食い込みの良さを重視して6:4調子か7:3調子の柔らかめの竿がおすすめです。
リールは浅場を狙うため、手巻きの小型両軸リールか電動リールでPE0.5~1号が200m以上巻けるもの。とくに初心者には巻上げのラクな電動リールをおすすめします。手巻きの両軸リールは操作性には優れていますが、つねに一定のテンションで巻き上げるイカ釣りではバラシのリスクも高くなるので注意が必要です。
道糸はPEの0.5~1号と細目のラインを使用します。なるべく潮流の影響を受けず、マルイカのアタリを鮮明にとらえることが出来るからです。マルイカ釣りは繊細な釣りのため、ライトタックルで感度の良いタックル構成が重要です。
仕掛け
直ブラ仕掛けもブランコ仕掛けも、多くのメーカーから市販のものが販売されています。手返しが肝心なマルイカ釣りでは、潮回りのたびに的確に仕掛けを投入することがまず第一歩です。このため予備の仕掛けは多めに用意しておくことを推奨します。
とくにサバなどの青物が掛かると船中はオマツリ騒ぎ!こうなると初心者にとって苦戦を強いられるのは必至です。念のためオマツリに強い直結仕掛けも保険として用意しておくと安心です。
もちろんベテランの方はエダスを交換するだけで十分!その日の当たりカラーに交換したり、ウキスッテをシンキングタイプに交換したり、スッテを自分好みにアレンジするのもマルイカ釣りの醍醐味といえるでしょう。
1.直ブラ仕掛け
上図の通り直ブラ仕掛けは直結仕掛けとブランコ仕掛けの中間的な仕掛けで、初心者や入門者にとっては最も扱いやすい仕掛けといえるでしょう。したがって、初めてマルイカ釣りをされる方は直ブラ仕掛けから始めてみるのが良いと思います。
スッテのサイズは5cm前後が基本です。直ブラ仕掛けの場合オモリの付いたスッテがメインですが、ウキスッテでも対応は可能です。またカラー選択も重要で、活性が高いときはどんなカラーでも食ってきますが、シーズン初期はおもに赤系。とくに赤&白、赤&緑、赤&黄色が実績があるようです。
ただし、あくまでも各個人の好みの問題ですので、事前に船長に確認しておくと良いでしょう。
2.ブランコ仕掛け
ブランコ仕掛けは、スッテのサイズが5~7cmと直ブラ仕掛けよりも長めです。またスッテのタイプもフロートタイプやシンキングタイプなどバリエーションを楽しめるのが魅力。またカラーもさまざまあるので、事前に当たりカラーの情報を入手しておくことをおすすめします。
仕掛けに関しては市販品もあり、また船宿でも購入できるので安心です。ブランコ仕掛けは初心者でも比較的スッテをチェンジしやすいので、できればスッテのカラーは赤系を中心にグリーンやレインボーなど5色ほど用意しておくと、マルイカ釣りの楽しみが倍増しますよ。
投入機およびマットについて
マルイカに限らずヤリイカやスルメイカ釣りなどの場合、投入機またはイカ角マットやマグネット板を使用します。これは仕掛けを投入する際に手前まつりを防ぎ、スムースに投入するための道具で船からのイカ釣りでは必ず必要です。
投入機やマットなどは船宿に常備されているため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
タックルと仕掛けおよびロッドホルダーやバッテリー等を所定の位置にセッティングしたら、出船前に投入機またはマット等も一緒にセットします。ここで肝心なのは投入機の位置です。
基本的には、自分が仕掛けを投げやすい位置で構いません。右利きの人もいれば左利きの人もいます。ただし、なるべく竿よりも潮下(風下)にある方が理想です。基本的なことになりますが、ポイントに着いたら船は舳先を風上に向けます。
つまり、右舷では竿よりも右側・左舷では左側ということになりますね。
また直ブラ仕掛け・ブランコ仕掛けの場合、スッテを投入機にセットする際はかならずカンナ(ハリの付いている部分)を下にして投入機に入れてください。
釣り方
さて、ポイントに到着しあとは船長の合図を待つだけです。この段階でオモリの投入準備を始めます。いつでも速やかに投入できるよう掌にオモリを握りしめてください。船からのイカ釣りは仕掛けの投入が最も大切です。ここでもたつくと、船中総スカン食らいますよ…。苦笑
投入開始の合図があったら、アンダースローで仕掛けを前方に投げ入れます。肩の力を抜いて軽く手前にボールを投げ入れる感じです。すると、仕掛けがスルスルと飛び出てオモリとともにスムースに水中へ落ちていくでしょう。投入後は手持ちで竿先を下へ向けて着底を待ちます。
オモリが着底したら糸フケをとりますが、活性が高いときはこの時点で乗っている「着乗り」が多いので注意が必要です。しばらく乗りがなければボトム付近でステイして、竿先を軽く上げて聞き合わせをすると良いでしょう。最低でも10秒ほど仕掛けを止めてイカに抱きつく時間を与えるのがコツです。
マルイカ釣りの場合、あまり派手にシャクったりして誘う必要はありません。マルイカは底付近にいるため、竿を煽るときも竿先が自分の目線くらいまでがベスト。あとは竿先の変化と糸フケの感触で乗り具合を確かめがら一連の作業を行なうと良いでしょう。
しばらく待ってもアタリが無い場合は「巻き落とし」が有効です。巻き落としとは、いったん仕掛けを10メートルほど巻き上げて再び仕掛けを落とし込んで着底させてリセットするやり方です。この方法は、マルイカ釣りに限らずアカムツ釣りや深場での釣り等に非常に有効なので、ぜひお試しください。
初期のマルイカ釣りの場合アタリは概して小さいもの。ですので、竿先や手元にわずかに異変を感じたら迷わず聞き合わせしてみると良いでしょう。イカの重さを感じたらそのまま道糸のテンションを維持しながら一定のスピードで巻き上げましょう。
水面まで浮いたイカは竿の弾力を利用して一気に抜き上げます。船上に用意されたバケツの上でイカの掛かったスッテを手に持ち、そのまま引っくり返せばマルイカはカンナから外れて簡単にバケツの中へ。
活きたマルイカは墨を吐かせた状態でジップロックなどのビニール袋に梱包します。このときクーラーボックスの氷に直接触れないように持ち帰ってください。帰路が1時間前後であれば、神経締めなどの必要もなく鮮度の高い状態で持ち帰れるでしょう。
おすすめの船をご紹介!
ここでは今シーズン好調な神奈川県・葉山鐙摺港の船をご紹介します。葉山鐙摺港はヨットの発祥地としても知られていますが、じつは船釣りのメッカなんですよ。葉山鐙摺港の船をリストアップしましたので、ぜひ一度お越しください。
都内からのアクセスも良く、車であれば1時間半程度で来れる場所です。日曜日には朝市も開催されるため、家族連れ等たくさんの人で大賑わい!近くには鎌倉などの観光名所や有名な飲食店もあり、休日をたっぷり満喫できると思いますよ。