昨年の10月頃から好スタート発進したアマダイ釣りは依然として好調を維持しています。とくに相模湾一帯では連日のように好釣モード。数もさることながら、45センチオーバーのジャンボサイズや幻といわれるシロアマダイまでお目見えして、新年早々大勢のアマダイ釣りファンもヒートアップしている模様です。
アマダイ釣りの魅力といえば、ポイントが港から比較的近い上に、コマセを使わず手軽な仕掛けで狙えることです。このため船釣り初心者の入門としてもぴったりの釣りです。私自身船釣りを始めたばかりの頃は自宅からほど近い港によく通ったものです。
これから本格的な時期を迎え、50センチオーバーの良型も狙え、日並み次第ではツ抜け(10尾以上)なんてこともあるので、初心者の方でも大いに楽しめる釣りですよ。
さらにもう一つの魅力は、何といってもその食味。超のつく高級魚といわれるだけあって、繊細な白身で酒の肴に合う刺身やうろこ焼きは絶品です。いままで食べた釣果のなかで確実にベスト10入りする魚種です。
これから船釣りを始めようと考えている方にとっては、アマダイ釣りは船釣り入門の絶好のチャンスです!何といってもアマダイ釣りは…
釣って楽しい! ✕ 食べて美味しい!✕初心者でも楽しめる!のです
現在の状況
今回は関東屈指のアマダイ釣りの人気スポットである相模湾一帯の状況についてお伝えします。ここでいう相模湾一帯とは、湘南・西湘エリア(鎌倉・藤沢~茅ケ崎・平塚~小田原)を指します。同エリアのアマダイ釣りは関東地区では最もポピュラーといえるでしょう。
さて、現在の釣果ですが、おもに冬場の船釣り情報でご紹介した船宿によると、船中25~48cmクラスで一人0~10尾!船中30~40尾がアベレージの釣果です。殊にアマダイ釣りに関していえば、青物釣りのように日ムラ(日によって釣果に差)がない釣りですので、ぜひご参考にして頂けると幸いです。
おすすめのアマダイ船
相模湾一帯(湘南・西湘エリア)のおすすめのアマダイ船をご紹介します。正直私自身、アマダイ釣りは二、三度ほどしか行ったことがないため詳しくありませんが、大変良い思いをさせて頂いた腕利きの船頭が操船する遊漁船をピックアップしました。
どの船がイチバン釣れるとか甲乙つけ難いのでご贔屓はし兼ねますが、事前の情報収集を踏まえた上で、ご自身の判断で釣行計画を立てて頂けると幸いです。詳細はこちらをご覧ください。
冬場の船釣りで釣れる魚は、美味しい魚たちが勢ぞろい!! カワハギやショウサイフグ、アマダイといった近場の中小物からヒラメやメダイといった大物、キンメやアカムツそしてアコウなど深場で釣れる真紅の魚、さらにアブラボウズやベニアコウと深海[…]
湘南・西湘エリアへのアクセス
神奈川県湘南・西湘エリアのアクセスについてご案内します。
鎌倉・藤沢から茅ケ崎・平塚そして西湘エリアは相模湾に面して東西に連なり、海岸線を走る国道134号線で一直線でつながっています。夏場は海水浴、また観光など大変風光明媚なスポットとして夙に有名です。誰もがいちどは訪れたことがあるのではないでしょうか!?
都内や千葉・埼玉方面からのアクセスも良く、電車でも車でも2時間あれば行けるため、同エリア内にはたくさんの遊漁船が軒を連ね、季節を問わず大勢の釣り人で賑わっています。鎌倉・藤沢エリアは腰越漁港や片瀬江の島漁港、茅ケ崎・平塚エリアには茅ケ崎漁港や平塚漁港、そして西湘エリアには大磯漁港や早川漁港といった第一級の大型の漁港が存在します。
基本的に都内からのアクセスを考えると、鎌倉・藤沢エリアと茅ケ崎・平塚および西湘エリアでは各々行き方が異なるため注意が必要です。また西東京・埼玉方面からと東東京・千葉方面からのアクセスも異なります。
この時期のアマダイ釣りの場合、多くの船宿では出船時間が6時~7時と早いので、遠方から電車での釣行は前泊をおすすめします。出発地によっては始発に乗って何とかギリギリ間に合うかもしれませんが、万が一遅延した場合等を考慮すると他の客の迷惑になりかねないため、時間には余裕を持って出かけましょう。
電車でのアクセス
湘南・西湘エリアへの釣行は、小田急江ノ島線またはJR東海道線になります。
最寄駅はそれぞれ、
鎌倉・藤沢エリア:腰越港「江ノ電腰越駅」徒歩5分・片瀬港「小田急線片瀬江の島駅」徒歩3分
茅ケ崎・平塚エリア:茅ケ崎港「JR茅ケ崎駅」車で5分・平塚港「JR平塚駅」車で5分
西湘・小田原エリア:大磯港「JR大磯駅」車で5分・早川港「JR小田原駅」車で7分
どの港も最寄駅からアクセス良好です!
