いよいよ待望のクロダイの乗っ込みシーズン開幕!!
クロダイ(チヌ)といえば、陸っぱり釣りの代表格。磯や堤防、漁港や河口など、全国各地の陸っぱりで釣れるクロダイ(黒鯛)は、釣り人憧れの魚であり、美しい魚体と力強い引きは、多くのアングラーを魅了して止みません。
それだけでなく、きちんと野締めや血抜きなどの下処理さえすれば、淡泊で甘みが感じられる身は子供からお年寄りまで万人受けする味わいです。
クロダイ(チヌ)釣りというと、初心者にはハードルが高い釣りだと思われがちですが、決して難しい釣りではありません。
黒鯛(チヌ)は場所・時間・潮況・釣り方を把握すれば、誰でも簡単に釣れます!
TPO+H。TIME(時期・時間)、PLACE(場所)、OCCAISION(潮況)と、HOW(釣り方)さえマスターすれば、初心者や入門者でも釣れる確率は格段にアップします。
こうした条件に加えて、INFORMATION(情報)もクロダイ釣りのみならず、すべての釣りにおいて必須条件となるでしょう。つまり、黒鯛(チヌ)釣りでは、
T(時期・時間)+P(場所)+O(状況)+H(釣り方)+I(情報)
がもっとも大切です。が、ご安心ください!難しいことを述べるつもりはありません。
しょせん釣りは確率のゲーム。「乗っ込みシーズン到来!」によってクロダイ(チヌ)の釣れる確率が高まるシーズンがやって来たのです!
「TPOHI」を正確に把握することでクロダイ(チヌ)を釣る確率を高め、初心者や入門者でも簡単にクロダイ(チヌ)を釣るチャンスをプロデュースいたします。
黒鯛(クロダイ)を最短距離で釣るために、クロダイ(チヌ)釣りの時期、場所、釣り方や仕掛け、地域別の釣況などについて、基本的な事項を解説します。
クロダイ(チヌ)について
黒鯛(クロダイ)は、東日本では主に「クロダイ」、関西以西の西日本では「チヌ」と呼ばれており、地域によって名前が変わります。さらに黒鯛は出世魚で、関東では「チンチン➜カイズ➜クロダイ」、関西では「ババタレ➜チヌ➜オオスケ」と、成長段階によって呼称が変わるのが特徴です。
また釣り人の間では、50センチオーバーの大型の黒鯛を「年無し」と呼び、クロダイファンにとって憧れのターゲットとなっています。
クロダイは北海道から九州にかけての全国各地の沿岸に生息するため、全国区で釣りの人気ターゲットとして君臨するほどの大衆魚でもあり、誰もが一度は釣ってみたい魚のひとつといっても過言ではありません。
クロダイの産卵期は、おもに春から初夏にかけて。地域性もありますが、この時期は「乗っ込み」とも呼ばれ、産卵前後の大型の黒鯛が釣れるシーズン。秋を迎えると落ちクロダイが荒食いするため、全国各地の磯や堤防は多くの釣り人で賑わい、初心者でも高確率でクロダイを釣ることができます。
釣り人にとって人気のクロダイも、じつは市場価格はキロ500円前後と真鯛(マダイ)の半値以下。
意外にも安いと感じるかも知れませんが、流通量が存外多いことと、タイ系独特の磯臭さが強いため、飲食店や家庭の食卓でも好まれないことに起因しています。とはいえ、
釣りたてのクロダイは血抜きと神経締めで適切に下処理すれば超美味!
これぞまさに釣り人の特権といえるでしょう。たしかに魚屋にあるクロダイは血抜きなど下処理をしていないものが大半で、自身の経験上からも下処理の施されていないクロダイは不味いです。汗
刺身や洗い、カルパッチョから、塩焼きや唐揚げ、煮付けなどさまざまなレシピが可能。臭みが苦手な方は、昆布締めや漬け丼にしたりアラ汁やお茶漬けで食べてみるのもおすすめです。
クロダイ釣りは、時期(時間)や場所・ポイントに応じて戦略を立てることが重要です!
それこそがクロダイ釣りの醍醐味ともいえるでしょう。
ここでは黒鯛(クロダイ)を釣る第一歩として、初心者や入門者にも解りやすく解説します。今年こそクロダイを釣りたいとか、大物のクロダイを釣り上げたい方は必見ですのでぜひご覧ください!
クロダイ(チヌ)釣りシーズン展望と釣り場
クロダイは、北海道から九州の日本全土で釣れる魚です。磯や堤防、岸壁、漁港や河川の汽水域など、クロダイが釣れる場所は全国各地に数多く存在します。
クロダイ釣りは、第一に場所(ポイント)選びで決まります!
しかし近年では、立入禁止や釣り禁止のエリアが次第に増えてしまい、陸っぱりをメインフィールドとするアングラーにとっては、肩身が狭く厳しい状況を迎えているといっても過言ではありません。
とはいえ、こうした制約のなかでベストポイントを発見するのもクロダイ釣りの楽しさです。
全国でとくにクロダイ(チヌ)釣りが盛んなエリアは、東北の日本海側(秋田県・山形県)や宮城県、関東の千葉県外房から東京湾内房・三浦半島から相模湾一帯、伊豆半島、駿河湾から伊勢湾にかけての一帯、新潟から北陸にかけての沿岸域、関西の和歌山県から兵庫県にかけての全域、中国・四国地方の瀬戸内エリア、九州のほぼ全域、など多岐にわたります。
ただし、各々のエリアや地域、釣り場等によってクロダイ釣りの盛期もさまざまです。
クロダイ(チヌ)釣りの盛期はおもに年2回チャンスがあります。
一般的には、産卵前の乗っ込み期は3~6月、落ち前の荒食い期は10~12月とされますが、厳密には地域やポイントによってインターバル(誤差)があり、詳細は地域ごとの釣具店やローカルの釣り人から直に入手するのが最善の方法といえるでしょう。
まずはクロダイ(チヌ)がよく釣れる盛期に釣行することが先決です!
ここでは現況と例年のデータを踏まえ、全国のクロダイ(チヌ)釣りの傾向と対策をサマリーしましたので少しでも参考にして頂けると幸いです。
実際に釣具店等で釣況を確認し、クロダイ(チヌ)が釣れるタイミングを正確に把握した上で釣行することが、クロダイ(チヌ)を最短距離でGETする近道です。
クロダイ(チヌ)の釣り方
陸っぱり(オフショア)からクロダイを釣るには、おもに5つの釣り方があります。
ウキフカセ釣り、ダンゴ釣り、ヘチ(落とし込み)釣り、ブッコミ釣り、チニングと、さまざまな釣り方が確立されています。
ただしTPO(季節・場所・潮況)に応じた最適な釣り方を選択することが大切です。このうち、
ウキフカセ釣りとダンゴ釣りは、最もポピュラーでオールマイティです!