湘南エリアの船釣りの中心地ともいえる江の島の片瀬港は徒歩3分程で行ける絶好のロケーションなのです。
以下に、各々の港への詳細なルートをご案内しますので、お住まいの場所を目安に「駅すぱあと」等のルート検索サイトと睨み合いながらご検討ください。
❶ 腰越港 東京駅➜(JR東海道線)➜藤沢駅➜(江ノ電)➜腰越駅➜徒歩約5分
新宿駅➜(JR湘南新宿ライン)➜藤沢駅➜(江ノ電)➜腰越駅➜徒歩約5分
新宿駅➜(小田急線)➜藤沢駅➜(江ノ電)➜腰越駅➜徒歩約5分
❷ 片瀬港 東京駅➜(JR東海道線)➜藤沢駅➜(小田急線)➜片瀬江の島駅➜徒歩約3分
新宿駅➜(小田急線)➜片瀬江の島駅➜徒歩約3分
茅ケ崎・平塚エリア
❶ 茅ケ崎港 東京駅➜(JR東海道線)➜茅ケ崎駅➜タクシー約5分
新宿駅➜(JR湘南新宿ライン)➜茅ケ崎駅➜タクシー約5分
❷ 平塚港 東京駅➜(JR東海道線)➜平塚駅➜タクシー約5分
新宿駅➜(JR湘南新宿ライン)➜平塚駅➜タクシー約5分
西湘・小田原エリア
❶ 大磯港 東京駅➜(JR東海道線)➜大磯駅➜タクシー約5分
新宿駅➜(JR湘南新宿ライン)➜大磯駅➜タクシー約5分
❷ 早川港 東京駅➜(JR東海道線)➜小田原駅➜タクシー約7分
新宿駅➜(JR湘南新宿ライン)➜小田原駅➜タクシー約7分
新宿駅➜(小田急線)➜小田原駅➜タクシー約7分
車でのアクセス
湘南・西湘エリアへの車でのアクセスは目的地によって各々異なります。もっとも土日や祝日の釣行が多いでしょうし、観光地や景勝地の多い同エリアでは渋滞にハマってしまうこともしばしば。ましてや事故等が発生すると大渋滞に巻き込まれてしまいます。
こと釣りに関していうと、早朝往路&午後復路になるため『行きは良い良い・帰りは怖い』なのです。このため、帰港したらなるべく早めの帰宅を心掛けましょう!
それでは、エリア毎のアクセスについてご紹介いたします。
往路については工事や事故等がない限りカーナビでラクラク行けるため、ここではあえて復路(帰路)のコースについてご案内します。お住まいの場所によって多少変動はありますが、およその目安として参考にして頂けると幸いです。また当日の混雑状況も勘案した上でルート選択ください。
鎌倉・藤沢エリア(都内東部の場合)
❷ R467及びR30➜(藤沢橋)➜R1➜横浜新道➜狩場JCT➜首都高横羽線➜錦糸町出口
❸ R134➜R467➜(藤沢橋)➜R1➜横浜新道➜保土ヶ谷BP➜東名高速➜首都高➜錦糸町出口
➁ 渋滞がなければ❷ルートで首都高横羽線が最も最短&最速
③ 渋滞している場合は❶ルートが最もおすすめ
茅ケ崎・平塚エリア(都内中央部の場合)
❷ R134➜茅ケ崎海岸IC➜新湘南BP➜横浜新道➜狩場JCT➜首都高(横羽・環状)➜新宿出口
❸ R134➜茅ケ崎海岸IC➜新湘南BP➜横浜新道➜第三京浜➜環八➜甲州街道➜新宿
➁ 茅ケ崎・平塚ともに新湘南バイパスを使うのがベスト
③ ただしJCT付近で渋滞が予想されるのでケースバイケースで
西湘・小田原エリア(都内西部の場合)
❷ 早川ICまたは大磯IC➜小田原厚木道路➜海老名JCT➜圏央道➜相模原相川IC➜R129➜甲州街道
❸ 早川ICまたは大磯IC➜小田原厚木道路➜厚木IC➜東名➜用賀IC➜環八➜甲州街道
➁ 都内西部は圏央道➜中央道へ・中部東部は東名ルートが望ましい
③ ただしJCT付近で渋滞が予想されるのでケースバイケースで
アクセス方法まとめ
多くの釣り人にとって釣行時の往路や復路の道中もまた楽しみのひとつです。往路はフロントガラスの向こう側に、来たる大漁や大物を夢見てドキドキ・ワクワクしながら一路港へ車を走らせるものです。
しかし、復路はどうかというと…。悲惨な結末に終わったら睡魔との格闘ですし、大漁や大物を釣ったら釣ったで余韻に浸りながらも、帰宅後捌くのが大変なことを想像するとやはり早く家路に着きたいものですよね。笑
ただ長年船釣りをしていると、「釣行」というのはただ実釣だけではなくて、家を出てから帰るまでの一連のプロセスが釣行だということに新ためて気づかされます。
時間には余裕を持って安全で快適な釣行を心掛けたいものです。
アマダイ釣りのウェア・装備品について
防寒・防雨対策はしっかりと!