これからクロダイ釣りを始める入門者や初心者は、ウキフカセ釣りかダンゴ釣りがおすすめです。ウキフカセ釣りとダンゴ釣りは、陸っぱりのクロダイ(チヌ)釣りにおけるあらゆるシーンで通用する釣り方だからです。
それでは、はじめにクロダイ(チヌ)の5つの釣り方について簡潔に解説します。
①ウキフカセ釣り
ウキフカセ釣りは、磯や堤防、岸壁、漁港内などあらゆる場所において、四季を通じて楽しめる、全国のクロダイ(チヌ)釣りで最も「王道」ともいえる釣り方です。
基本は、棒ウキや円錐ウキを使用したウキフカセ仕掛けを潮に乗せて流し、コマセ(撒き餌)を撒いてクロダイを寄せ、オキアミ等のつけエサを喰わせます。
ウキフカセ釣りのメリットは、手前から沖目まで広範囲を、表層から底層までのタナを探ることができる点。デメリットは向かい風や強風時には釣り辛い点です。
②ダンゴ釣り
ダンゴ釣りは、ウキフカセ釣り同様、四季を通じてさまざまなフィールドで楽しめ、人気の高い釣り方です。ダンゴ釣りには、ウキを釣用したポピュラーな「ダンゴ釣り」と、筏や堤防からダンゴを落とし込む「ダゴチン釣り」があります。
基本は、集魚剤を混ぜて作ったダンゴを海中に投入してクロダイを寄せ、ダンゴの中に包んだつけエサを喰わせる釣り方です。
ダンゴ釣りのメリットは、つけエサとコマセを同調できるため集魚力が高いのと、ウキフカセ釣りにくらべてややエサ釣りに強い点です。デメリットは波の高い時や潮流の早い場所では不向きな点です。
③ヘチ(落とし込み)釣り
ヘチ釣り(落とし込み釣り)は、堤防や岸壁などの場所で際や手前に完全フカセでカニや貝などのエサをつけた仕掛けを落とし込む釣り方です。ヘチ釣りは、6月から8月にかけての夏場が最適のシーズンで、釣り場は水深のある堤防や岸壁などに限定されます。
ヘチ釣り(落とし込み)釣りのメリットは、夏場のクロダイに適した釣り方であり、タックルや仕掛けがシンプルな点。デメリットは季節や釣り場が限定されるのと、タテ✕ヨコの釣りで沖目などを狙うのができない点です。
④ぶっこみ釣り
ブッコミ釣りは、砂浜や堤防でイソメやユムシ(コウジ)などのエサをつけ、オモリのついた仕掛けを投げ込み、アタリを待つ投げ釣りです。おもに春から初夏にかけてが最適のシーズンで夜釣りが主体となります。
ぶっこみ釣りのメリットは、砂浜や河口部でのクロダイ釣りに適しており、遠投して沖目を狙うことも可能で、仕掛けがシンプルな点。デメリットはピンポイントで狙う待ちの釣りであることと、ポイントを熟知していないとヒット率が下がり難易度の高い点です。
⑤チニング
チニングは、ワームなどのルアーでクロダイを狙う釣り方で、手軽に釣りを楽しめることもあり、近年メバリングやアジングと並んで人気の高い釣り方です。おもに春から夏にかけての河口付近での釣りに最適です。
チニングのメリットは、何よりロッドとリール一式にルアーさえあれば完結する手軽さとゲーム性ですが、クロダイ(チヌ)を高確率でゲットすることはやや難易度が高い釣り方といえます。
タックルと仕掛け
クロダイ(チヌ)釣りのもっともポピュラーな釣り方はウキフカセ釣りかダンゴ釣りで、一部の地域を除いて周年全国的に行われている釣りでは、5分5分といっても過言ではありません。ましてや、
クロダイ(チヌ)を最短距離で釣りたい、という初心者や入門者はウキフカセ釣りかダンゴ釣りから始めるのがおすすめです。とはいえ、
ウキフカセ釣りとダンゴ釣りのタックルは同じです!
強いて言うならば、ウキのタイプやオモリの有無が異なる程度で、その他のハリス、ハリ等はまったく同じといっても良いでしょう。
基本的には、終日ロッドを振り続けても持ち重りがしない1~1.5号、長さ5~5.4メートル磯竿に、ドラグ性能に優れた小型のスピニングリール。道糸はナイロン2~3号100~150メートルを巻いておけば大丈夫。道糸はなるべく海面に浮くフローティングタイプを選択しましょう。
ウキは立ちウキ(棒ウキ)か円錐ウキの2タイプがあります。
立ちウキ(棒ウキ)は視認性が高く、ダンゴ釣りに適しており、円錐ウキはウキフカセ釣りに使われることが多いですが、初心者には立ちウキがおすすめです。立ちウキは自立タイプとそうでないタイプの2種類があるので注意が必要です。
ハリスは1.2~1.5号を中心に水深に応じて1~3ヒロほどとり、潮況に応じてガン玉を打ち、チヌ針の2~3号をセットするのが標準的な仕掛けです。
ウキフカセ釣りとダンゴ釣りは、それぞれ長所・短所があります。
ウキフカセ釣りは根の起伏が激しい岩礁帯での釣りが可能ですが、ダンゴ釣りは海底がフラットな場所での釣りが一般的です。
海底の起伏が激しい磯場や藻場などで果敢に攻める釣りを志向する場合はウキフカセ釣り、堤防や湾内などフラットな地形でどっしり構えて狙う場合はダンゴ釣りと、季節や場所に応じてクロダイ(チヌ)釣りを楽しむと良いでしょう。
■ウキフカセ釣りの基本タックル・仕掛け
■ダンゴ釣りの基本タックル・仕掛け
①クロダイ(チヌ)釣りにおすすめの竿
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りおよびダンゴ釣りのおすすめの竿をご紹介します。
磯竿にはアウトガイド(外ガイド竿)とインターライン(中通し竿)の2種類があります。基本的にはどちらのタイプでも構いませんが、
糸絡みが少なく風や雨などに強いインナーガイドタイプがおすすめです。
クロダイ(チヌ)を中心に中小物を狙う場合は1号から、メジナなどの大物も狙う場合は1.5号クラスを選択しましょう。
磯竿は磯場や堤防などで使用するため、キズをつけたり破損したりしやすい竿です。丁寧に取扱うことはもちろんですが、価格は多少高くても操作性や耐久性に優れるものを選びましょう。
➁クロダイ(チヌ)釣りにおすすめのリール
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りおよびダンゴ釣りでは小型のスピニングリールを使用します。
スピニングリールはドラグ機構で糸の出を調節するドラグタイプと、指先で糸の出を調節できるレバーブレーキタイプの2種類があります。
通常のウキフカセ釣りやダンゴ釣りではドラグタイプで十分ですが、メジナなどの大物にチャレンジしたいという方はレバーブレーキが付いているものがおすすめです。
サイズは、ダイワかシマノ製であれば、2000番か2500番クラスが最適です。
なるべく軽量でドラグ性能やボディ剛性の高いものを選びましょう。
③道糸(ライン)
道糸にはPEラインやナイロンやフロロカーボン製のラインがあります。また、ラインにはさまざまな特徴があり、おもに水に浮くフロートタイプと逆に沈むサスペンドタイプの2種類があります。
クロダイのウキフカセ釣りやダンゴ釣りではどれを使用しても構いませんが、
初心者や入門者にはナイロンラインがおすすめです。
とくにウキフカセ釣りをメインで行なう場合はサスペンドタイプ(海面下に沈む)、ダンゴ釣りをメインとする場合はフロートタイプ(海面に浮く)が良いでしょう。
サスペンドタイプは風の影響を受けにくいという長所があり、仕掛けを沈めるウキフカセ釣りに向いていますが、ダンゴ釣りではダンゴ投入後のウキを安定させる必要があるため、フロートタイプを用いるのが一般的です。
道糸はナイロン2~3号をリールのスプールに100~150メートル巻いておけば十分です。
■仕掛け
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りとダンゴ釣りの仕掛けはほとんど同じです。
基本は、ウキ+サルカン+ガン玉(オモリ)+ハリス+ハリ、のシステムで構成されます。
クロダイ(チヌ)釣りでは、季節・時間帯・場所・天候・潮況などに応じて、こうしたシステムを臨機応変にカスタマイズしていくことがとても重要です。
ですので、これらのツールは各々サイズ毎に2~3パターン用意しておくのが定石です。陸っぱりから狙うクロダイ(チヌ)釣りは繊細さが求められます。というのも、
陸っぱりのウキフカセ釣りやダンゴ釣りでは、仕掛けはタックル以上に重要な要素となるからです。
ここでは、クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りおよびダンゴ釣りの仕掛けについて、それぞれ解説していきます。
①ウキ
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りで、ウキはとても重要なツールです。
ウキには、おもに立ちウキ(棒ウキ)と円錐ウキの2つのタイプがありますが、
初心者や入門者は立ちウキ(棒ウキ)がおすすめです!