冬場の船釣りは、とくにナライ(北東風)や北西の季節風が吹くため、陸っぱりでは暖かく感じられても海上は吹きっさらしで、船の上ではとても肌寒く感じられます。
また、寒さに加えて冷たい北風や冷雨のダブルパンチを喰らうと体力と気力を消耗してしまい、ひいてはモチベーションの低下に繋がりかねません。
このため、アマダイ釣りに限らずこれからの季節釣り全般を通じて、防寒・防雨対策は入念に準備しましょう!
最近はユニクロやワークマンといったメーカーから、さまざまな防寒ウェアが販売されています。防寒インナーの上下。そしてトレーナーにスウェットパンツ、さらに中綿の入った防寒用のベストを重ねるだけでもホッカホッカですよ。インナーやミドラーは大手釣具メーカーでも数多く販売されていますが、値段も高い上に機能性の点でいうとコスパはいま一つのような気がします。
アウターはダイワやシマノといった有名メーカーで販売している冬用のフード付きのスーツがおすすめです。またレインギアもかならずセットで用意しておきましょう。
とくにレインギアはアウターよりも1~2サイズ大きめのサイズを選びましょう。例えば、アウターがLサイズの場合レインギアはLLまたは2Lになります。ただしメーカーが異なる場合は、実際に試着してみることが大切です。
もちろん帽子や手袋等も必携です。とくに厳寒の冬場はダイワで販売しているフーディーウォーマーやネックゲイターは襟元の寒さを凌げて大変便利なアイテムです。
また足元の冷え対策も肝心です。ブーツの中はユニクロのヒートテック靴下が最もコスパに優れていると思いますが、さらに冬用のインソールを合わせて履くだけでも相当暖かく感じられます。
冬場の釣りは体感温度のメンテナンスが大切です。必ずしも天気が良いから暖かいとは限りませんし、雨が降っているから寒いとも限りません。最適なコンディションで快適に釣りを楽しむことが大切です。
✅ アンダーウェア 下パンツ
✅ トレーナー
✅ スウェット上下
✅ 釣り用スーツ上(ジャケット)
✅ 釣り用パンツ下(パンツ)
✅ レインギア
✅ 帽子
✅ 手袋
✅ フーディウォーマー・ネックゲイター
✅ 靴下(ソックス)
✅ 中敷き(インソール)
✅ ライフジャケット ※必ず着用のこと
✅ ブーツ
おもに冬場の防寒着のメインとなる防寒スーツのおすすめはこちらです。
アマダイ釣りの道具・仕掛け
アマダイの船釣りは、天ビンや胴突き仕掛け、テンヤ釣りから最近流行りのライトタックルやタイラバならぬ「アマラバ」とかジギングでも狙えたりと釣り方は様々です。ことに相模湾のアマダイ釣りは、片天ビンにハリス2.5~3mに2~3本針のエサ釣りが基本となります。
私自身天ビン仕掛けでしかやったことがないですし、また最もポピュラーな釣り方ですので、ここでは一般的な天ビン仕掛けをご紹介します。
タックル
アマダイはあまり群れで棲息しないため、一荷で釣れることはまずありません。針数は基本は2本ですが、多くても3本までが無難です。実際に釣果にはあまり関係ないようです。
また、とくに食いの渋い時や潮が濁っている時などは、チモトにグリーン系のソフト夜行玉を付けるとよりアピール度が増し効果的です。
エサ
アマダイ釣りではオキアミが最も一般的な付けエサです。
オキアミはマダイを筆頭にワラサやカツオ等の青物など船釣りでは欠かせないオールマイティなエサです。しかし、エサの付け方次第で釣果に差がつくといっても過言ではありません。
下図は、オキアミの王道の付け方です!何度か繰り返し練習すれば誰でもスムーズにできるようになります。この付け方さえマスターすれば、仕掛けは安定して着底しクルクルと回転せず、付けエサのオキアミを違和感なく海中で漂わせることができるのです。
またアマダイ釣りにおいては、オキアミだけでなく特エサも用意しておくことをおすすめします。
アマダイはオキアミの他、ゴカイや青イソメ・岩イソメといったイソメ類やボケジャコ・カニ・エビなどの甲殻類、あるいは貝類など何でも食べる雑食性です。
特エサとして用意しておきたいのはイソメ類です。
船釣りであれ陸っぱりの釣りであれどんな釣りでも、エサをないがしろにしている方を多く見かけますが、私自身の経験上これは間違いだと思います。エサは竿やリール以上に重要な要素であると肝に銘じましょう!