立ちウキ(棒ウキ)は視認性に優れ、魚がヒットした状況を明確に伝えてくれるため、クロダイ独特の繊細なアタリを忠実に表現してくれます。
立ちウキ(棒ウキ)には、海面で立つ自立タイプと、オモリ負荷によって立つ非自立タイプがありますが、潮流が速いときや風や波がある場所では自立タイプ、内湾などの穏やかな場所では非自立タイプと使い分けるのが良いでしょう。
立ちウキ(棒ウキ)は各メーカーからさまざまな商品が販売されていますが、なかでもオススメは
遠矢ウキ!!
遠矢ウキは、クロダイ(チヌ)釣りにおける、まさに立ちウキのベストセラー!
私自身、クロダイ釣りを始めて以来長年愛用してきたウキで、ダンゴ釣りではトータル100枚以上のクロダイを釣り上げた実績があります。
現在では販売する店舗も少なく価格もやや高めですが、いちど使ったら二度と他のウキは使えなくなるほど。入手すること自体非常に難しいウキですが、機会があればぜひ2本は購入しましょう。
②サルカン・ガン玉
サルカンは道糸とハリスを接続するツールです。俗に「ヨリモドシ」とも言われる通り、仕掛けの撚りを修正するものとして重要な役割を果たします。
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りでは、仕掛けを底層に沈めるため、サルカンとオモリが一体化したオモリサルカンを使うケースもしばしば。
サルカンとオモリやガン玉は、ウキのオモリ負荷とのバランスが大切!
自立タイプか非自立タイプかによっても異なりますが、サルカンとガン玉の重さがウキのオモリ負荷を超えてしまうとウキが沈んでしまい、逆に軽すぎてもウキが非自立タイプの場合は、ウキが海面で立ち上がりません。
また海況に応じて、海面でのウキのトップの出具合を調整することも必要です。
③ハリス(リーダー)
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りおよびダンゴ釣りでは、地域によってフロロカーボンの1~1.5号を使用するのが一般的です。
クロダイ(チヌ)はメジナ(グレ)とは異なり、ハリ掛かりしても根に向かって走る習性はないため、ハリス等は細めのものが使われることが多く、磯場などてもせいぜい2号位まででしょう。
ハリスは、なるべく根ズレに強く、強度の高いものを選びましょう。
④ハリ(フック)
ハリはチヌバリを使用するのが一般的です。関東ではおもにチヌバリの3号が標準。食い渋り時やエサ取りの多いときは、ワンランク小さめの1~2号を使用します。
おすすめは、OWNERオーナーのカットチヌシリーズです!!