釣り方
いよいよ仕掛けの投入です。アマダイを狙うタナは、水深40~80mといった比較的浅場の底付近になります。
仕掛けの投入時はハリスが天秤に絡まないよう慎重に投入しましょう。このときなるべくハリスを潮下の方に向けながら投入するとスムーズに出来るでしょう。
着底したら糸フケをとって底ダチをとり、ゆっくり1mほどハンドルで巻上げます。アマダイ釣りのポイントは砂泥地が多いため滅多に根掛りすることはありません。
オモリが底から1m付近の位置で軽く誘い上げたり下ろしたりしてみましょう。ただしこれまでの経験上、誘いすぎると逆効果になるケースがほとんどです。もっとも船長の指示に従い当日の潮況に合わせて行いましょう。
アマダイのアタリは千差万別です。ゴンゴンと明確に手元に伝わる場合もあれば、モゾモゾと竿先が小さい反応が出る場合もあります。微かでも異変を感じたらとりあえず竿先を上げて聞いてみましょう!
- 投 入:天秤に仕掛けが絡まないよう慎重に
- 着 底:カウンター確認後糸フケを取り1m巻く
- 待 ち:竿を上下して誘いをかける
- ア タ リ:明確な場合もあれば
- 合 わ せ:基本向こうアワセ・食い渋り時は即アワセ
- 巻 上 げ:電動の低~中速でゆっくりと
- 取り込み:かならずネットですくう
やりとりと取り込み
アマダイは群れで行動しないため、青物のようにが船全体でバタバタと釣れることはありません。またたくさん釣れる魚でもないので(たくさん釣ったことがないだけかも…汗)、貴重な一尾は大事にネットですくいましょう。
『キターッ!』
あわてずに・・・アタリの段階では本命かどうかはわかりません。
アマダイ釣りは、ヒラメ・カサゴ・ホウボウ・トラギス・カイワリなど外道の多い釣りです。なので、アタリの段階では本命か?外道か?は判別できません。
獲物を掛けたら電動の低~中速でゆっくり巻上げましょう。手動の場合はゴリ巻きで巻き上げましょう。アマダイは最大でも50cm級までなので、決して道糸は出さないこと。掛かりが浅い場合もあるためバラシの原因になりかねません。水面付近に「ピンク色に輝く魚体」が現れたらバンザイです!
小さな魚体でもなるべくタモ入れしましょう。
アマダイの締め方
タモ(玉網)に取り込んだアマダイは、船上で神経締め&血抜きをして丁寧に取り扱いましょう。
神経締めとは、わかりやすくいうと「脳死」の状態にすることです。具体的にはアマダイの眉間のやや上部に竹串やアイスピックで穴を開け、そこから専用のワイヤー器具を突っ込み何度か抜き刺して神経を破壊する作業です。ワイヤーは神経締め専用のものがネットで販売されています。神経締めの過程でアマダイの魚体が瞬く間に白くなるのが解りますよ。
さらにエラを切って海水に約5分ほど浸け血抜きをします。
神経締め&血抜きで鮮度や食味も抜群です!
私自身初めは血抜きしかしていませんでしたが、神経締めをすることで釣りのもう一つの楽しみを味わえるようになりました。
② 誘いも有効、誘いすぎは禁物!
③ 特エサにイソメを持参して行こう!
④ 基本向こう合わせだが攻めも大事
⑤ 取り込みはかならず玉網(タモ)で!
⑥ 釣れたアマダイは神経締め&血抜きで処理!
アマダイ釣りの魅力
例年この時期から春先まで多くのファンを魅了して止まないアマダイ釣り。その魅力は、何といっても釣り自体の手軽さと抜群の食味に尽きると思います。
アマダイ釣りは船釣りにおける基本的なエッセンスが凝縮されていて、なおかつコマセを使わず手軽に釣りが楽しめます。さらに手軽に超高級魚をGETしては、比較的簡単に調理できて食卓を高級料亭さながらに演出することも実現可能なのです。
アマダイは刺身を基本として、焼霜・うろこ焼き・塩焼き・煮付け・炊き込みご飯など、いかように料理しても美味しいです。多少料理の腕は悪くても、アマダイ自体の美味しさがフォローしてくれるのでご安心ください!笑
釣り人の特権を大いに活かしましょう!