オキアミエサや乗っ込み初期のエサ取りが少ない時期、また朝夕マヅメ時などはカット金チヌ。岩イソメなどの虫エサやサナギエサを使用する場合や秋の荒食い期でエサ取りが多い時期などはカット黒チヌが実績が非常に高いようです。
■その他用意するもの
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りおよびダンゴ釣りでは、コマセ(撒き餌)やダンゴを作成することで集魚効果を高めます。このためコマセやダンゴを混ぜて入れておくためのバッカンや、コマセを撒くためのヒシャク(柄杓)が必要です。
①バッカン
バッカンは、集魚剤や水等を混ぜてコマセやダンゴを作り、入れておくための道具です。また実釣終了後は、キレイに洗い流せば釣り具や仕掛けを収納するための道具入れとしても重宝します。
もちろんバケツなどでも構いませんが、EV製のバッカンは折りたたみ式で、軽量&コンパクトのため持ち運びも便利です。
バッカンのサイズは、実釣時間を半日と仮定する場合、40センチ前後のサイズが最適です。
バッカンは、釣りが終わったらかならずその場で汚れを残さず綺麗に洗い流しましょう。コマセの臭いは強烈なため、中性洗剤を使用して臭いや雑菌を残さないことが大切です。
②ヒシャク(コマセ柄杓)
ヒシャク(コマセ柄杓)は、コマセやダンゴを的確なポイントへ投入するための道具です。ダンゴ釣りではヒシャクを使わないケースもありますが、沖目のポイントに遠投する場合には有効なツールとなります。
ヒシャクはカーボンなど軽量の素材で柄の長いものがおすすめです。
クロダイのウキフカセ釣りでは、ヒシャクが無いと釣りが成立しないほど使用頻度が高い道具のため、頑丈なものを選ぶのがポイント。
また海への落下等を防ぐため、かならずバッカンと尻手ロープ等でつないでおきましょう。
エサ(つけエサ)
クロダイ(チヌ)は雑食性の魚で、さまざまなものを食べる習性があります。
エビやカニなどの甲殻類、イソメなどの多毛類、イガイ(カラス貝)やカキなどの貝類、ワカメや海苔などの海藻類、その他スイカやコーン、ムギ、サナギ、サツマイモなどと、食べれられるものは何でも食べてしまう大食漢です。
こうしたなか、
ウキフカセ釣りやダンゴ釣りでは、オキアミが万能なつけエサです!
とはいえ、季節や地域によって特エサを用意しておくことも必要。乗っ込み期は岩イソメなどの虫エサが絶大な実績を誇り、夏から秋にかけてはサナギやコーン、フナムシといった変わり種のエサでの実績も数知れず。
また配合エサをブレンドした練りエサはエサ取り対策にも有効で、秋の荒食い期に中層を狙う場合には絶大な効果を発揮します。
ここではクロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りで使われるエサについて、オキアミを中心に各種のエサを簡潔に解説します。
①オキアミ
オキアミは、全国どこでも通用するもっともポピュラーで最強のつけエサです。
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りでは、コマセ(撒き餌)にオキアミを使用することが多く、ポイントとしては、
つけエサのオキアミは、コマセで使うオキアミと差別化を図ることが重要です!
つけエサで使用するオキアミはLL~3Lなど粒の大きなものを使用し、あらかじめ実釣前に集魚剤やニンニクなどのエキスに漬け込んでおくと、オキアミが引き締まりエサ取り対策にも効果は絶大です。
つけエサ用のオキアミは自作することもできますが、各社からさまざまなタイプのオキアミが販売されているのでぜひお試しください。
オキアミのつけ方は以下の通りです。いちど慣れればハサミを使わず、誰でもカンタンにつけることができます。
②虫エサ
岩イソメや袋イソメ、はだかイソメやユムシ(コウジ)などの虫エサは、クロダイ(チヌ)釣りで最強のつけエサです。
ただし、現在は入手するのが困難でオキアミに比べて値段が高いのが難点。
時間的に余裕があれば、大潮や中潮の干潮時に地堀りして採取するのがおすすめですが、初心者や入門者にとってはかなりハードルが高いでしょう。
虫エサは、乗っ込み期など底付近を攻めるクロダイ(チヌ)釣りに絶大な効果を発揮し、季節や地域によってはオキアミ以上に釣れる最強のエサです。
③サナギ・コーンなど
サナギやコーンなども、クロダイ(チヌ)釣りで効果的なつけエサです。
とくに夏から秋にかけてのクロダイ(チヌ)釣りには欠かせないつけエサといっても良いでしょう。
サナギは釣りエサ専用で釣具店等で販売されており、コーンは釣り専用のものもありますが、スーパー等で販売されているコーン缶のコーンでも大丈夫。
サナギやコーンはエサ取りに強い反面、季節や地域によっては食いが悪い場合もあるので、あくまでも特エサとして使用すると良いでしょう。
④練りエサ
練りエサは、集魚剤、さなぎ粉やオキアミエキスなどを混ぜて作られたダンゴ状の練りエサです。コマセを兼ねた役割も担い、エサ取りが多いときや、中層を攻めるときに威力を発揮するつけエサです。
通常は、直径1cm前後の球形の状態でハリにつけるのが一般的で、わずかにハリ先を出しておくのがコツ。海中でゆっくりとバラケるように作るとより効果的です。
市販のものもありますが、自分で簡単に作ることもできるため、あらかじめ特エサとして用意しておくと良いでしょう。
■コマセ(撒きエサ)
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りにおいて、コマセ(撒きエサ)やダンゴは、つけエサと同様に非常に重要です。
通常は、ウキフカセ釣りにはコマセを、ダンゴ釣りにはダンゴを使用します。コマセもダンゴも水分量が異なるだけで、基本的にはほぼ同じ内容です。
ウキフカセやダンゴ釣りは、釣り場に着いたらまず初めにコマセやダンゴを作ること!
磯や堤防・岸壁などポイントに到着し釣り座が確定したら、タックルセッティング前にかならずコマセ(ダンゴ)作りからはじめ、ポイント周辺にコマセやダンゴを2~3回打ち込み、潮の流れや濁り具合などを確かめるとともに、本命のクロダイをおびき寄せることが大切です。
ここでは、おもに関東を標準としたクロダイのコマセ(撒きエサ)とダンゴの作り方についてそれぞれ解説します。
コマセやダンゴは季節や地域、潮況等に応じて、オキアミや集魚剤などを配合する割合を変えることに注意しましょう!
①コマセ(撒きエサ)の作り方
ウキフカセ釣りのコマセは、オキアミ+配合エサが鉄板!
半日分としてオキアミ2kg、マルキューのチヌパワーやチヌパワーSP等のベースエサ1袋、オカラだんご1/2袋、活サナギミンチ1/2袋を入れます。さらに集魚力を高める場合はムギパワー1/2袋やチヌにこれだ!等の集魚液を加えても良いでしょう。
これらをバッカンに入れ、海水を適量入れて混ぜ込みます。海水は配合エサを混ぜながら徐々に入れて粘り具合を調節するのがポイントです。決して入れ過ぎないように注意しましょう。
コマセを作ったら、早速ヒシャクですくいポイントへ打ち込みます。
このときコマセがまとまった状態でポイントに着水し、ゆっくりとバラケていくのが、クロダイのウキフカセ釣りでは好ましいといえます。
深場や底層を狙う場合、オキアミは細かめに砕き、チヌパワーSP等の比重の重い配合エサを使用し、さらに海砂や川砂を適量入れるとコマセが海中で早く沈んでいきます。
②ダンゴの作り方
ダンゴ釣りのダンゴ作りは、オキアミ+米ヌカ+砂+配合エサがベースです!
半日分として、オキアミ1kg、米ヌカ1kg、砂0.5kg弱に、マルキューのチヌパワーSP1袋、さなぎミンチまたはムギパワー1/2袋がベストブレンドです。
オキアミはウキフカセ釣りの半量程度で、グチャグチャに砕くことによって粘り気を出すのがポイントです。また米ヌカと砂を使うのはコスパ重視。米ヌカは米屋で安価に入手でき、砂は比重の重い川砂を利用することによってダンゴがスムーズに沈降し着底します。
バッカンに入れたら、海水で混ぜ込み粘り気具合を確かめながら水の量を調整するのがコツ。
両手でおにぎりを握るように直径8~10センチのダンゴを作ったら、ポイントに投げ込みます。このとき空中分解したり、硬すぎて海中でなかなか割れないのはNG。海水の量を調整して適切なダンゴを作りましょう。
クロダイ(チヌ)釣りはポイント選びから
クロダイ(チヌ)釣りはポイント選びが『命』です!
クロダイ釣りでは、最適なタックルにエサやコマセ、さらにどんなに腕(技術)が良くても、ポイント選定で9割以上釣果が決まるといっても過言ではありません。
喩えは悪いですが、腕利きのパチプロが「出ない台」で延々と打ち続けても、一向にフィーバーしないのと同じで、「釣れないポイント」でどんなに頑張っても本命クロダイは釣れません。つまりプロは、数多くの経験や情報を蓄積した上で「釣れるポイント」を熟知しているのです。
また「好ポイント」といわれる場所は、春の乗っ込み期➜初夏~秋➜晩秋の荒食い期、と季節や地域によっても変わります。
沖釣り(船釣り)では、船頭が長年の経験や魚探の反応をもとに、釣れるポイントへと誘ってくれますが、陸っぱりから狙うクロダイ(チヌ)釣りは経験と情報を便りに、自分自身で好ポイントを探すことが必要なのです。
地域密着で通い慣れたポイントであれば、一年を通してクロダイ(チヌ)の好ポイントを把握することができますが、週末アングラーにとっては至難の業です。そんな方々は、
①情報90%・②経験5%・③運5%、で好ポイントを選びましょう!
クロダイ(チヌ)釣りは、基本地域密着型のローカルな釣りです。WEBでの情報も大切ですが、地域ごとのローカルな情報もリアルタイムで入手することが可能です。
できれば、実釣開始前に現地に赴いて、地元ローカルの釣り人の「生の声」を聴くのがイチバン手っ取り早い方法で、つぎに現地の釣具店や釣りエサ店、最後はWEB等である程度まとめて、好ポイントを絞り込んでいくのがおすすめです。
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クロダイ(チヌ)の釣り方
クロダイ(チヌ)のウキフカセ釣りやダンゴ釣りは、ポイント選びさえ間違わなければ、基本に忠実な釣り方をすることで、十中八九本命クロダイ(チヌ)を仕留めることができるというのが持論です。
ウキフカセ釣りとダンゴ釣りで考えた場合、磯や堤防、岸壁など、水深5メートル前後のポイントまでは徹底して底狙いが基本で、水深5メートル以上の深場では底から2~3メートルまでの中層が狙い目です。つまり、
クロダイ(チヌ)釣りは底狙いが基本!
ウキフカセ釣りとダンゴ釣りでは釣り方が異なります。ウキフカセ釣りはつけエサとコマセを同調させるのが基本で、つけエサを潮の流れに乗せてコマセを打つのに対し、ダンゴ釣りではつけエサとダンゴが同調している状態で仕掛けをステイさせて流します。
ここではウキフカセ釣りとダンゴ釣りの基本の釣り方について、それぞれ簡潔に解説します。
■ウキフカセ釣り
ウキフカセ釣りは、潮通しの良い磯、堤防・岸壁や、岩礁帯など根の起伏の激しい地形、または水深のある場所で中層を攻める場合に有効な釣り方です。
ポイントは、つけエサとコマセを同調させること!
乗っ込み期などエサ取りの少ない時期は、つけエサとコマセを同調させることが大切ですが、夏から秋にかけてエサ取りの多い時期は追いコマセをして、つけエサとコマセをあえてずらすのもテクニックの一つとして覚えておきましょう。
■ダンゴ釣り
ダンゴ釣りは、ダンゴ(コマセ)とつけエサが完全に同調しているため集魚力も高く、クロダイを一網打尽してしまうような釣り方です。
ダンゴ釣りのポイントは、潮の流れが緩い磯や堤防・岸壁等で、海底がフラットな地形で有効な釣り方です。
ポイントは、ダンゴの割れ方とつけエサの食わせ方!
ダンゴ釣りはおもに底層を狙うため、乗っ込み期や荒食い期の終盤には絶対的な効果を発揮します。
また夏から秋にかけては、カイズクラスの爆釣も楽しめるでしょう。
クロダイ(チヌ)ファン待望の乗っ込みシーズンがやって来ました! 春は産卵期を迎えた大型のクロダイがウキを消し込み、あちらこちらで容赦なく竿が曲がる季節。良い日に当たればキロオーバーの良型クロダイが数釣れることも。なんて淡い期待を抱き[…]